ふるさと納税の自治体アカウント・ポータルサイトから見る今後のトレンドとは

本記事では、自治体の認定状況やポータルサイトと言われる楽天ふるさと納税やふるさとチョイスなどのプラットフォームの立ち位置・年間トレンドについて解説していきます。

ふるさと納税の自治体登録について

自治体認定数1,800弱、平均税収2.7億円

まずは自治体の認定数状況について解説します。都道府県と市区町村が対象となっており、以下のような形で認定されています。

総務省令和2年9月発表資料を参考
総務省令和2年9月発表資料を参考

ちなみに2019年時点のTOP10位の自治体はご覧の通り。
※2020年のデータは2021年8月頭に総務省より発表される予定です。

順位市区町村寄付金額寄付件数
1泉佐野市18,496,917307,630
2都城市10,645,341503,916
3紋別市7,737,695448,803
4白糠町6,733,389460,533
5根室市6,589,107413,575
6都農町5,208,339270,465
7上峰町4,672,145278,000
8南さつま市4,644,199254,344
9寒河江市4,423,410204,666
10燕市4,237,202131,513
2019年時点のふるさと納税寄付金額TOP10

寄付を多く集めている自治体の特徴として、

①返礼品の魅力度が高い
検索数の多い返礼品(人気の返礼品カテゴリ)を所有している

②自治体スタンスが良い
ふるさと納税を事業的に進めている、返礼品を収集、改善していく動きが早い

の2点が挙げられます。

地方都市などある程度人口が多い自治体では、歳入(受け入れる寄付額)より歳出(出ていく寄付額)が多く、ふるさと納税に注力をせざるを得ない状況をもつ自治体も多く存在しています。

次にポータルサイトと呼ばれるプラットフォームについてみていきたいと思います。

ふるさと納税ポータルサイトの検索数比較

ポータルサイトは4強、10月から急激に盛り上がるマーケットトレンド

2006年から始まったふるさと納税ですが、現在ポータルサイトは20個を超えています。大手4サイトの2020年の年間トレンドを見てみましょう。

ポータルサイトは4強、10月から急激に盛り上がるマーケットトレンド
※参考:Google Trendより表示、抜粋

ご覧の通り10月から一気に検索数が高まる傾向にあります。このトレンドは毎年同じです。10月から検索数が上昇する理由としては以下のものが考えられます。

  • ふるさと納税を忘れている人・面倒くさがっている人が多い
  • ボーナスの確定で年収把握ができるのが12月頭である
  • 各種ポータルサイトが年末にかけて広告出稿する

Googleのリスティング広告出稿面でも同様の傾向が見られます。

ふるさと納税関連のキーワードのGoogle出稿トレンド

※Googleから抽出、immue自社調べ(対象期間2017年〜2020年)

自治体主導のふるさと納税サイトも多数誕生

自治体主導のサイト課題は集客力。寄付額が大きい自治体ではメリット◎

自治体側が独自サイトとしてリリースするケースがかなり増えています。

一例として、寄付額上位自治体の独自ふるさと納税ポータルサイトです。目的は自治体により微妙に違う意図が見受けられますが、ファンを獲得して広告費を抑えるCRM的な動きとして有効に働くと考えられます。

寄付額上位自治体独自ふるさと納税ポータルサイト
泉佐野市https://furusato-izumisano.jp/
都城市https://furusato-miyakonojo.jp/
紋別市https://mombetsu.furusato-nozei.jp/
上峰町https://furusato.kamimine.jp/frmDefault.aspx
南さつま市https://furusato-ms.jp/
志布志市https://shibushi-furusato.jp/
有田市https://furusato-arida.com/
富士吉田市https://furusato-fujiyoshida.jp/
山形市https://furusato-yamagata.jp/
境町https://furusato-sakai.jp/
焼津市http://yaizu-furusato.jp/official/default.aspx
鹿屋市https://www.kanoya-furusato.jp/

ふるさと納税の今後の動向予想

ますます盛り上がる自治体独自サイトとCRMの重要性増加

ふるさと納税の返礼額や広告費および自治体の返礼品登録数は年々増加しています。このままの成長は続くのでしょうか。またこの先にある変化はどのようなものでしょうか。その変化にいち早く対応できる自治体およびアカウントが最大限の利益(お金だけでないものです)を得られると考えています。

2,0172,0182,0192,020
ふるさと納税関連広告費YoY#N/A117.03%97.18%142.85%
広告費の年間トレンド:Googleより抽出、自社調べ

個人的には以下のようなフェーズで今後進行していくと考えています。

<マーケットフェーズ>

①返礼品を増やせば寄付額が増える
②広告投下して認知拡大をすれば寄付額が増える ⬅️いまここ
③広告過当競争になり規制や制限が入る
④地域の魅力を発信しながら寄付額を募る動きが重要視される

<自治体フェーズ> ※順調に寄付額を積み上げられた自治体

①寄付額を増やす(返礼品を増やす、広告を増やす)
②寄付額が増えたが使い道がわからない ⬅️いまここ
③使い道と住民ニーズを合わせて良い街づくりにする

今回は自治体のふるさと納税サイトやポータルサイトの年間トレンドについて見ていきました。次回はふるさと納税のアカウント運用の中で注意すべき点や分析方法について書いていきたいと思います。

合わせて読みたい

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