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【ECの未来】セールをしないのに2年で10億円。nairoが実践するD2Cブランドの成長戦略

【ECの未来】セールをしないのに2年で10億円。nairoが実践するD2Cブランドの成長戦略
記事の概要

楽天市場・Amazonなどネットショップ運営代行をはじめ、モール通販を中心にECサポート・ECコンサルティングを行っているサヴァリ株式会社が運営するYouTubeチャンネル『ECの未来』では、ECに関わるさまざまな方をお呼びして、その方たちの得意ジャンルのお話をMCである株式会社柳田織物の柳田敏正さんと対談形式でお届けしています。

今回は、gf.X株式会社の代表取締役社長である杉山太士さんに、「セールに頼らないD2Cブランドの成長戦略」をテーマにお話いただいた回をご紹介いたします。

【ゲストスピーカー】
杉山 太士さん
gf.X株式会社 代表取締役社長
アパレルブランド「nairo」

【チャンネルMC】
柳田 敏正さん
株式会社柳田織物 代表取締役
ワイシャツ専門店「ozie(オジエ)」

予約会を軸にした受注生産の仕組み

柳田さん:「nairo(ナイロ)」では、2年間で10億円以上を売り上げていると伺っています。どのような取り組みをされているのか、お聞かせいただけないでしょうか。

杉山さん:セールを一切しないことと、予約会を行っていることが特徴です。予約会は月初と月末に5〜6日間ずつ行い、そこで予約があった商品を、1か月半から2か月先に納品するというサイクルです。

お客様からすると、その5〜6日間しか買うタイミングがありません。アパレルは受注生産ですから、予約会でご注文いただいた数に合わせて作っています。生地の都合などで余剰分が出る場合もありますが、基本的には予約会で買わなければ購入できない仕組みになっています。

私自身、消費者として買い物をした際に、購入した翌日にセールになっているという体験をして、とても嫌な想いをしたことがあります。そこで、ブランドを毀損せず、きれいに売っていくにはどうすればよいかを徹底的に詰めてきました。その結果として、売上が積み上がったのかなと考えています。

柳田さん:実は私も同じようなことをしています。当社では十数種類のサイズ展開があり、最終的に1〜2サイズが売れ残ることもありますが、いずれ売れるので、私としては特に気にしていません。

ただ、いつまでも在庫があるとノイズになってしまうので、年に2回だけ、長く売れ残っている商品をセールに出すことにしています。ですから当社の商品は、待っていればセールで安く買えるということは基本的にないです。

杉山さんは、エコの観点から在庫を残さないために、このような取り組みをされているのでしょうか?

杉山さん:アパレル業界では、服が廃棄されたり、安い価格で売りたたかれたりすることが非常に多くあります。ただ、私たちの場合は、売り方を追求した結果としてサステナブルになった、という面もありますね。

柳田さん:余剰分はどうされているのですか?

杉山さん:ご予約いただいたお客様への納品が終わった後、早い者勝ちという形で販売しています。一方で、いろいろな方に洋服を届けたいという想いもあるので、「エッセンシャルズ」という定番商品を取りそろえています。

新規のお客様がいきなり予約会に参加するのはハードルが高いと思うので、まずはお試しの商品として手に取っていただきやすいよう、在庫を切らすことなく販売しています。

導入商品「エッセンシャルズ」と、顧客の声で広げるサイズ展開

柳田さん:初めてnairoを体験される方は、エッセンシャルズから入ることが多いのでしょうか?

杉山さん:「nairoといえば、まずはエッセンシャルズを買ってみてください」とご案内しているので、初めての方はエッセンシャルズをご購入されることが多いです。そこからコーディネートをご紹介し、予約会につなげていくという流れになっています。

また、サイズにもこだわりがあります。単純にグレーディングでサイズを小さくするのではなく、小柄な方向けにパターンを引き直し、シルエットよく、きれいに着られるサイズをしっかりそろえています。

そこからブランドの認知が広がり、現在では大きなサイズまで展開。これも強みの一つになっていると考えています。

柳田さん:当初は小柄なお客様向けに絞っていたところから、今では女性向けのサイズを幅広く展開されています。大きなサイズまで広げていくのは大変ではありませんでしたか?

