
ラクスル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 グループCEO:永見 世央)は、従業員数2~100名規模の中小企業における経営者・従業員300名を対象として、AI活用に関する実態調査を実施しました。
同社では現在、中小企業を取り巻く経営課題や業務実態に関する調査を継続的に行っており、本調査はその一環として、近年注目が集まるAIの業務活用に焦点を当てたものとなっています。
本調査は全2回に分けて紹介されており、AIの活用状況と組織としての方針・推進体制の実態について分析した第1回に続き、第2回では、AIの使いこなしに関する課題と、求められる支援について分析されています。
この記事の目次
調査結果サマリー
本調査により、中小企業におけるAI活用の成果は依然として「個人の業務効率化」の段階に留まっていることが明らかとなりました。AI活用によって生産性や業務効率が向上した層の54.9%は「情報収集・文書作成などの日常業務が速くなった」と回答した一方で、「業務フロー全体が変わった」と回答した割合はわずか1.9%に過ぎませんでした。
こうした背景には、AI活用を支える知識やノウハウの不足があると考えられます。AIを積極的に活用している層であっても、その67.7%が「使いこなせていない」と感じており、習得方法も「実際に使いながら自然に覚えた」が35.9%、「書籍・ネット記事で自己学習」が27.7%、「YouTube・SNSなどの動画で自己学習」も27.7%と、独学が中心となっていました。人から教わる機会は限られており、大多数が手探りでAI活用を進めている実態がうかがえます。
また、AIを業務で使いこなすために求められる支援としては、「すぐ使えるテンプレート集」が31.0%、「個別サポート・相談窓口」が25.3%、「同業者の活用事例集」が23.0%で上位を占めました。中小企業におけるAI活用をさらに前進させるためには、個々の試行錯誤に委ねるのではなく、具体的な活用の「型」や「手厚い伴走」による支援を通じて、活用のハードルそのものを下げる取り組みが求められていることが示唆されます。
同社は「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」の構築を進めています。AIをユーザーに意識させることなくサービスに組み込み、専門的な知識やノウハウがなくても自然にその恩恵を受けられる仕組みを提供することで、中小企業の経営課題解決を支援していくとしています。
調査結果詳細
AI活用による現状成果は、個人の日常業務の高速化にとどまる
AI活用における成果の「質」に着目すると、企業の競争力を根本から高めるような変革には至っていない現状が浮かび上がりました。
AI活用で生産性や業務効率が上がったと答えた層を対象に、「AIの活用によって、どのレベルで生産性・業務効率が上がりましたか」と質問したところ、「情報収集・文書作成など、日常業務が速くなった(部分的な時短)」が最多で54.9%でした。次いで「アウトプットの品質・精度が上がった(質の向上)」が36.4%だった一方、「特定の業務を任せられるようになった(業務の代替・自動化)」は4.3%、「業務フロー全体が変わった(構造レベルの変革)」割合もわずか1.9%にとどまりました。
現在の中小企業におけるAI活用は、個人の作業に関する局所的な効率化の域を出ておらず、ビジネスプロセス全体の刷新には届いていない実態がうかがえます。
これらの背景には、AI活用を推進する上での「スキル不足」と「属人的な試行錯誤」という課題の存在が考えられます。本調査で「AIを使いこなせていないと感じますか」と質問した結果、AIを積極的に活用している層であっても、「非常に感じる」が11.8%、「やや感じる」が55.9%と、67.7%が「使いこなせていない」と感じていることが分かりました。
AI活用の習得方法は、独学がメイン
AIの利用経験者に「AIを使って、思うような結果が出なかった・使いこなせなかった経験はありますか」と質問した結果、「よくある」が12.7%、「時々ある」が64.1%、「一度はある」が10.5%と、87.3%が思うような結果が出なかった・使いこなせなかった経験を有していました。
その具体的な内容としては、「思った通りの回答・結果が出てこない」が53.6%、「指示(プロンプト)の出し方がわからない」が41.7%、「出力結果の精度が低い」が34.4%で上位を占めています。
さらに、AIの習得方法について尋ねたところ、「ツールを実際に使いながら自然に覚えた」が35.9%だったほか、「書籍・ネット記事で自己学習した」が27.7%、「YouTube・SNSなどの動画で自己学習した」も27.7%など、独学による習得が中心であることが分かりました。一方で、「社内の詳しい人や同僚に直接教わった」は15.5%、「社外の専門家やコンサルタントに教わった」は2.3%など、人から教わる機会は限られており、現場が手探りで試行錯誤しながら使い方を身につけている実態が示唆されます。
AI活用に求められるサポートは、具体的な型や手厚い伴走
こうした状況下で、本調査の全回答者に向けて「AIを業務で使いこなすためのサポートとして、どのような形が望ましいですか」という質問をしたところ、「すぐ使えるテンプレート集」が31.0%、「個別サポート・相談窓口」25.3%、「同業者の活用事例集」23.0%が上位を占めました。いずれのニーズからも、自分でゼロからプロンプトの構成や活用法を思考する負担を減らし、自社の業務にそのまま当てはめられる具体的な「型」や「手厚い伴走」を求めているという共通の傾向が読み取れます。
同社は今後も、中小企業が抱えるさまざまな課題を調査するとともに、経営課題の解決と事業成長を支援する包括的なサービスの提供を進めていくとしています。
調査概要
調査期間:2026年5月29日~2026年6月1日
対象者:従業員数2~100名の中小企業経営者・従業員300名
調査方法:第三者機関インターネット調査
出典元:ラクスル株式会社














