
コマースピック読者の皆様、はじめまして。株式会社リスポの黍田です。
今回は、ECサイトの広告運用で成果を大きく左右するクリエイティブ、なかでも近年ますます存在感を増している動画広告についてお話しさせていただきます。
動画がよいのは何となくわかるけれど実際どれくらい効果が出ているのか。効果が出るのはわかるけれど、制作コストが高くて踏み切れない。動画広告については、そうした声をよく耳にします。
本記事では、最新の市場データを交えながら、動画広告の有効性と、導入を検討するうえで知っておきたいコスト面の実情についてお伝えできればと思います。
黍田 龍平
株式会社リスポ
2001年生まれ、鹿児島県出身。高校時代に教育系の学生団体を立ち上げ、大学入学前に海外へ。帰国後はスタートアップでデザイナー・BizDev職を担い、グラフィックデザインからWeb・UI/UXまで幅広く手がけながら、クライアント開拓営業やマーケティングにも従事。その後、2つの事業を立ち上げ、大学在学中の2021年5月に株式会社リスポを創業。 これまでのデザイン経験を基に、動画生成AIとLLMを統合した独自のクリエイティブエンジンと制作ワークフローを開発し、AIクリエイティブプラットフォーム「UGC Maker」をローンチ。
AIクリエイティブプラットフォーム「UGC Maker」
https://service.ugcmaker.jp
EC広告の予算は、いま動画に動いている
まず、市場全体の流れを見てみましょう。サイバーエージェントが2025年に実施した調査によると、国内の動画広告市場は8,855億円に達し、前年比122%という高い成長を見せています。さらに2026年には1兆437億円、2029年には1兆6,336億円と、わずか数年で約2倍になると予測されています。

出典:サイバーエージェント/デジタルインファクト調べ
特に注目したいのが、スマートフォン向けの動画広告です。全体の約80%にあたる7,053億円を占めており、なかでもTikTokやInstagramのリール、YouTubeショートに代表される縦型の動画広告は前年比155.9%と、市場平均を大きく上回る勢いで伸びています。

出典:サイバーエージェント/デジタルインファクト調べ
つまり、広告予算は確実に静止画から動画へ、横型から縦型へとシフトしているということです。ECを運営される皆様にとっても、この流れはもはや無視できないものになってきていると感じています。
なぜ画像より動画が成果を出すのか
では、なぜこれほどまでに動画が選ばれているのでしょうか。理由はシンプルで、伝えられる情報量が圧倒的に多いからです。静止画では伝えきれない使用シーンや、商品の質感やサイズ感、使い方の手順までを、短い時間で直感的に届けることができます。
実際の数値でも、その差ははっきりと表れています。あるインフィード広告の事例では、静止画のCTR(クリック率)0.05%に対し、動画は0.78%と約15倍に改善しました。CVR(コンバージョン率)も平均0.22%から1.15%へと約5倍に伸びたという報告があります。また、Amazonのスポンサーブランド動画広告では、静止画と比べてクリック率が440%以上、コンバージョン率が30%以上高いという結果も出ています。
加えて、Yahoo!のディスプレイ広告では、動画クリエイティブによってCTVR(CTRとCVRをかけ合わせた指標)が2倍となり、CPA(顧客獲得単価)が静止画の約3分の1まで下がった事例もあります。同じ予算でより多くの成果を出せるという点は、広告費を少しでも最適化したいEC事業者にとって、大きな魅力ではないでしょうか。
動画広告のネックは、制作コストとキャスティングの重さ
ここまで読むと、では早速動画広告を、と思われるかもしれません。
しかし、多くのEC事業者が立ち止まってしまう大きな壁があります。それが制作にかかるコストです。
一般的な動画広告の制作費は、実写の場合でシンプルな構成でも20万〜50万円、標準的なもので50万〜150万円、作り込んだものになると150万〜300万円以上が相場とされています。アニメーション動画も、テンプレートベースで5万〜20万円、本格的なものは100万円を超えることも珍しくありません。
そして、実写の動画広告でとりわけ負担が大きいのが、出演者のキャスティングです。動画は出演する人物の印象が成果を大きく左右するため、モデルやタレント、インフルエンサーを起用するケースが多くなります。
ところが、ここには出演料そのものに加えて、キャスティング会社への手数料、スケジュールの調整、出演契約や肖像権の確認、撮影当日の進行管理など、付随する手間とコストが次々と発生します。起用するキャストのランクによっては、出演料だけで数十万円から数百万円に及ぶこともあり、これが動画広告のハードルを一段と高くしているのが実情です。
さらに見落としがちなのが、1本作って終わりではないという点です。広告は同じクリエイティブを使い続けると効果が落ちていく、いわゆるクリエイティブ疲弊が起こります。本来であれば複数のパターンを用意してABテストを行い、勝ちパターンを見つけて改善し続ける必要があります。しかし、1本あたり数十万円のコストとキャスティングの手間がかかると、量産もテストも現実的には回しづらい。これが動画広告の最大のジレンマだと感じています。
最後に
今回は、画像広告から動画広告へのシフトと、その制作やキャスティングの実情についてお伝えしました。
動画広告の有効性は数字でも明らかになっている一方で、制作コストや出演者の手配といった運用の負担で踏み切れない事業者様も多いのが実情だと感じています。
弊社では、レビューやInstagram、TikTokなどのUGCを活用して動画クリエイティブの制作と運用を支援するUGC Makerを提供しています。
動画広告を始めたいがコストや手間が不安という方のお役に立てるかもしれません。導入のご相談からサポートまで対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
AIクリエイティブプラットフォーム「UGC Maker」
https://service.ugcmaker.jp
参考・出典
- サイバーエージェント 2025年国内動画広告の市場調査 https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33050
- アド論 byGMO 動画広告のCTR改善事例
https://ad-ron.jp/?p=13034 - LINEヤフー for Business 静止画比CTVR2倍の事例
https://www.lycbiz.com/jp/case-study/displayads-auc/20200707835093/ - PRONIアイミツ、CINEMATO 動画制作費の相場
https://imitsu.jp/cost/movie/
※図1・図2はサイバーエージェント/デジタルインファクトの調査結果を出典明記のうえ掲載。図3・図上記出典のデータをもとに作成。
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