
日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2025年11月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回取り上げるテーマは、「AmazonのSP-API有料化」と「アサヒ・アスクルのサイバー攻撃被害」です。
本記事とは別に、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらもあわせてチェックしていただければと思います。
この記事の目次
AmazonがSP-APIを2026年から有料化へ
Amazonは2026年より、開発者向けAPI「Selling Partner API(SP-API)」に年額1,400ドルのサブスクリプション費用と、APIのデータ取得回数(GETリクエスト)に応じた従量課金を導入します。対象となるのは、他のセラー向けにサービスを提供するサードパーティ開発者です(自社利用のみのセラー・ベンダーは対象外)。
料金体系(2026年〜)
- 年額:1,400ドル(2026年1月31日開始)
- GETリクエスト課金(2026年4月30日開始)
GETリクエスト=APIで「注文情報・在庫・商品データなどを取得する操作」。
Basic(0ドル/月、250万件)を含む4ティア。
超過分は $0.40/1,000件。
※データ更新系(PUT/PATCH/POST)は課金対象外。
開発者向けの補足事項
- Usage Dashboard で月間のGETリクエスト数・過去12か月のピーク値を確認可能
- Call Optimization Guidanceで、冗長なAPIコールを減らすためのベストプラクティスが公開
- Billing Information Instructionsで支払い方法の設定方法を案内
- Tax Registration Instructionsで税情報の登録方法を案内
- 新規開発者は「最初の本番APIコールを行った時点」で年額課金が発生
スケジュール
- 2025年11月3日:支払い情報登録開始
- 2026年1月31日:年額課金開始
- 2026年2月9日:未登録アプリはAppstoreから削除
- 2026年2月16日:SP-APIアクセス停止
- 2026年4月30日:従量課金開始
参照:An Update on SP-API Fees(Amazon Selling Partner API)
https://developer.amazonservices.com/spp-announcement




アサヒ・アスクルでサイバー攻撃被害
2025年9月末以降、アサヒとアスクルがサイバー攻撃を受け、システム障害や情報流出を公表しました。いずれもランサムウェア(データ暗号化と身代金要求を伴う攻撃) が原因とみられています。
アサヒ:基幹システムが停止、受注・出荷業務に影響
- 9月下旬に攻撃を受け、国内グループ会社の基幹システムに障害
- 受注・出荷・在庫管理などの主要業務が一時停止
- 外部専門機関と連携し、ログ解析・安全性確認・影響範囲を調査中
- 現時点で「個人情報流出は確認されていない」と公表
- 再発防止として監視体制強化・脆弱性対策の実行を予定
アスクル:受注停止・物流機能の停止・情報流出が発生
- 10月19日の攻撃で ASKUL/ソロエルアリーナ/LOHACO の受注・出荷がほぼ全停止
- 倉庫管理システム(WMS)が使用不可となり、物流機能が大幅に低下
- 暫定対応としてFAX注文で一部出荷を再開(通常の1〜2割規模)
【確認された情報流出】
- 問い合わせ情報(氏名・連絡先・問い合わせ内容など)
- 仕入先情報
- ASKUL LOGIST(3PL)の配送データ(住所・氏名・電話番号・注文商品)
※クレジットカード情報は非保持のため対象外
【復旧状況】
- 2025年11月12日:ソロエルアリーナのWeb注文が再開
- 直送品の出荷範囲を拡大し、約6,000アイテムを直送扱いで提供
- ASKUL本体の注文再開は12月上旬予定
- LOHACOなど一部サービスは停止継続
参照:
・アサヒグループホールディングス(ニュースリリース)
https://www.asahigroup-holdings.com/newsroom/list.html
・アスクル(IRニュース)
https://www.askul.co.jp/corp/investor/release




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