
株式会社NEXER Groupは、建設・不動産業界専門の転職エージェントである株式会社RSGと共同で、「カスハラをされた時、会社は自分を守ってくれるか」をテーマとしたアンケート調査を実施し、その結果を公表しました。
カスハラを受けた際に会社は従業員を守ってくれるのか
レジ業務や電話対応、取引先への訪問など、業務において顧客と接する場面では、理不尽な言葉を浴びせられたり、過剰な要求を受けたりすることがあります。
カスハラ(カスタマーハラスメント)は、顧客や取引先から受ける過度な要求や言動のことを指します。
問題なのは、その場を何とかやり過ごした後にも、「もし自分が被害に遭ったとき、会社は自分を守ってくれるのだろうか」という不安が残ることです。
実際に、カスハラ被害を受けた際に会社から守ってもらえると感じている人はどれくらいいるのでしょうか。また、会社の対応に対して不安を抱くのはどのような状況なのでしょうか。
今回、株式会社RSGと共同で実施されたのは、事前調査において「仕事で、顧客・利用者・取引先との対応や接客を行った経験がある」と答えた全国の男女200名を対象とした「カスハラをされた時、会社は自分を守ってくれるか」に関するアンケート調査です。
「カスハラをされた時、会社は自分を守ってくれるかに関するアンケート」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
調査期間:2026年8月10日~8月17日
調査対象者:事前調査で「仕事で、顧客・利用者・取引先との対応や接客を行った経験がある」と回答した全国の男女
有効回答:200サンプル
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
顧客・利用者・取引先から「カスハラ行為を受けたことがある」と28.0%が回答
まず、事前調査で「仕事で、顧客・利用者・取引先との対応や接客を行った経験がある」と答えた方に対して、過去に顧客・利用者・取引先などからカスハラ(カスタマーハラスメント)行為を受けた経験があるかを尋ねられました。

調査の結果、「ある」と回答した人は28.0%、「ない」と回答した人は72.0%となりました。
接客業務や顧客対応を行う仕事は多様な業種に存在しており、カスハラは特定の職種のみの問題ではありません。今回の調査においても、約4人に1人がカスハラ行為を受けた経験を持っていることから、決して他人事ではない状況が明らかになっています。
カスハラ被害経験者の80.4%が「威圧的・高圧的な態度」を受けたと回答
次に、過去に顧客・利用者・取引先などからカスハラ(カスタマーハラスメント)行為を受けた経験があると答えた方に対して、具体的にどのようなカスハラ行為を受けたのかを尋ねられました。

最も多かったのは「威圧的・高圧的な態度」で80.4%でした。続いて「大声・暴言・侮辱的な言動」が73.2%、「長時間の拘束や執拗なクレーム」が48.2%、「金銭や過剰なサービスの要求」が19.6%という結果になっています。
上位を占めたのは、「威圧的・高圧的な態度」や「大声・暴言・侮辱的な言動」など、態度や言葉によるハラスメント行為でした。このような行為は目に見える形で証拠が残りにくいものも多く、周囲からは被害の実態が把握しにくい場合もあると考えられます。
その場では何とか対応できたとしても、受けた言葉や態度によって精神的な負担が長く残ることもあります。カスハラへの対策を考えるうえでは、目に見える被害だけではなく、こうした証拠として残りにくい行為についても、会社や周囲が適切に把握できる体制が求められるのかもしれません。
カスハラ被害経験者の50.0%が「上司や会社に相談していない」と回答
続いて、過去に顧客・利用者・取引先などからカスハラ(カスタマーハラスメント)行為を受けた経験があると答えた方に、カスハラ被害について上司や会社に相談したかどうかを尋ねられました。

その結果、「相談した」が50.0%、「相談していない」も50.0%とちょうど半々に分かれる結果となりました。
相談していない人にその理由も尋ねられており、一部が紹介されています。
相談しなかった理由
・自分ひとりが我慢すれば済むと思ったので。(30代・女性)
・報告してもしょうがないから。(30代・男性)
・雇用に関わりそうだったから。(40代・女性)
・上司も同席していたのに何も言わなかったから。(40代・男性)
・当時はそれをハラスメントだと思わなかったから。(50代・男性)
・仕事がやりにくくなる。(70代・男性)
「自分ひとりが我慢すれば済むと思ったので」「仕事がやりにくくなる」といった回答からは、周囲に相談するよりも自分が我慢することでその場を収めようとする人がいることが分かります。
また、「報告してもしょうがないから」「上司も同席していたのに何も言わなかったから」といった回答からは、相談しても状況が改善されないのではないかという諦めの気持ちもうかがえます。
さらに、「雇用に関わりそうだった」「当時はそれをハラスメントだと思わなかった」といった声もあり、相談したくても仕事への影響や被害への認識などが障壁となって、相談できないケースもあるようです。
カスハラ被害を受けた人の半数が上司や会社に相談していないという事実を踏まえると、被害を受けた人が「相談してもいい」と思える環境づくりも、会社側に求められる重要な対応の一つといえるでしょう。
上司や会社にカスハラ被害を相談した人の28.6%が「特に何もしてくれなかった」と回答
さらに、カスハラ被害について上司や会社に相談した方に対して、相談後に会社がどのように対応してくれたかを尋ねられました。

