越境ECの関税未払い率0.87%、再請求後も50%が支払い拒否 デジタルスタジオが調査結果を公開

デジタルスタジオが運営する越境ECサイトにおいて、関税支払いを拒否する消費者の実態が明らかになりました。同社は2025年6月1日から2026年5月31日までの1年間における関税未払いケースの詳細な調査を実施したとのことです。

調査結果によると、関税未払い率は全体の0.87%となっています。大半の消費者は関税の支払いに応じるものの、一定数の消費者が支払いを拒否する実態が浮き彫りになりました。さらに注目すべき点として、同社が再請求の対応を実施した後においても、その半数にあたる50%の消費者が支払いを拒否したことが判明しています。

関税の支払いを拒否された商品については受け取り拒否の扱いとなり、その関税に関する債権は販売者側に転嫁される仕組みとなっているとのことです。

調査データの詳細

今回の調査は、デジタルスタジオが運営する越境ECサイトにおいて、2025年6月1日から2026年5月31日までの1年間に実施されました。受取人による関税支払い拒否後、同社が再請求対応を行った関税未払い請求70件を対象としており、総額は約107万円に上ります。この調査では、再請求後も支払いを拒否した消費者の割合を国別に集計しています。

関税未払いが発生した国と再請求時の拒否率

A)再請求時拒否率50%以上の国

地域 再請求時拒否率
ヨーロッパ フランス 75%
ヨーロッパ ポーランド 100%
ヨーロッパ ベルギー 67%
ヨーロッパ ドイツ 100%
ヨーロッパ ルーマニア 100%
ヨーロッパ アイルランド 100%
南米 ブラジル 90%
オセアニア オーストラリア 90%

B)再請求時拒否率50%以下の国

地域 再請求時拒否率
ヨーロッパ ギリシャ 0%
ヨーロッパ イタリア 0%
ヨーロッパ イギリス 33%
ヨーロッパ ポルトガル 40%
中東 サウジアラビア 0%
北米 アメリカ 30%
アジア シンガポール 33%

※本データは、関税未払いが発生した70件を対象としています。再請求時拒否率は、国ごとの対象件数から算出しており、件数は国により異なります。

国別の傾向分析

再請求時拒否率が50%以上となった国では、再請求の手続きを実施しても支払いに応じない消費者が多数見られる結果となりました。具体的には、フランス、ポーランド、ベルギー、ドイツ、ルーマニア、アイルランド、ブラジル、オーストラリアがこのカテゴリーに該当しています。

一方、再請求時拒否率が50%以下となった国では、再請求の実施によって回収できる割合が高い傾向が確認されました。ギリシャ、イタリア、イギリス、ポルトガル、サウジアラビア、アメリカ、シンガポールがこのカテゴリーに分類されています。

スマート関税事前徴収機能の導入について

デジタルスタジオは、米国ZONOS社との業務提携により、越境ECプラットフォーム「Live Commerce」にスマート関税事前徴収機能を新たに搭載することを発表しました。本機能は、購入時に関税を自動的に計算し、決済と同時に関税を徴収する仕組みとなっています。この機能の導入により、受取人は商品到着後に関税を請求される必要がなくなるとのことです。

関税を一律に事前徴収する方式を採用する場合、関税の発生を認識した消費者が購入を断念する可能性が生じます。そのため、どの国に対して強制適用を行い、どの国を任意適用とするかの判断が重要になります。しかしながら、初めて越境ECビジネスに参入する事業者にとって、この判断を下すことは容易ではありません。

Live Commerceプラットフォームは、利用者全体から関税支払いに関連するデータを継続的に収集・分析することで、どの国のリスクが高いかを継続的に学習する仕組みを備えています。学習された結果は本機能に適時反映される仕組みとなっているとのことです。これにより、初めて越境ECビジネスを行う事業者であっても、どの国のリスクが高く、どの国のリスクが低いかを把握することが可能になります。強制徴収を適用するかどうかの最終判断は、事業者が任意で決定することができます。このスマート関税事前徴収機能では、Live Commerce全体の利用者の状況を分析するため、単体で使用するよりも判断のための材料が豊富に得られる利点があります。

機能の主な特徴

  1. リスクの高い国の学習機能
    Live Commerceプラットフォームが、利用者全体から収集した関税支払いデータを継続的に分析することで、どの国のリスクが高いかを継続的に学習します。学習された結果は本機能に適時反映される仕組みとなっています。
  2. ZONOS社の技術を採用
    関税計算および世界190以上の国・地域への対応を提供します。
  3. 決済時の自動計算・徴収システム
    購入時に関税を自動的に計算し、決済と同時に関税を徴収する仕組みとなっています。
  4. 主要配送業者への対応
    FedEx、DHLに対応しています。
  5. 強制適用と任意適用の使い分け機能
    国別の再請求時拒否率に応じて、強制適用と任意適用を使い分けることが可能です。再請求時拒否率が高い国には強制適用、低い国には任意適用とすることで、関税未払いリスクの削減と成約率の維持の両立を実現します。
事前関税払いに同意した注文は、管理画面にて確認することができる

事前関税払いに同意した注文は、管理画面にて確認することができます。同社ではこの事前関税払いに同意した国データの傾向を解析し、利用者の越境ECサイトへ連携し、関税トラブルを未然に防ぐとしています。

今後の展開方針

デジタルスタジオは、本機能の導入によってLive Commerceの越境EC事業者向けプラットフォームとして、利用者全体から収集するデータを継続的に分析し、どの国のリスクが高いかを継続的に学習していく方針です。これにより、越境ECビジネスにおける関税未払いリスクの改善を進めていく計画とのことです。

出典元: デジタルスタジオ

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