
ネット広告で利益を出すために『運用者が決める・考えること』についてお話しします。
まず前提として、ネット広告で利益を出すには前回お伝えした以下を満たしていることが重要です。これらは運用者ではなく監督者が決めるべきことになります。
- 月商100万以上・粗利率20%超・客単価6,000円超(ECサイト全体で)
- 広告予算を無理に使い切らない
- 原則として検索広告のみを配信
- 利益を意識したROAS目標を決める
(さらに言えばLTV{ライフタイムバリュー}・広告純利益を)
藤森 健
モネット株式会社
代表取締役社長
2010年にモネット株式会社を創業。業務用清掃用品ECサイトを立ち上げて1年で月商1,200万に。2012年に2,900万円で売却。
2013年から『ECサイト専門のネット広告代行』をスタート。リスティング広告・Amazon広告・楽天広告・ヤフーショッピング広告の代行を承る。『上手くいく依頼のみを受ける』『利益重視の運用』『完全成果報酬型~上手くいかない場合は代行料を減額~返金』『定額制の代行料』『1か月のお試しプラン』などが特徴。
モネット株式会社
https://monet-world.co.jp/
どの商品に広告を配信するのか?
運用者が見定めるべきことの第一は、広告を配信していい商品とそうでない商品の見極めです。
まず配信を避けるべきなのは単価が低い商品。5,000円以下の商品で広告を出す意味はほぼないと言えます(一度の購入で複数個が購入される場合は別)。
当社で運用していた業務用清掃用品ECサイト『Monet!』では、はじめはモップや水切りワイパーなどの単価が低い商品で広告を出していました。が、売れても粗利より広告費のほうが高くなることがほとんどで全く割に合わないため、すぐ停止しました。商材を問わず、どのECでも同じことが言えるでしょう。
一方、配信すべきなのは売れ筋商品・リピート率が高い商品・単価の高い商品です。
Monet!では業務用ワックス(1万円前後)やポリッシャーセット(5万円前後)の広告を多く出していました。これらの商品を購入したお客様が他の商品も購入し、かつリピート率が高いことがわかったためです。さらに言えば、2度目以降の購入ではブックマークや指名検索で直接来店することが多いので広告費はかかりません。利益幅が大きくなります。LTVの考えですね。
ただ、単価の高い商品でも掃除機(数万円)や業務用機器(数十~数百万円)では広告は出しませんでした。これらは扱うECサイトが多いために競争が激しく、クリック単価が高くなって割に合わないためです。かつリピートすることもほぼありませんので。
どんな広告に配信するのか?
次に配信すべき広告です。自社ECサイトの場合は主にリスティング広告を配信することが多いですが、原則として検索広告のみでいいでしょう。ユーザーは自分の意志で検索して表示された広告経由で来店するので、購買意欲が極めて高いためです。
逆に検索広告以外を配信するとどうなるか?たとえばディスプレイ・動画広告を配信すると確かにクリック数は増えるのですが、購買にはつながりません。検索広告経由のユーザーと違って購買意欲が低いので。リマーケティング広告以外は広告費がかかるだけで終わることがほとんどです。他の業界ならともかくECには向いていません。当社の支援先様でもリマーケティング広告以外のディスプレイ・動画広告を配信して上手くいった例はほぼないと言えます。Monet!でも当時ネット広告の初心者だった私はディスプレイ広告を配信しましたが、売上・利益にはつながらないと判断して数か月で停止しました。
ただ、メタ広告(特にインスタグラム広告)はいいと思います。実名制でユーザーの質が高く広告ターゲティングの精度も高いため、成果が出ることもあるかと。ディスプレイ・動画広告を配信するならメタ広告がいいでしょう。また、Amazon・楽天市場といったショッピングモール内のディスプレイ・動画広告でも成果が出ることはありますね。
『来店したユーザーにいかに購入してもらうか』ではなく、『購入するかどうかは来店した時点でほぼ決まっている』と覚えておきましょう。
もう1点お伝えしますと、商品やECサイト・もしくは企業自体を認知してもらうための広告を出す企業がおられますが、中小企業の場合は止めておくべきでしょう。ほぼ100%の確率で自己満足で終わります。
広告効果は数だけでなく質と両立
広告の成果を測定するには一般的に数と質があります。
数 売上やCV(コンバージョン)数
質 CPAやROAS
- CPA(顧客獲得単価) 広告費÷CV数(円)
- ROAS(広告費用対効果) 広告経由売上÷広告費×100(%)
リスティング広告を中心に数多くのECサイトが運営する広告アカウントを見てきましたが、多くは数である売上とCV数しか見ていませんでした。質(CPAやROAS)の目標があるアカウントはかなり少ないのが現状です。
売上は増やそうと思えばいくらでも増やせます。値引き・ポイント10倍・送料無料など多くの手法を駆使すればいいわけです。が、費用対効果が合わないからやらないんですよね?
