
株式会社PRIZMAが、企業のマーケティング担当者および広報担当者を対象に、「プレスリリースにおけるKPIと効果測定」に関する実態調査を実施しました。この調査では、プレスリリースの企画決定から配信後の振り返りまで、現場が抱える課題が明らかになっています。
本調査は、2026年5月22日から5月25日にかけて、PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査として実施されました。調査対象は、企業のマーケティング担当者503名、広報担当者510名の計1,013名となっています。
この記事の目次
配信本数重視の運用が浮き彫りに
プレスリリースは多くの企業において、認知拡大や信頼獲得のための重要な手段として活用されています。しかしながら、配信本数や配信スピードといった社内都合が優先されるケースが多く、プレスリリースが単なる「社内のお知らせ」として発信されている実態が見受けられます。このような状況下で、戦略的なリリースを配信できずに悩んでいる担当者も少なくないようです。
調査ではまず、プレスリリースの企画内容をどのように決定しているかを尋ねました。その結果、マーケティング担当者と広報担当者の職種別で明確な傾向の違いが見られました。
広報担当者では「社内から上がってきた情報を記事化する」が59.0%で最多となった一方、マーケティング担当者では「世の中の最新トレンド、ニュース、社会課題と自社サービスを関連付けて決めている」が57.1%で最も高い割合となりました。
この結果は、広報担当者が主に社内の新商品や新サービスなどの情報発信を担っていることを示しています。一方で、「ターゲットの悩みから逆算して戦略的に決める」という手法を選んだ担当者は双方ともに2割未満にとどまりました。本来、社内で練った企画を配信するべきところ、その対応ができていない可能性が指摘されています。
続いて、社内や部門の目標・評価基準として「プレスリリースの配信本数」が設定されているかを調査したところ、「明確な目標本数が設定されている」が27.9%、「目安としての目標本数がある」が46.2%となり、合わせて約7割の企業が本数ベースでの運用を行っていることが判明しました。
評価基準は配信スピードと本数が中心
配信本数を重視する環境は、社内における評価の軸にも影響を及ぼしているようです。
「配信したプレスリリースは、どのような理由で社内で評価されますか」という質問に対しては、「配信スピードが早かったから」が36.9%で最多となり、僅差で「配信本数が多かった(目標達成した)から」が36.1%で続きました。
現状では、社内評価においてスピードや本数といった配信側の都合が先行している状況がうかがえます。この傾向は、プレスリリースがビジネスの成果を生み出したかという点よりも、予定通りに配信作業を完了できたかという業務プロセスが評価の対象になりやすいことを示唆しています。
KPI設定と最終目的のギャップ
担当者がプレスリリース配信においてどのような指標を目標とし、何を最終ゴールと捉えているのかについても調査が行われました。
「プレスリリース配信のKPIとして、どのような指標が設定されていますか」という質問では、「メディア掲載数」が37.1%、「配信本数・頻度」が34.5%、「PV数・リーチ数」が33.1%と上位を占めました。
日々の運用で追いかける指標としては、メディアへの露出度や、手元で計測しやすいPV数やリーチ数が主流になっているようです。これらの指標は、情報がどれだけ世の中に露出したかという途中の成果を測定する上では有効ですが、企業の認知や関心の高まりを一時的に測るものにとどまり、長期的なビジネス価値の検証には至りにくいと考えられます。
プレスリリース配信を行う最終的な目的を職種別に尋ねたところ、マーケティング担当者(33.4%)、広報担当者(38.4%)の双方ともに「商品・サービスの認知拡大」が第1位となりました。
プレスリリース本来の役割である「まずは自社を知ってもらうこと」を第一に置いている一方で、マーケティング担当者においては「リード獲得・問い合わせ増加」が32.4%で第2位にランクインしています。マーケティング担当者は、営業活動に繋がる見込み客の獲得や、売上のフックとしてプレスリリースを機能させたいというニーズが表れています。
また、両者ともに営業活動等で使える「二次利用コンテンツ(販促資料)の確保」を目的とする割合も高く、他媒体への展開を期待している様子がうかがえます。
ビジネス成果の証明が困難
最終目的に対する貢献度を可視化できているかという点については、課題が残る結果となりました。
「まったく証明できていない」が7.6%、「あまり証明できていない」が17.1%となり、合わせて約4人に1人の担当者が、プレスリリースがもたらしたビジネス成果をデータで十分に証明できていないと感じているようです。
KPIとして設定されている「掲載数」や「配信本数」といった中間指標が、本来のゴールである売上やリード獲得にどう結びついているのか、その導線を追いきれていない可能性があります。
効果測定・振り返りの実施状況
成果が追いにくい運用状況が明らかになりましたが、配信後の効果測定・振り返りはどのように実施しているのでしょうか。
