
Centric Software®は、アパレル、化粧品、食品、家電などの消費財メーカーにおいて商品情報の管理や活用に従事する319名を対象として、「消費財メーカーの商品開発プロセス実態調査」を実施しました。
市場や消費者のニーズが急速に変化する中、消費財メーカーには商品の企画段階から開発、調達、品質管理、市場投入に至るまで、複数の部門や取引先と協力しながら商品開発を推進していくことが求められています。
本調査では、商品開発が遅延する要因をはじめとして、社内での承認フロー、仕様の変更対応、サプライヤーとの連携状況、商品情報の管理体制、市場データや販売データの活用実態など、商品の企画段階から市場投入に至るまでの商品開発プロセス全体における情報連携の現状が調査されました。
調査の結果、商品開発が予定よりも遅れる要因として、「社内の承認プロセス」と「試作・サンプルの作成」がいずれも33.5%で最も多く、次いで「部門間の調整・連携」が32.3%、「サプライヤーとのやり取り」が32.0%という結果になりました。
さらに、社内承認の進捗状況について「システム上で誰でも確認できる」と回答した企業は25.4%にとどまっており、サプライヤーとの商品情報のやり取りについては「メール・添付ファイル」が54.5%で最多となりました。加えて、同一の商品情報を複数の帳票やシステムへ「転記・再入力」する作業が週に数日以上発生していると回答した担当者は48.6%に達しています。
こうした調査結果を踏まえると、商品開発の効率化を実現するには、個別の工程を改善するだけではなく、承認フローや変更管理、部門間やサプライヤー間での情報連携を含めた商品開発プロセス全体を通じて、データと業務をつなぐことが重要であることが明らかになりました。
調査結果のポイント
商品の企画から市場投入までの商品開発プロセスにおいては、試作そのものだけでなく、承認業務、部門間での調整、サプライヤーとの連携といった複数の関係者が関わる工程に課題が集中していることが浮き彫りになりました。
これらの調査結果から、商品開発におけるスピードと品質を両立させるためには、個別業務をデジタル化するだけではなく、商品企画から市場投入まで、部門や社外パートナーを横断して最新の商品データと進捗を共有できる環境を整備することが重要であると考えられます。
商品開発の遅延要因、承認・部門間連携・サプライヤー連携が上位に
商品開発が予定よりも遅れる際の主な要因について尋ねたところ、「社内の承認プロセス」と「試作・サンプルの作成」がいずれも33.5%で最多となりました。続いて「部門間の調整・連携」が32.3%、「サプライヤーとのやり取り」が32.0%となり、上位4項目はすべて3割を超える結果となっています。
商品開発においては、試作やサンプル作成といった開発工程そのものに加えて、承認業務、部門間での調整、サプライヤーとのやり取りなど、複数の関係者をつなぐ工程も開発スピードに影響を与えていることがわかります。

社内承認の進捗を全社で可視化できている企業は約4社に1社
商品開発に関わる社内承認の進捗について、「システム上で誰でも進捗を確認できる」と回答した割合は25.4%にとどまりました。一方で、「担当者に個別に確認する必要がある」は30.1%、「進捗を確認する手段がない」も5.6%という結果になっています。
承認プロセスに関する課題としては、「承認に時間がかかる」が34.2%、「承認基準が不明確」が32.9%、「承認者が不在で止まる」が29.8%が上位となりました。
複数の部門が関わる商品開発においては、承認状況や判断基準を共有して可視化することが、スムーズな意思決定を支えるポイントの一つであると考えられます。

仕様変更の影響範囲を「システムですぐに特定できる」は29.5%
商品開発中に仕様や素材の変更が発生した際、その影響範囲をどの程度把握できるかを尋ねたところ、「システムですぐに特定できる」は29.5%にとどまりました。一方で、「担当者の経験・記憶に頼って確認する」が24.8%、「複数の資料を照合して確認する」が23.2%となっています。
仕様や素材の変更は、開発だけでなく、原価計算、調達、品質管理、パッケージングなど複数の工程に影響する可能性があります。変更情報と関連する商品データを横断的に把握できる環境が、手戻りや確認工数の削減に重要であると考えられます。

サプライヤー連携は依然としてメール・Excel中心
サプライヤーや取引先との商品情報のやり取りでは、「メール・添付ファイル」が54.5%で最多となり、「Excel・スプレッドシートの受け渡し」が35.4%、「電話・FAX・紙の書類」が34.2%と続きました。
さらに、サプライヤー連携における課題としては、「フォーマットがばらばらで転記が必要になる」が41.1%で最多となりました。次いで「仕様の伝達ミス・認識違いが起こる」が33.9%、「どれが最新版かわからなくなる」が29.6%と続きました。
商品開発プロセスが社内だけで完結しない現状において、サプライヤーを含む関係者間で、正確かつ最新の商品データを共有する仕組みも重要になっています。


約半数が同じ商品情報を週数日以上「転記・再入力」
同じ商品情報を複数の帳票やシステムへ入力し直す作業について、「ほぼ毎日ある」が14.1%、「週に数日ある」が34.5%となり、合計48.6%が週数日以上の転記や再入力を経験していることが明らかになりました。

また、商品開発における情報管理の課題としては、「部署ごとに情報が分断されている」が31.0%、「情報が複数の場所に分散している」が29.2%、「必要な情報を探すのに時間がかかる」が27.6%などが挙げられています。
商品データが部門やファイル、システムごとに分散することによって、情報探索や確認、再入力といった業務負荷が生じている実態がうかがえます。
今後の投資・強化領域は「品質・コンプライアンス」が最多
今後の商品開発プロセスで最も投資や強化をしたい領域として、「品質・コンプライアンス」が21.9%で最多となり、「承認プロセスの簡素化・可視化」が20.4%、「サプライヤーとの連携強化」が16.9%と続きました。
商品開発の効率化だけでなく、品質やコンプライアンスを確保しながら、承認や社外連携を高度化することへの関心が高いことがわかります。

まとめ:商品開発のスピードと品質を支える「データとプロセスのつながり」
今回の調査から、消費財メーカーの商品開発では、試作やサンプル作成に加えて、社内承認、部門間調整、サプライヤーとのやり取りなど、商品企画から市場投入までの各工程をつなぐ部分にも課題が存在していることが明らかになりました。
また、承認状況をシステム上で誰でも確認できる企業は25.4%にとどまり、サプライヤーとの情報共有ではメールやExcelが中心となっています。さらに、48.6%が同じ商品情報を週数日以上転記や再入力しており、商品データの分散が日常業務の負荷につながっている実態もうかがえます。
商品開発のスピードと品質を両立するためには、単一工程を個別に効率化するだけでなく、商品企画、開発、調達、品質管理、サプライヤー連携、市場投入までを一つのプロセスとして捉え、商品データと業務プロセスを横断的につなぐことが重要です。
調査概要
調査名称:消費財メーカーの商品開発プロセス実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年8月4日から同年8月5日
有効回答:アパレル、化粧品、食品、家電の消費財メーカーで商品情報の管理や活用に携わる方319名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
出典元:Centric Software®



