ネット広告も同じです。広告費を使えば売上を上げられます。が、利益を見ると割に合わないからやらないわけです。利益確保のためには必ず質の目標も設定し、そのうえで数を目指しましょう。まあ質と数を両立させるのはかなり難しいんですが。
ECサイトのネット広告で質を見る場合(当社はLTVを意識してかつ広告純利益を見ますが)、日々の運用ではCPAかROASを目標にするのがおすすめです。さらに言えば
- 単品販売サイト(お試し商品購入から定期購入に繋げるサイト)はCPA
- 多品目型サイトはROAS
がいいでしょう。多品目型サイトでCPAを採用すると、もし客単価に大きなブレがある場合にROASも大きくぶれます。
また、ROAS目標は広告アカウント全体だけではなく、キャンペーン単位・広告グループ単位・(検索広告なら)キーワード単位・(Google ショッピング広告なら)商品単位でも合わせることが重要です。そうすることで費用対効果がさらに良くなりますので。
実際にあった例(ROAS目標400%を達成しているアカウント)
キャンペーンA 広告費20万円 広告経由売上120万円 ROAS600%
キャンペーンB 広告費30万円 広告経由売上 80万円 ROAS267%
この場合、全体のROASは合っていてもAは売上獲得の機会を逃しており、Bは広告費の無駄遣いをしています。取れたはずの利益も逃していますね。なので調整が必要です。
そして同じことを広告グループ・キーワード・商品単位で実施します。かなり面倒ですが、実施することで利益は確実に増えます。
ちなみにAIで簡単に配信している場合、これらの調整はしづらい、もしくは全くできないことがほとんどです。なので当社はほぼ全ての運用を手作業でやっています。そのほうが成果を出せますので。
広告運用でありがちな勘違いは?
多くの運用者の勘違いを修正させていただきます。ネット広告の出稿はターゲティング(誰に配信するか)→広告(テキストやクリエイティブなど)の順番で、かつユーザーの導線もこの通りなのですが、下記のような勘違いが発生しています。
■広告運用における重要性
一般の運用者の認識 ターゲティング<広告
当社の認識 広告<ターゲティング
重要なのはターゲティングであって、広告ではありません。注力すべきは『正しい相手に配信すること』であり、『立派な広告を作ること』はそのあとになります。むしろ作らなくてもいいかと(特にテキスト広告では)。
Google 広告を例に挙げます。
- 検索広告 ターゲティング=キーワード。広告=テキスト(文章)広告
- ショッピング広告 ターゲティング=商品情報を基に決まる。広告=商品(画像)広告
となります。注力すべきはキーワードと正確な商品情報であり、テキスト広告と商品広告はさほど頑張る必要はありません。ABテストを数えきれないほどやってきた当社が出した結論です。
支援先様の家具買取サイトで実際にあった例をお話しします。買取を増やしたいのでリスティング広告の運用を代理店に依頼しておられたのですが、成果が出ていないということで当社にご相談がありました。そこで代理店からのレポートを見たところ、キーワードの多くは『家具 購入』『テーブル 通販』といった、購入したいユーザー向けになっていました。本来なら『家具 買取』『家具 売りたい』といったキーワードのみを設定すべきです。その後、既存の代理店との契約を終了して当社に依頼をされました。
適切な時期に着実に成果を出す広告運用を
私は
『この世の広告の9割は無駄』
『広告を出稿する価値のあるサイトは1割しかない』
と思っています。事実、この13年間で数百件の依頼をお断りしてきました。
また、
『自社ECサイトで500万売るのはモールで500万売ることの何倍も難しい』
『なので自社ECサイトのネット広告で成果を出すのも難しい』
と思っています。Amazon広告・楽天市場広告は『購入するためにモールに来たユーザー』に配信しますが、自社ECサイトは『(検索広告の場合は)検索しているユーザー全体』に配信しますので。
自社ECサイトではリスティング広告を出稿することが多いでしょうが、成果を出すのが最も難しいネット広告がリスティング広告です。
ただ、上手く使えば高い成果が出せます。当社の支援先様を見ても、自社ECサイトなら月商の5~7割がリスティング広告経由ですので。
ネット広告はECサイトには欠かせないものです。勉強と経験を積み重ね、高い成果を出せるよう頑張りましょう。
広告運用のご相談は下記URLからご連絡ください。
https://monet-world.co.jp/
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