杉山さん:ニッチなところから始めたこともあり、お客様のエンゲージメントが高く、毎日チャットでさまざまなお問い合わせやリクエストをいただきます。その声を基に、どのようなサイズが必要とされているのかを理解した上で展開を広げてきたので、自信を持って取り組むことができました。

今も小柄な方向けのサイズは売れていますが、販売ボリュームでいうと、やはり通常サイズのほうが大きくなっていますね。

1,500人が並ぶポップアップ。「チャット接客」と「オフライン」の融合

柳田さん:創業2年で10億円を売り上げるためには、スピーディーに顧客層を広げていかなければ難しいと思います。また、月2回の予約会で販売していくためには、認知も広げていかなければなりません。工夫されたことがあれば、お聞かせいただけないでしょうか。

杉山さん:購入してもサイズが合わなかったり、素材感がわからなかったりすることは、D2Cの弱みでもあります。そこで、オンラインとオフラインを融合させる取り組みとして、昨年のクリスマスに伊勢丹新宿店の本館2階でポップアップストアを開催しました。

初めてのポップアップストアでしたが、約1,500人のお客様に並んでいただきました。実際に商品を手に取っていただいたときのお客様の反応や、サイト上では見えない声を大事にしたいと思い、認知拡大も目的の一つとして開催しています。

柳田さん:海外ではオフラインからECへ拡大するD2Cブランドも多くありますが、日本の場合はECから始めるD2Cブランドが多い印象です。店舗の有無にかかわらず、オフラインでの接点をしっかり持つことは重要だと考えています。

それにしても、初開催で1,500人とは素晴らしいですね。ある程度は予想されていたのでしょうか?

杉山さん:お客様のエンゲージメントが高いこともあり、「何時頃に行きます」といった形で事前に来店予定を伺っていました。また、「次はこんな商品が欲しい」といったリクエストもいただいていて、お客様と一緒にブランドを作り上げているような感覚があります。

柳田さん:事前の問い合わせの段階で来店予定の方が多く、準備も大変だったのではありませんか?

杉山さん:そうなんです。20分単位で時間を区切り、「指定の時間になったら戻ってきてください」という形で運営しました。

柳田さん:D2Cでは、やはり商品そのものが重要です。nairoの場合、小柄な方向けのアイテムにこだわりながら、お客様の声をどのように集めるかを意識してきたことが、今につながっているということですよね。

杉山さん:チャットでも、オフラインと同じように接客することを意識しています。お客様から「この商品とこの商品をコーディネートすると、どのようになるのか写真を送ってほしい」とご依頼をいただくことも。

アパレルでのカスタマーサポート経験があるスタッフを集め、店頭で接客しているような感覚でチャットでやり取りをしています。

柳田さん:対応されている方は、店頭での接客経験があるのですね。そこは大きなポイントですよね。

杉山さん:接客経験がないと、なかなか難しいと思います。対面での接客では、お客様も「ここまで言っていいのかな」とためらうことがありますし、そもそも接客されたくない方も。一方、チャットでは、その壁があまりないように感じています。

お客様が思っていることをいろいろと伝えてくださるので、私たちもできる限りそれにお答えしようとしています。

柳田さん:それが良い方向に働けば、さまざまなお問い合わせや質問をいただけますし、そこから商品やサービスを改善するヒントも生まれますよね。お客様の声を起点に商品展開を広げたり、ポップアップストアを開催したりと、ビジネスを拡大されてきたことがよくわかりました。

おわりに:顧客の声を成長につなげるnairoのブランドづくり

セールを行わず、「予約会」という独自の販売方法を軸に成長を続けるnairo。その背景には、徹底した顧客視点と、チャットやポップアップを通じて築いてきた、お客様と一緒にブランドを育てる姿勢があります。

小柄な女性というニッチなニーズからスタートし、顧客の声を取り入れながらサイズ展開や商品ラインアップを広げてきました。受注生産によって在庫を抑えつつ、顧客との接点を増やし、ブランドへの支持を高めていく。その取り組みは、D2Cブランドの成長と持続可能な運営を両立する上で、一つの参考になるのではないでしょうか。

EC市場の真の発展に貢献をという想いで、「ECの未来」を運営しているサヴァリ株式会社は楽天市場・Amazonなどネットショップ運営代行をはじめ、モール通販を中心にECサポート・ECコンサルティングを行っています。EC運営に不安を抱えている事業者様は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

■サヴァリ株式会社へのお問い合わせはこちら
https://savari.jp/contact

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