自社ブランドにサブスクを導入する際に決めなければいけないこと【後編】 Shopifyマーチャントが語るサブスクの現実

はじめに

コマースピック読者の皆様、株式会社フロアスタンダード代表の高松です。

弊社は2016年創業当初からサブスクリプションECの集客支援を行っており、現在は自社D2Cブランド「YOU TOKYO(https://shop.youtokyo.jp/)」をShopifyで運営しています。2021年5月にはShopifyサブスクアプリ「Mikawaya Subscription」をリリースし、現在多くのShopifyユーザー様にお問い合わせ、ご導入をいただいております。

今回は、前回に引き続き「自社ブランドにサブスクを導入する際に決めなければいけないこと」の継続性を高める為に弊社ブランドで行っている具体的な施策と新規性についてお話していきます。

「継続性」を高める為に行っている具体的な施策

前回の記事では弊社で取り扱うヘアケアブランド「YOU TOKYO」は継続性が低い商材であると言及しました。その継続性の低さをカバーするために運用面で具体的に行っている下記2点の施策をご紹介致します。

① パーソナライズ診断ページの導入
② コンテンツ(メルマガ/LNE/SNS)の強化

① パーソナライズ診断ページの導入

髪質診断コンテンツを作り、お客様ご自身で自分の髪質を知っていただいた上で弊社の商品がどのような効果があり、複数ある商品のどの商品を選べばいいかを提案するコンテンツとなっています。前回の記事で記載した「継続的に購入する必要性を説得力のあるコンテンツとして発信が可能なのか?」という部分に着目した施策の一つです。

パーソナライズ診断ページの導入

② コンテンツ(メルマガ/LNE/SNS)の強化

弊社では下記の頻度でコンテンツ配信をしています。

  • メルマガ 週1回
  • LINE発信 月3回
  • Instagram投稿 週3回
  • Instagramストーリー投稿 週5回
  • Twitter投稿 週5回

メルマガ・LINE・Instagram・Twitterを利用していますが、もちろんそれぞれの特性に合わせ配信内容は変えています。

メルマガ

文章量が確保できるので髪の基礎知識やヘアスタイルについてお客様の有益となる情報を発信し、その上で弊社の商品が必要になるのかに重きをおいています。

LINE

情報発信に加え身近なコミュニケーションを意識しているので、LINEで直接弊社のスタッフがお客様のお悩み相談を受け、解決に導く商品の提案をしています。

Instagram

商品デザインを活かしビジュアルと季節を意識した発信をしています。

Twitter

新商品、キャンペーンの情報や商品の在庫状況や社内の様子などリアルタイムに近い情報の発信を意識しています。

このようにコンテンツを強化することにより、「なぜ弊社の商品使い続ける必要があるか」を地道に啓蒙し継続率の低い商材といったデメリットをカバーする施策をしているのです。

コンテンツ(メルマガ/LNE/SNS)の強化

新規性(競合優位性)とは?

新規性(競合優位性)とは、シンプルにいえば「市場に多数ある商品の中で、自分のブランドを敢えて選んでもらえる理由」です。「なんとなく」や「想い」だけではブランド作りは絶対に上手くいきません。新規性(競合優位性)というと「目新しくて他にないコンセプト」が思いつきますが、誰でも商品が作れるようになった昨今のEC市場においてその点は新規性(競合優位性)としては弱いと思っています。

商品の販売当初は目新しさで一時、商品は売れるかもしれませんがすぐに競合にベンチマークされてしまうので継続的な売上をつくっていくことは非常に難しいでしょう。私自身、長年デジタルマーケティングの世界にいるので廃れていった商材は数多く見てきています。なので、尖った商品コンセプトだけに頼らずにその他の強みを洗い出してみるのも良いかと思います。

例えば、弊社のクライアントでお菓子のサブスク販売をしている企業があります。その企業の強みでいうと「企画力×製造力」です。ペイストリーシェフというお菓子や原材料に詳しい専門のシェフが社内におり、サブスクでお客様が飽きずに商品を買い続けていただくための新商品の企画、開発を日々行っています。そして自社にファクトリーがあるのでペイストリーシェフのアイデアをタイムラグなく形にし、販売できる体制にまでもっていくことができます。

このような体制がその企業にはあるのでユーザーの意見が反映された商品の販売や常に新鮮な頒布会形式(毎月違うものを届ける形)のサブスク商品を生み出すことができます。また、その強みをコンテンツ化しお客様に情報を届けることもできるのです。このような自社の強みを洗い出しどのようにEC販売、サブスク販売に繋げるかをよく考える必要があります。

その他でいうと、

  • 自社はデジタルマーケティングが得意だが、商材が売れている主な市場はアナログであり、デジタル領域で戦っている競合がいないので得意分野が活かせそう
  • その市場や業界で強力な影響力をもつインフルエンサーと共同開発している商品
  • アクセス数が豊富でユーザーの購買モチベーションが高いメディアを保有している
  • オフラインでの販売に適した商材を保有している(オフラインでの独自の販売施策は気付かれづらいのでベンチマークされにくい)

このような点も強みとなります。商品コンセプトだけではない新規性(競合優位性)を活かして商品設計をすることで数多くの商品で溢れているEC市場で勝ち筋が見つかる可能性が高くなるでしょう。

最後に

前回、今回にわたり「継続性と新規性」についてお話しました。これらを考えずに販売し、広告費をかければどうにか売れるだろうといった考え方では望むような継続した売上は作れないと思います。また、その中でサブスクを開始しても同様です。莫大なコストをかけて商品を作ったのに売れないといった事態を生み出さないためにも、弊社の「Mikawaya Subscription」やサポートサービスがお役に立てるかと思います。商品設計・サブスク体制の構築・グロースまで幅広くご支援しておりますのでお困りごとやご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。

■お問い合わせはこちら

■Mikawaya Subscriptionのインストールはこちら

合わせて読みたい

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