最も多かったのは「顧客への対応を会社が代わっておこなってくれた」で32.1%でした。続いて「特に何もしてくれなかった」が28.6%、「話を親身に聞いてくれた」が17.9%という結果になっています。
「顧客への対応を会社が代わっておこなってくれた」が最も多い一方で、「特に何もしてくれなかった」と感じる人も一定数いることが明らかになりました。カスハラ被害を受けた際に会社が間に入って対応してくれるケースがある一方で、相談しても十分な対応を受けられていない人も一定数存在するようです。
また、「話を親身に聞いてくれた」という回答が上位に挙がったことから、実際に顧客への対応を代わるだけでなく、まずは被害を受けた本人の話をしっかりと聞き、その気持ちに寄り添うことも、会社に求められる重要な対応の一つといえます。
75.0%が勤務先は「顧客を優先する傾向がある」と回答
続いて、過去に顧客・利用者・取引先などからカスハラ(カスタマーハラスメント)行為を受けた経験があると答えた方に、勤務先は顧客と従業員のどちらを優先する傾向があると感じているかを尋ねられました。

その結果、「顧客を優先する傾向が強い」が39.3%、「どちらかといえば顧客を優先する」が35.7%で、合計すると75.0%が顧客優先だと感じています。
一方で、「どちらかといえば従業員を優先する」は23.2%、「従業員を優先する傾向が強い」は1.8%にとどまりました。
顧客への対応を重視する傾向がある一方で、従業員への配慮については、まだ十分とは感じられていない人が多いことがうかがえます。
顧客を大切にすることはもちろん重要ですが、サービスを提供する従業員が安心して働ける環境を整備することも、会社にとって重要な責務です。顧客と従業員の双方が安心できる対応を実現することが、より良い職場環境の構築につながっていくといえるでしょう。
77.5%が「カスハラ対策が整っている会社なら現在よりも長く働きたい」と回答
最後に、事前調査で「仕事で、顧客・利用者・取引先との対応や接客を行った経験がある」と答えた方に、カスハラ対策が整っている会社であれば現在よりも長く働きたいと思うかを尋ねられました。

その結果、「とてもそう思う」が30.5%、「ややそう思う」が47.0%で、合計すると77.5%が現在よりも長く働きたいと回答しました。
一方で、「あまりそう思わない」は17.0%、「まったくそう思わない」は5.5%となっています。
「そう思う」と回答した方
・酷い目にあいたくないから。(20代・女性)
・安心して働ける環境だと感じるため。(30代・男性)
・従業員を守ってくれる会社なら働き続けたいと思う。(30代・女性)
・嫌な気持ちで仕事を続けるとうつ病になるから。(40代・男性)
・今の会社ではないが、前職がひどかった。対策があれば辞めることもなかった。(40代・女性)
「そう思わない」と回答した方
・そこを重視していないから。(30代・男性)
・他に優先して欲しいことがあるからです。(40代・男性)
・内部のハラスメントのほうが多いし、深刻な場合が多いから。(50代・男性)
・カスハラより待遇の方が大事。(70代・男性)
「そう思う」と回答した方からは、「安心して働ける環境だと感じる」「従業員を守ってくれる会社なら働き続けたいと思う」といった声が寄せられました。カスハラへの対策が整備されていることが、会社への安心感や信頼感につながっていることが分かります。
また、「今の会社ではないが、前職がひどかった。対策があれば辞めることもなかった」という声もありました。カスハラへの適切な対応は、従業員が安心して働き続けられるかどうかにも大きく影響するのかもしれません。
一方で、「そう思わない」と回答した方からは、「他に優先して欲しいことがある」「カスハラより待遇の方が大事」といった声がありました。カスハラ対策だけではなく、待遇など他の要素を重視する人もいるようです。
また、「内部のハラスメントのほうが多いし、深刻な場合が多い」という意見もあり、職場で発生するさまざまなトラブルへの対応を求める声も見られました。
人間関係のトラブルは、社外だけではなく社内でも発生する可能性があります。カスハラに限定せず、何か困ったことが起きた際に相談でき、会社から必要なサポートを受けられる環境を整備することが、従業員が安心して長く働ける職場づくりにつながっていくのではないでしょうか。
まとめ
今回の調査では、接客・対応の経験を持つ人の28.0%がカスハラ被害を経験しており、そのうち50.0%が上司や会社に相談していないことが明らかになりました。また、相談した人の28.6%は「特に何もしてくれなかった」と回答しています。
一方で、77.5%が「カスハラ対策が整っている会社なら現在よりも長く働きたい」と回答しました。
カスハラ対策は、従業員を守るためだけのものではありません。安心して働ける環境を整えることは、従業員の定着や、長く働きたいと思える職場づくりにも直結します。
カスハラに限らず、困ったときに従業員が安心して相談でき、会社から必要なサポートを受けられる環境になっているか、一度自社の体制を見直してみてはいかがでしょうか。
出典元:株式会社NEXER Group



















