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はじめに:Cookie規制とは
Cookieは、Webブラウザに備わっている機能です。私たちがWebページを閲覧するとき、WebブラウザとWebサーバーの間で、データのやり取りをする仕組みのことをいいます。
Cookieには 「1st party Cookie」 と 「3rd party Cookie」 の二種類あり、それぞれの機能を活用することで様々なデータを取得できます。
「1st party Cookie」は、閲覧したWebページのサーバーから直接発行されるCookieです。例えば、あるECサイトに再訪問するとき、ログイン情報の入力なしでログインできたり、過去にカートに入れた商品を確認できたりします。
「3rd party Cookie」は、広告配信サーバーなど異なるサーバーから発行されるCookieです。例えば、TシャツのWebページを見たあと、ほかのWebページを閲覧する際、TシャツのWebページのバナー広告が出てくることがあります。これは、Cookieを活用してアクセス履歴が記録され、広告配信のターゲティングに使われているからです。
Cookieは、Web広告のターゲティングやコンバージョンの計測など、あらゆる場面で利用され、広告効果の最適化のために欠かせない存在だといえます。

2020年6月、改正個人情報保護法が公布され、2022年4月1日から施行されることになりました。Cookie情報、IPアドレス、端末IDといった「個人関連情報(個人に関連はするが、それ単独では特定の個人を識別できない情報)」の利用規制がなされます。この法律の施行に向けて企業は対策を進めていかなければなりません。
機能としてのCookieと、個人情報としてのCookie
Cookie規制で起きる問題は、二軸あると考えています。一つめは、Cookieが機能として使えなくなること。二つめは、Cookieを個人情報として扱うようになるため、使えなくなることです。
前者の、機能としてのCookieが使えなくなる問題は、GoogleやFacebook、Criteoのようなメディアのアップデートで対策していくことができると思っています。

しかし後者については、企業としてどう向き合うか、どう考えていくのか、という方針をもち、対策していかなければなりません。
GDPR(EU一般データ保護規則)では、Cookie情報などのオンライン識別子は「個人データ」に含まれるものとして、氏名や識別番号と同程度の保護をするべきだと考えられ、既に厳しい規制がしかれています。
日本の法改正では、Cookie規制はまだ限定的なものであり、これまで規制されていなかった分野を規制するものです。法律のガイドラインを見ながら、準備をしていく必要があります。どうすればいいかという明確な答えが出ているものではなく、私自身、これまで蓄積してきた経験や知識によって判断しています。
Web広告における必要な対策
Cookie規制での二軸の問題を考えると、その対策は、技術的な観点と個人情報保護法の観点の両方から見定めていくことが大事です。
これまでWeb広告では、Cookieで取得したデータをもとに、機会学習を行っていました。しかし今後取得できなくなることを考えると、それを補完するために、メールアドレスや電話番号などの1st Party Dataを使う必要が出てきます。
1st Party Dataを使うとなると、これは個人情報なので、企業はどう扱うか方針を決めておかなければなりません。例えば、企業が広告代理店に広告出稿を依頼する場合には、ハッシュ化したデータを使うなどの対策が必要になります。
データドリブンな世界で求められる知識
昨今のメディアのアップデートを見ていると、データドリブンな世の中になってきていることを感じています。ビジネスの課題に対し、データをもとにした意思決定や判断をすることが求められているのです。
Web広告においては、メディアに「いいデータ」をたくさん送ることが大事で、そうすることで機会学習が進むといわれています。「いいデータ」とは、よりコンバージョンに近いデータ、つまり個人情報です。
データドリブンな世界で求められるのは、そういったデータを有効活用できる環境をつくっておくことです。今あるデータをどう使うのか。それが人なのか、ツールなのかはわかりませんが、環境を整えておかなければなりません。加えて、テクノロジーの知識だけではなく、法律を含めたビジネスの知識も持ち合わせておく必要があります。
例えば、私たちのような広告代理店が、広告主Aから1st Party Dataをもらい、それを勝手に広告主Bの広告アカウントで使うなど、社内のガバナンスが効かなくなればかなり危険です。データを使える環境だけではなく、データを扱う際の社内フローの整備も必須です。
最後に:Cookieレス時代に向けたデータ連携ソリューション
ここまで、Cookie規制によって今後必要となる、デジタルマーケティングの対策や知識についてお話してきました。企業にとって、Cookie規制の影響は、広告パフォーマンスにダイレクトに影響を与えます。よって、大企業に比べてご予算が限られる中小企業ほど、Cookie規制への早めの対策が求められます。
そこでソウルドアウトでは、1st Party Dataを使い、各広告媒体にシグナルとして送ることで、Cookie規制で欠損していくデータを補完し、広告効果の最適化をより強固なものとするツール「DATA CONTROL」を開発しました。


1st Party DataをExcelファイルに入れてハッシュ化。生成したファイルをツールにアップロードするだけで、媒体にシグナルとして送られるように設計されています。私たちが向き合っている地方、中小企業が、FacebookのコンバージョンAPIや、Yahoo!、Googleのオフラインコンバージョンを簡単に使いこなせるようなツールです。
私たちソウルドアウトはこれまで、多くの地方、中小・ベンチャー企業をデジタルマーケティング領域で支援してきました。これまで培った経験とノウハウをもとに、ツール開発に至ります。
デジタルマーケティングに関するお困りごとは、ソウルドアウトまでお気軽にご相談ください!
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