Meta広告に新プレースメントが登場!広告効果の傾向と今後の可能性

2025年に入り、Metaが提供するテキストに特化したSNS「Threads(スレッズ)」に、広告メニューが正式に実装されました。
当初、「Instagramの外付け機能では?」と捉えられることも少なくなかったThreadsですが、現在では、世界で月間アクティブユーザー数3億人を超える一大プラットフォームへと成長しています。

本記事では、Threads広告の仕様、出稿条件、現時点での効果、そして今後の展望について深堀りしていきます。

この記事の執筆者

野嶋 友博
株式会社オプト

2015年新卒でオプトへ入社。SNSを中心とした広告運用に携わり、幅広い業種のクライアントを担当した後、2021年よりEC・教育・人材業界を専門とするアカウントプランニング組織に異動し、十社十色のマーケティング施策創出に向け日々邁進中。LINEマーケティングサービスの認定講師「LINE Frontliner」資格を保持。

株式会社オプト
https://www.opt.ne.jp/

テキストSNSとしての立ち位置とユーザー傾向

Threadsは、2023年7月にMetaがリリースした新しいSNSです。
Instagramアカウントとの連携を前提とし、画像や動画よりもテキスト投稿が中心である点が大きな特徴です。

リリース初期には、匿名性の高い投稿が多く、「転職」「不倫」「愚痴」など、一部で治安が悪い印象を持たれることもありました。
しかし、Metaのアルゴリズムによるフィード最適化が進んだ現在では、各ユーザーの興味関心に合わせた表示コンテンツのカスタマイズが効いており、投稿体験は落ち着きを見せています。

例えば私のフィードでは、共感性の高い話題や、ChatGPTなどトレンドに乗ったワードを含む投稿が多く表示されています。

また、X(旧Twitter)と似たようにフォローしていないユーザーからのコメントが付きやすい仕様となっており、高い拡散性と気軽なコミュニケーションのバランスが取れた構造になっています。

広告機能としてのThreads:どこまでMeta配信網と連動するか

2025年1月、Metaは日本および一部地域でThreads広告の配信テストを開始し、同年4月から全世界で利用可能となりました。

Threads面は、Meta広告ネットワークの一部として機能しており、InstagramやFacebookと同様に、Metaのターゲティングアルゴリズムや最適化機能をフル活用することができます。

2025年5月現在、表示される広告フォーマットは静止画のみで、アスペクト比は16:9または1:1が対応しています。
広告は、Threads上の投稿と投稿の間に自然に差し込まれ、Instagramのフィード広告に近い表示形式になっています。

一方で、Threads面をプレースメントとして明示的に指定することはできません
InstagramやFacebookのフィード広告面と同様、Metaの最適化エンジンが広告の表示面を動的に決定するため、「結果的にThreadsに配信された」という仕組みになっています。

Threads面で広告を出すための条件と注意点

Threadsに広告を配信するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. FacebookページとInstagramアカウントの接続
  2. Instagramアカウントに紐づいたThreadsアカウントの開設
  3. Metaによる広告アカウントへのThreads面開放(媒体社側の権限付与)

また、以下のような形式・設定では、Threads面に広告は表示されません(2025年5月時点)。事前に確認しておくことが重要です。

広告オプション:

  • Advantage + クリエイティブ
  • ダイナミック関連(カタログ・商品・配信セット)

広告タイプ:

  • カタログ広告
  • パートナーシップ広告

広告設定:

  • 既存投稿の利用形式
  • Instagram投稿の宣伝形式

広告フォーマット:

  • シングル動画(※静止画のみ対応)
  • カルーセル/コレクション広告

リンク先制限:

  • ウェブサイトリンクのみ(アプリDL遷移などは不可)

特に、「動画広告は非対応」「既存投稿形式は使用不可」「カタログ商品は対象外」という3点は、広告運用時に混乱しやすいため、十分な注意が必要です。

広告効果と今後の展望

初期段階のThreads広告では、CPM(インプレッション単価)は非常に安価です。
Instagramストーリーズ初期と同様、まだ競合となる広告主が少ないため、高いコンバージョン効率が期待できる状態にあります。

一方で、CTR(クリック率)は全体的に低水準となっています。
フィード面への配信にも関わらずCTRが伸び悩む背景には、MetaのアルゴリズムがThreads面の最適化に十分な学習データを蓄積できていない可能性や、ユーザーがThreads上での広告にまだ慣れていないことが考えられます。

現状、CPC(クリック単価)は「特段高くも低くもない」といった水準ですが、CTRが改善すれば一気に優良なプレースメントになる可能性を秘めています。

Metaからは、Threadsでの動画広告フォーマットの導入も今後予定していると発表されています。
これが実装されれば、より視認性の高い広告によるCVRの向上が期待でき、配信効率もさらに高まるでしょう。

まとめ:今のうちに“Threads的広告体験”の設計を

Threads広告は、まだ実装初期の段階にあり、必ずしも既存のMeta広告の配信ロジックが完全に機能しているとは言えません。
しかし、だからこそ今のうちに「Threads面に適した広告体験」を試行錯誤する価値があります

テキストのコミュニケーションが活発なThreadsのフィードで、どのような静止画と訴求軸がユーザーにフィットするのか。
共感や気軽なコミュニケーションが中心となるThreadsの特性に寄り添った広告が重要になる可能性も視野に入れ、運用チームとしての様々なアプローチを試していくことが求められるフェーズです。

Meta広告の一部として、そしてXに代わる新たなテキスト広告チャネルとして、Threadsの広告面は、いま確実に注目すべき選択肢のひとつになっています。

株式会社オプト
https://www.opt.ne.jp/

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