AI検索と従来検索の併用実態調査、約半数がAI回答後に「裏付け確認」行動を実施 - ナレッジホールディングス

株式会社ナレッジホールディングス(東京都港区)が、全国の20代から50代の男女を対象として、「調べ物サービスの比較検討とAI検索による購買行動の変化」をテーマとした独自調査を実施しました。本調査では、検索エンジンとAI検索ツールの利用実態、および両者の併用パターンと消費者の意思決定プロセスの変化について分析した結果が公開されています。

調査の実施概要

今回の調査は、全国の20代から50代までの男女(インターネットを利用している方)を対象に実施されました。

調査Aでは405名に対してAI検索と検索エンジンの併用実態について、調査Bでは307名に対してAI検索の利用頻度と将来予測について調査が行われています。

調査時期は2026年5月で、インターネットを通じたアンケート形式で実施されました。

調査結果の主なポイント

今回の調査から明らかになった主要なポイントは以下の通りです。

検索結果から比較や検討の対象として閲覧するサイト数については、「2から3サイト」と回答した方が50.48%と過半数を占めており、「1サイトのみ」という回答と合計すると約6割のユーザーが上位3から4位以内のサイトで意思決定を完結させていることが判明しました。

また、上位に表示されるサイトに対して「多くの人に選ばれていそう」という印象を持つ方が43.17%に達し、「信頼性が高そう」という回答と合わせると約7割のユーザーが検索順位をポジティブに評価していることが明らかになりました。

AI検索で回答を得た後の行動パターンについては、40.32%が「Googleで再検索する」、13.33%が「複数のサイトで確認する」と回答しており、合計すると約半数のユーザーがAI検索の回答を鵜呑みにせず、何らかの形で裏付けを取る行動を実施していることが分かりました。

さらに、AI検索の登場後、約45%のユーザーが検索結果の閲覧量が「減った」と回答しており、簡単な検索についてはAI検索への移行が進んでいる状況が確認されました。

回答者の43.2%が「時間にシビア」な価値観を保有していることも明らかになり、タイムパフォーマンスを重視したコンテンツ設計が今後さらに重要になることが示唆されています。

調査が実施された背景

インターネット上に存在する情報量が指数関数的に増加し続けている現状において、消費者は「検索結果の中から自分に最適なものを選び出す」というプロセス自体に疲弊し始めている状況があります。本調査は、このような「検索疲れ」の実態と、その代替手段として急速に存在感を増しているAI検索(ChatGPTなど)の利用状況を可視化することを目的として実施されました。

ChatGPTをはじめとする生成AI技術の普及により、ユーザーの行動は「情報を探す」というスタイルから「最適解を提案してもらう」というスタイルへと、調べ物に対する前提そのものを書き換えつつあります。本調査では、検索行動と購買における意思決定の接続部分で現在何が起きているのかが、5つの行動データから明らかにされています。

比較検討で閲覧するサイト数は「2から3サイト」が過半数

検索結果の中から、比較や検討の対象として実際に閲覧するサイト数については、「2から3サイト」との回答が50.48%で過半数を占める結果となりました。「1サイトのみ」という回答と合計すると、約6割のユーザーが検索結果の上位3から4位以内のサイトで意思決定を完結させていることになります。

比較検討の対象として見るサイト数

図1:比較検討の対象として見るサイト数(n=405)

この結果は、Googleなどの検索エンジンにおける「上位表示」の価値が現在も極めて高いことを示すと同時に、上位に表示されなければ閲覧される機会そのものを失ってしまう構造が、より鋭くなっていることを意味しています。

検索上位のサイトに「ポジティブな印象」を持つ層が約7割

検索結果の上位に表示されるサイトに対する印象については、「多くの人に選ばれていそう」と感じる方が43.17%という結果になりました。「信頼性が高そう」という回答と合わせると、約7割のユーザーが上位表示されていることそのものをポジティブに評価していることが明らかになりました。

検索上位サイトに対する印象

図2:検索上位サイトに対する印象(n=405)

検索順位は、コンテンツの中身が読まれる前の段階で「社会的証明」として機能していることが分かります。言い換えれば、上位に表示されていないコンテンツは、内容の品質以前に「選ばれない」というリスクを抱えていると言えます。

約半数がAI回答を鵜呑みにせず「裏付け確認」を実施

AI検索で回答を得た後にどのような行動を取るかについては、40.32%が「Googleで再検索する」、13.33%が「複数のサイトで確認する」と回答しました。両方を合計すると約半数(約54%)のユーザーが、AIによる回答を鵜呑みにせず、何らかの方法で裏付けを取る行動を実施していることが分かりました。

AI検索で回答を得た後の行動

図3:AI検索で回答を得た後の行動(n=405)

AI検索は意思決定における「ショートカット」として急速に普及が進んでいる一方で、ユーザー側にもAI回答の正確性に対して一定の懸念が残っていることが伺えます。AI検索後の「裏付け確認行動」を見越したコンテンツ設計(公式情報や一次情報の整備)が、今後の差別化要因になると考えられます。

AI検索登場後、約45%が検索結果の閲覧量が「減少」

AI検索の登場後における従来のWeb検索結果の閲覧量については、約45%のユーザーが「減った」と回答しました。簡単な質問や定型的な調べ物については、AI検索への移行が着実に進行している状況が確認されました。

AI検索の登場後における検索結果閲覧量の変化

図4:AI検索の登場後における検索結果閲覧量の変化(n=405)

この結果は、SEOによる自然流入を主軸とするメディアにとって、根本的な構造変化を意味しています。一方で、AI検索が要約しきれない深度を持つコンテンツや、一次情報、体験をベースとしたコンテンツの相対的な価値は、むしろ高まっていくと考えられます。

4割超が「時間にシビア」、タイパ志向が前提条件に

回答者のうち43.2%が「時間にシビア」な価値観を保有していることが明らかになりました。情報収集においても「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する層が4割を超えており、消費者の時間に対する意識は、もはや前提条件として組み込んで考える必要がある状況です。

時間にシビアな価値観を保有する層の割合

図5:「時間にシビア」な価値観を保有する層の割合(n=405)

AI検索が即座に最適解を提示してくれる体験は、このタイパ志向と強く親和性があります。今後のコンテンツ設計においては、「読むのに時間がかかる」「結論にたどり着くまでが長い」コンテンツは、AIを介してもユーザーに届きにくくなる可能性が高いと言えます。

考察:「SEO」から「AIO(AI Optimization)」へ

今回の調査結果から、ユーザーは現在も検索エンジンの上位表示をポジティブに評価しつつも、簡単な検索や即答性が求められる場面では、AI検索を新たな選択肢として組み込み始めていることが浮かび上がりました。

一方で、約半数のユーザーがAI回答を鵜呑みにせず「裏付け確認行動」を取っている事実は、AI検索が万能ではなく、信頼できる一次情報や公式コンテンツの重要性がむしろ増していることを示しています。

今後の企業やメディアにとって重要なのは、「検索結果で上位に表示されること(SEO)」と並行して、「AIが最適な回答として引用や要約してくれること(AIO:AI Optimization)」の両軸に取り組むことです。検索順位の獲得から、AI検索における「引用される側」になるための情報設計へ、マーケティング戦略の前提が書き換わり始めています。

出典元:株式会社ナレッジホールディングス

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