Meta、2026年第3四半期決算:AIエージェント「Muse」の買い物利用は25%超、日本でも提供開始

Meta Platforms(以下、Meta)は、2026年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比26%増の646億100万ドル、広告収益は同26%増の630億6,100万ドルとなっています。
パーソナルAIエージェント「Muse」については、米国・カナダの週間アクティブ利用者の25%超が買い物に利用していると報告。決算発表後の10月23日には、日本でも提供を開始しています。
本記事では、Museによる購買支援や事業者向け機能を中心に、広告制作・運用へのAI活用とクリエイター関連施策をまとめました。
Museの週間利用者の25%超が買い物に利用、平均購入額は200ドル超
Museは、利用者の依頼に応じて情報収集や比較、購入手続きなどを進めるパーソナルAIエージェントです。利用者が目標を伝えると計画を立て、ブラウザの操作や外部サービスとの連携を通じて作業を進めます。
Metaによると、米国・カナダでは提供開始から約1か月半で1,000万人超がMuseを設定しました。主な用途は買い物、生産性向上、創作で、週間アクティブ利用者の25%超が買い物に利用しています。平均購入額は200ドルを超えており、マーク・ザッカーバーグCEOは、この数値には旅行関連の購入も含むと説明しました。
10月23日には、北米以外で初の提供地域として日本でもサービスを開始しました。iOS、Android、Webから利用でき、基本的な機能の多くは無料です。サブスクリプションプランも用意しています。
日本向けの発表では、Gmail、Googleカレンダー、Instagramに加え、Stripe、Shopify、Trip.com、Agoda、Klookなどとの連携を紹介しました。さらに、メルカリ、マネーフォワード ME、チケットぴあとの連携も進めるとしています。
同社によると、商品の購入やメールの送信など、重要な操作の前には利用者本人に確認する仕組みです。Museが行った操作や今後行う予定の操作の履歴も、利用者が確認できるとしています。
事業者向け機能で広告分析や顧客対応を支援、Shopifyなどと連携
Metaは、9月下旬に追加したMuseの中小企業向け機能についても説明しました。既存のMuseアプリ内に、事業運営や顧客獲得を支援する機能・コネクターを追加したものです。
Instagramアカウント、Facebookページ、Meta広告アカウントなどのほか、Shopify、QuickBooks、Canvaといった外部サービスと連携するとのこと。同社によると、広告・コンテンツの実績分析、キャンペーン案や顧客への返信の作成、問題点の通知などに対応します。
実際の用途として、広告の最適化、ダイレクトメッセージの整理、在庫や新商品に応じたWebサイトの更新などが挙げられました。なお、日本向けの発表では、中小企業向け機能の個別の提供範囲までは示されていません。
今後の連携基盤として、Sierra、Walmart、Stripe、Shopifyなどと、オープン標準「Personal Agent Protocol」も開発しています。消費者側と企業側のAIエージェントが、安全にやり取りするための仕組みです。同社は、認証済みAPIや承認された連携、エージェント間の直接通信などを通じた取引を構想しています。
Museの収益化は、決算説明会時点ではサブスクリプションに限られています。今後は、Museが仲介する取引に応じて事業者から手数料を受け取る仕組みや、事業者向けの追加機能を提供するサブスクリプションなどを構想しています。
約1,000万の広告主が生成AI広告ツールを利用
広告事業では、第3四半期の広告表示回数が前年同期比10%増、平均広告単価が14%上昇しました。同社は、利用者数やサービス利用の拡大、広告掲載量の最適化が表示回数の増加に寄与したと説明しています。平均広告単価の上昇については、広告パフォーマンスの改善やマクロ環境の改善などを挙げました。
広告配信では、広告の表示順位を決めるモデル「GEM」の適用先を拡大しました。この取り組みにより、外部サイトでのコンバージョンを目的とするキャンペーンのコンバージョンが1.7%増加したとしています。
制作支援では、第3四半期に約1,000万の広告主が生成AI広告クリエイティブツールを少なくとも1つ利用しました。動画生成機能を利用する広告主は前四半期比25%増加しています。画像1枚から数秒で動画を用意できる機能などが、利用拡大の一因になったとのことです。
広告運用を支援する「Meta AI business assistant」では、改善提案の効果も報告しました。同社の推計では、提案を採用した広告主は、類似の非採用広告主と比較して、同じコンバージョン単価で約5%多いコンバージョンを獲得しています。
同アシスタントには、クリエイティブの分析や事業内容の理解を強化する機能なども順次導入しています。広告主が承認やプレビューを通じて操作を確認しながら、対話形式でキャンペーンの計画・作成・最適化、タスク・通知の予約を行えるようにする方針です。
パートナーシップ広告が拡大、クリエイター検索から広告配信までを集約
クリエイターやブランドなどと連携して配信する「パートナーシップ広告」は、前年同期比97%超の成長となりました。足元の売上ペースを年換算した額は150億ドルを超えています。
第3四半期には、「Creator Marketing Hub」の全広告主向けのグローバル展開も完了しました。クリエイターの発見、コンテンツの整理、パートナーシップ広告の配信を一か所で行う仕組みで、検索できるクリエイターは1,000万人超となっています。
Metaは、同HubへのMeta AI business assistantの統合も進めています。広告主が対話を通じてクリエイターを検索し、広告に利用するコンテンツを選び、クリエイターを活用したマーケティング業務について助言を受けられるようにするとのことです。
まとめ:Museの購買利用実績を公表、日本でも提供開始
Metaの2026年第3四半期は、広告表示回数と平均広告単価がともに伸び、広告収益が前年同期比26%増加しました。生成AI広告クリエイティブツールの利用拡大に加え、広告運用やクリエイター施策を対話形式で支援する機能の展開も進めています。
Museでは、北米で買い物への利用実績が示され、事業者側でも広告分析や顧客対応などに利用されていると報告されました。日本での提供も始まり、国内サービスとの連携を進めています。
Metaは、広告制作・配信から商品比較・購入支援、事業者の業務支援までAIの活用範囲を広げています。今後は、Museを通じた取引の収益化と、消費者と企業のAIエージェントが連携する仕組みの整備を進める方針です。
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