「プレスリリース配信後に、サイト流入数やCV数などの効果測定・振り返りを実施していますか」という質問に対しては、「毎回実施している」が29.3%、「時々実施している」が50.0%となり、合わせて約8割の担当者が配信後の効果測定を行っていることが分かりました。
大半の現場で振り返りの重要性が浸透している一方で、残りの約2割は「ほとんど・まったく実施していない」という現状があります。プレスリリースは配信した後の反響にこそ改善ポイントがあるため、改善の機会損失になっていると言えます。
さらに、振り返りを行っている層に「確認しているデータ」を尋ねたところ、「配信元でのPV数・リーチ数」が53.1%で半数を超え、「SNSでのシェア・拡散数」が39.6%、「自社サイトへの流入数」が37.0%という結果となりました。主に情報の広がりを示す指標であり、アクセスの獲得や話題性の確認を重視しているようです。
自社の問い合わせ・資料ダウンロード数は約3割、受注・売上金額の確認にいたっては約1割という低い結果となりました。最終目的としてリード獲得や売上を重視しているにもかかわらず、実際の振り返りでは対象データを追えていないという、ミスマッチが明らかになりました。
振り返りができない理由
振り返りを「ほとんど実施していない」「まったく実施していない」と回答した層に対し、その理由を尋ねました。
最も多かった理由は「毎回配信する内容が異なり、過去のデータと比較・検証する基準がないから」で23.8%でした。単発の新製品発表やイベント告知など、毎回テーマや内容が変わる通常のプレスリリースは、同じ基準での比較が難しく、振り返りのノウハウが社内に溜まりにくいという根本的な難しさがあるようです。
また、「配信すること自体が評価されるから」が21.9%となっており、この評価基準も配信後の検証が進まない要因になっている可能性があります。
今後の改善意向
こうした振り返りでの課題がある中、今後の施策改善において、担当者はどのような要素を強化したいと考えているのでしょうか。
「今後のプレスリリース施策において、どのようなことを強化・改善したいですか」という質問では、「KPI設定と正確な効果測定の仕組み」が47.2%で約半数を占めました。次いで「配信後の営業・マーケ連携」が43.0%、「成果に直結する企画・ネタの作り方」が37.5%と続きました。
この結果から、現在の本数やメディア露出重視の評価だけではなく、ビジネスへの貢献度を正しく測定し、社内に明示できる評価基準の確立を求めている様子がうかがえます。
調査結果のまとめ
今回の調査では、プレスリリースの目的が「配信本数をこなすこと」になってしまい、肝心の「売上やリードにどう繋がったか」が見えなくなる課題が浮き彫りになりました。
せっかく作成したリリースも、社内の「お知らせ」として1回きりで消費されて終わり、効果のチェックも手軽に見られるPV数だけで止まってしまうのが実情です。本来目指したいはずの成果へのつながりが見えていないため、成果を追える運用へと改善していく必要があります。
しかし、日々の業務に追われる中で、売上に繋がるストーリーを組み立てたり、新しい企画を立案したりするのは容易ではありません。こうした課題に対して、専門的なノウハウを持った外部の力を活用することは有効的な選択肢となります。
リリースの設計や作成を専門家に委ねることで、最終的な成果から逆算した導線をしっかりと設計できるだけでなく、ターゲットの心に刺さる戦略的な企画やネタ出しが可能になります。このようなデータに基づいたアプローチとして、客観的なデータを活用する戦略的な調査リリース(調査PR)が挙げられます。
自社独自のアンケートデータを定期的に発信するこの手法は、これまでの運用で抱えていたもどかしさを解決することができます。
通常のお知らせ(新商品やイベント告知など)とは違い、「調査リリース」という共通の枠組みを用いることで、テーマが変わっても「資料のダウンロード数」や「自社サイトへの流入数」といった同じ成果指標で振り返ることが可能になります。設計段階から一貫した測定基準をあらかじめ組み込んでおくことで、過去の施策との比較や検証が容易になり、成果を追える運用への改善がスムーズに進みます。
また、成果を見据えて作られた客観的な調査データは、メディアに届きやすいだけでなく、そのまま「ホワイトペーパー」や「営業の提案資料」として営業現場で活用できます。インサイドセールスがアプローチする際のお役立ち情報にもなるため、本来の目的である売上やリード獲得にしっかり繋げることが可能です。
プレスリリースを「本数のためのルーティン」で終わらせず、売上やリードという本来のゴールへ向けて、客観的なデータと戦略的な設計を取り入れた、成果を追える運用へ見直すタイミングと言えます。
株式会社PRIZMAは、調査×企画でプロモーションに成果を与える、新しい戦略設計の概念「データフォースプロモーション」を提供しています。市場のリアルな声を数値化し、プレスリリース、ホワイトペーパー、コンテンツSEOなどに説得力を与えることで、予算や知名度に左右されず話題をつくることができます。
出典元: 株式会社PRIZMA












