
ゴルフコンペ向けの景品を中心に取り扱っているエンタメゴルフでは、幹事が困らずに景品を選ぶことができ、コンペの参加者に喜ばれる商品を取り揃えています。商品の中には、メーカーとのコラボによって生まれたものも多数販売されています。今回は価格競争に陥らず、お客様に満足いただける商品開発の視点について、エンタメゴルフを運営している株式会社アンバリッドの代表取締役である古谷理朗さんにお伺いしました。
この記事の目次
エンタメゴルフ立ち上げの背景
――エンタメゴルフはゴルフコンペの景品専門店であることから、ニッチな市場を狙った店舗かと思います。まず、立ち上げの背景について教えていただけますか?
古谷さん:17年くらい前に紫外線が当たると色が変わるゴルフボールを知人に教えてもらったことがきっかけです。面白いから販売したいと思ったものの、当時はゴルフ業界への販路を持っておらず、まずはECから販売を始めることにしました。ボールの色が変わるので「変化球」という商品名を付け、「変化球ドットコム」というサイト名で販売を開始します。エンタメゴルフのドメイン名が「https://www.henkaq.com/」なのは、変化球ドットコムの名残です。

古谷さん:今エンタメゴルフとしてゴルフコンペの景品専門店になった背景としては、私自身が幹事を務めたときに苦労したり、コンペの景品が残念だったりといった経験に基づいています。
コンペの幹事に喜ばれる景品販売
――エンタメゴルフにはどういった動機で訪れるお客様が多いのでしょうか?
古谷さん:メインのお客様層としては買うものが決まっていないゴルフコンペの幹事が多いです。「ゴルフコンペ 景品」といった検索ワードで流入して、当社を知ってもらいます。幹事は景品以外にも、会場の予約や参加者への連絡など、調整することが多いです。そういった調整に加えて、ある程度の人数分景品を用意することになると負担が大きいことがわかるかと思います。また、バラエティに富んだ景品を用意する場合、いろいろな場所で購入するため、何かと手間が多くなってしまうのです。
当社では人数や予算など必要な情報をご提示いただければ、参加者の方々に喜んでもらえるような景品を上手く調整してご提供いたします。予算内で景品を我々に任せていただき、幹事もコンペの参加者に喜んでもらえれば、みんながハッピーになれますね。
ヒット商品を作るには?
――幹事にとっては間違いなく嬉しいサービスですね!景品として出品している商品の中にはオリジナルの商品も多いかと思います。今まで作った商品についてお話を伺えますか?
古谷さん:初めて作ったオリジナルの商品はCDでした。全米オープンや全英オープンなど、テレビ放映されるゴルフのトーナメントは毎回同じ曲が流れているので、ゴルフ好きの方はその曲を聞くと「ゴルフやりたい!」とテンションが上がるんです。私が欲しかったことがきっかけですが、同じように考えている方が多かったようで売れ行きは良かったです。
それから、ニアピン賞やドラコン賞用の景品として専用のクッキーを作りました。こういった賞の場合、景品の予算は大体1,000円くらいになりますが、せっかく賞を取ってもあまり嬉しくない景品をもらうこともあるんです。
表彰状がデザインされたパッケージやプリントが入ったクッキーにすることで、表彰式でクッキー単体の価格ではなく景品としての価値を乗せることができました。

古谷さん:クッキーの後、「ニアピン賞用の景品でピンそばって蕎麦を作れたら面白いな」と思っていたところ、ゴルフ好きでそばを作っている会社の会長がピンそばを販売していたんです。その会長からタイミング良く問い合わせを頂き、取り扱うことになりました。こちらもかなりのヒット商品になり、ニーズに合う形でパッケージを変えることで新たな価値が生まれることが確信に変わっていきます。
海苔屋さんと一緒に作った「海苔(乗り)ました」や「海苔(乗り)ませんでした」、梅干し屋さんと作った「ゴルフうめ~」など、ゴルフと関連付けることで喜ばれる景品を作っていきました。
競争ではなく価値の源泉を探す
――ゴルフと関係のない景品をもらうより、ゴルフコンペに参加したと思えるようなゴルフと関係のあるデザインの景品をもらえるのは嬉しいかと思います。新しく商品を生み出す上で考えていることや条件はあるのでしょうか?
古谷さん:ゴルフネタの商品は食品であることが多いです。自分でも、家族へのお土産としても消費できますし、ファッション品と違って色の好みやサイズが分かれることもありません。ただし、条件として賞味期限が長く、常温でも管理・保管ができることが大切です。乾麺やクッキーのような商品だとやりやすいと思います。
また、パッケージも目立つように意識しています。具体的には、地域限定のご当地商品のイメージでしょうか。景品は、みんなの前で表彰と同時に渡されますので、小さくて目立たないパッケージだと盛り上がりに欠けてしまうからです。

今は同業界で価格競争や卸先の棚の取り合いにより厳しい状況を強いられているメーカーが少なくないと伺います。ヒット商品になった海苔屋さんや梅干し屋さんも、同様に苦しい状態だったようです。
競争が激しい中で争うのではなく、別の軸から利益を確保できるような仕組みをコラボによって生み出すことはまだまだできると思います。地方の社長さんはゴルフ好きの方が多いこともあり、私の場合は地方のメーカーさんに打診すると快諾していただけることが多いです。協業先は自分からネットで探したりや展示会に足を運ぶこともあれば、紹介やツテで色々なメーカーさんと接点を持ち、取引へとつながっていきます。
「誰かのため」を見つけることが価値になる
――お話を伺って、ご当地限定のお土産品のように普段はコンビニで売られている商品がパッケージ違いで数倍の価格で売られていることを思い出しました。最後に今後の展開についてお話いただけますか?
古谷さん:まだまだできていないことがいっぱいあります。せっかくのゴルフコンペで表彰式が盛り上がらないのは残念です。今の景品の用意をご支援すること以外にも、コンペが盛り上がるようにするにはどうしたら良いかなど、幹事に伝えられるようにしていきたいです。また、商品についても参加賞として名前が入った景品を用意するなど、SNSで拡散されやすいオリジナリティある商品を用意して、価値を生み出していこうと思います。
例えば、食品1つ取り扱うにしても、しずる感溢れる美味しそうな写真を撮って、誰からも食べたいと思われる市場で戦うのは大変なことです。「みんなのために」ではなく、価値を感じられる「誰かのために」エッジの効いた商品を作って行きます。
あくまで奇をてらうのではなく、特定の分野でホワイトスペースを探して行けば、お客様が欲している価値は見つかると思います。
インタビューを通して:当事者として価値を感じる重要性
古谷さんがゴルフを好きで、ゴルフコンペにも多数参加した経験があるからこそ、エンタメゴルフがお客様に喜ばれながら長く続いているように感じました。好きだからこそ、実体験を通して見えてくる課題や改善点があると思います。
コンペの景品で喜ばれ、盛り上がる景品を思いつくには、コンペの景品で満足できなかった経験がないと難しいのではないでしょうか。まずは自分自身の経験を通して、感じられた不満や不便にこそ、ホワイトスペースがあり、未来に続くチャンスがあると思います。今回の記事でご紹介した以外にもユーモア溢れるアイディア商品が販売されているので、ぜひエンタメゴルフをご覧いただければと思います。
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https://www.rakuten.co.jp/henkaq/
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