オフライン連携でEC売上アップ!LINEを活用したOMO施策

ECサイトだけでなく、実店舗と連動したOMO(オンラインとオフラインの融合)でLINEを活用したデータ連携を行い、売上や事業効果をあげる企業が続々現れています。

前回のコラムではECサイトとLINE公式アカウントを連動したデータ連携のコツをご紹介いたしましたが、今回はさらに一歩踏み込み、実店舗やイベント時に収集したデータとLINE公式アカウントを連携したOMO型の取り組みをテーマに、具体的な企業事例を交えながら解説していきます。

この記事の執筆者

福田 達也
株式会社Mico
カスタマーエグゼクティブ統括本部
カスタマーエグゼクティブ1部 マネージャー

LINEマーケティングプラットフォーム「Mico Engage AI(ミコ エンゲージ エーアイ)」で複数社のLINE公式アカウントの運用支援を担当。EC業界のお客様を中心にLINEマーケティングの戦略、施策策定、実装、振り返りと対策を行い、売上・利益創出に努めている。個人では住宅系SEOメディア・SNS運用・Instagramのコンサルティングも行い、ブランドと顧客のコミュニケーション最適化に取り組む。

Mico Engage AI:https://mico-inc.com/engage/

LINE公式アカウントをOMO活用する3つのメリット

OMO(Online Merged Offline)とは、オンラインとオフラインの垣根をなくし、顧客体験をシームレスにすることで相互送客を促すマーケティング手法です。「OMOに向けて何かできることはないか?」というEC事業者さまに対して、私自身は自社アプリ開発や高度なデータ連携といった大掛かりな施策を試す前に、まずはLINE公式アカウントを活用した取り組みから始めることをおすすめしています。その理由は以下の3つです。

①友だち登録のハードルが低く、来店顧客のデータ取得・連携がしやすい

LINEは、ユーザーにとって友だち登録の心理的なハードルが低いため、顧客とのオンライン接点を持ちやすいツールです。これにより、店舗やイベントで商品を購入した顧客のデータを取得しやすくなり、店舗とECサイト間の相互送客を促進する上で有効です。

②店舗の購買情報を活用することで、オンライン施策の精度をアップ

店舗の購買情報をデジタルで取得することで、ECサイトのセールなどオンライン施策の精度を大幅に向上させることができます。お客様が店舗で商品を購入する際に、LINE会員証などでID連携を行うと、その購買履歴がLINEのデータと紐づけられます。このデータをもとに、お客様一人ひとりに合わせたパーソナライズされたメッセージを配信できるようになり、オンラインでの顧客体験をさらに豊かにすることができます。

③LINEは実店舗のイベント・キャンペーン施策と相性がよい

LINEはオフラインでの施策と非常に相性が良く、柔軟な連携が可能です。

例えば、スタンプカード機能を活用したクイズラリーや、LINE公式アカウントから抽選に参加するキャンペーンなどを実施することで、ユーザーに楽しんでもらいながら、自然な形で友だち追加を促すことができます。

InstagramのようなSNSが認知拡大に特化しているのに対し、LINEはECでの購入など、コンバージョンにつながる行動を促せる点も大きな利点です。

LINE公式アカウントのOMO活用術3選

LINE公式アカウントを活用したOMO施策には、さまざまな成功パターンがあります。
ここでは特に効果的な3つの活用術をご紹介します。

1. 来店後にLINE公式アカウントからステップ配信を実施

店舗への来店をトリガーとして、自動でLINEメッセージを配信する仕組みです。LINEログインを店舗の来店時に行うことで、会員情報を自動連携させ、ECサイトで使えるクーポンを配布したり、ログイン不要でECで購入できる導線を提供したりすることで、EC購買を促進します。

2. オンライン会員証をLINEで表示

「紙の会員証を財布から取り出すのが手間」「また来店するかわからないのにアプリをインストールするのは面倒」というライトユーザー向けにLINEのデジタル会員証はリピート率を高める上でも有効です。だれもがスマホにインストールしているアプリ「LINE」を活用し、お客様はレジでLINEミニアプリの会員証をQRコードでかざして登録するだけで、ポイントを貯めることができます。同時に、そのお客様はブランドのLINE公式アカウントに自動的に登録され、ECショップ限定のお得な情報やクーポンを送ることも可能です。

3. イベントをきっかけに顧客データを取得

イベントは、多くの潜在顧客との接点を持てる絶好の機会です。イベント・POP UPショップをきっかけにLINE友だち登録を促し、その後は継続的にメッセージを送ることで、顧客を長期的に育成(ナーチャリング)することができます。

イベントやPOP UPショップのような「一見さん」のお客様が多い場には「診断コンテンツ」をきっかけに登録促進することがおすすめです。診断コンテンツを進めるうえでユーザーが入力した情報を、その後のLINE公式アカウントの配信に活かすことができます。顧客自身の興味・関心といった一次情報を回答してもらえる可能性が非常に高いので、お客様と中長期的な関係を続けるCRM施策を考えやすくなっています。

LINEを活用したOMO施策で、EC販促につなげている事例

私たちが過去にご支援した事業者さまのなかで、LINEをうまく活用し、OMOを実現している具体的な実践事例を一部ご紹介いたします。

事例:LINEのデジタル会員証を活用。来店者のEC送客でオンラインストア売上を3倍に

まずは、地方都市で展開する老舗百貨店さまのOMO事例を紹介します。コロナ禍により来店数が減少したことをきっかけにオンラインストアの強化を決定。来店者とオンライン接点を構築し、ECサイトでの商品案内をおこなうため、LINE公式アカウントにデジタル会員証機能を搭載しました。店舗のレジ前でLINE友だち登録を促し、店舗への来店者をECサイトへとつなげるオペレーション基盤を整えています。また、LINE公式アカウントからは会員・誕生月クーポンの配布や催事案内に加え、QRコードと連動した謎解きクイズのイベント企画、週1回のオンラインストア情報発信を展開。店舗とECの双方で顧客接点を拡大し、運用1年半でオンラインストアの売上3倍と相乗効果につなげています。

事例:「LINE 試乗予約」をきっかけに1日で2,000人が登録、ECサイト利用を促進

あるスポーツバイクメーカーさまではイベントで「LINEで試乗予約」できる機能を提供。その結果、サイクルユーザー2,000人以上とLINEでつながり、顧客体験の向上とともに、自転車に関心の高い友だちと数多くオンライン接点を構築することに成功しました。また、店舗やサイクルイベントに来店したお客様に対し、LINEを通じてバイクの付属品や関連商品をご案内しています。これにより、オフライン接点からオンラインの購買へ自然な流れで繋げることができています。

オフライン接点を活かしてEC売上アップ

LINE公式アカウントを起点とすることで、オフラインとオンラインの顧客データを統合し、顧客一人ひとりに合わせた柔軟なアプローチを可能にします。とくに店舗での顧客接点を活かしたLINE会員証やステップ配信、リアルイベントでの友だち登録は、ECサイトの購買促進にも活かすことができます。「オフライン接点をEC利用に繋げたい」「OMOの取り組みをこれから始めたい!」というEC事業者さまは、今回紹介した事例をもとにぜひチャレンジしてみてください。

Mico Engage AI:https://mico-inc.com/engage/

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