株式会社PR TIMES(本社:東京都港区、代表取締役:山口 拓己、東証プライム:3922)は2024年6月27日(木)、運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」において、2024年1月1日〜2024年5月31日に企業から発表いただいたプレスリリース総計15万6339件を対象に、データ分析と総括、業界分析と各種ランキングなどを発表いたしました。

トピックス
・「イベント」が総合1位、月別も2023年5月以降1位をキープ
・「生成AI」が5月に過去最高の11位、総合でも14位にランクイン
・「EC」が3年ぶりに純減、「観光」「旅行」などリアルなお出かけが増加
・[ホテル・レジャー]業界別では、「インバウンド」が584件で8位にランクイン

対象期間:2024年1月1日~2024年5月31日
集計対象:PR TIMESプレスリリース15万6339件
発表項目:2024年上期総合&月別キーワードランキング、業界別分析 等
発表日:2024年6月27日
発表者:株式会社PR TIMES
プレスリリース配信サービス「PR TIMES」:https://prtimes.jp/

<キーワードランキング>「イベント」が上半期総合で1位。「AI」も昨年より順位アップ

「PR TIMES」ではプレスリリース発表の際に、発表企業がプレスリリース内容に関係するキーワードを最大10個登録することができます。2024年1~5月に発表された総計15万6339件のプレスリリースのキーワード登録総数は24万3251種に上りました。総合ランキングでは2024年の企業活動の潮流を、そして月別ランキング推移からは企業動向の変遷と流行の兆しをキーワードを通して分析しています。

2024年上期総合では、2023年に続き、「イベント」が1位、「DX」が2位、「新商品」が3位と続く形となりました。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に引き下げられた2023年5月以降、「イベント」は1年以上続けて1位をキープする結果となりました。

また、「AI」が3〜6位に定着したことに加えて、「生成AI」が5月には11位と2023年通年ランキングに引き続き順位を伸ばしています。

昨年から順位を伸ばしていた「旅行」「観光」は、総合でも16位、17位と昨年を上回る順位となりました。関連キーワードである「インバウンド」が、1119件で上半期総合54位(2023年年間:89位、2022年年間:356位)と大きく順位を伸ばしました。

1月1日に発生した「能登半島地震」は、1月に企業が行う支援や義援金・寄付等に関する発表が多く、396件で18位となりました。上半期を通じても861件で88位と依然として注目度の高さがうかがえます。発信内容は支援や寄付に関する発表に限らず、震災を乗り越えようとする地元企業が発表する新商品などの情報も増えつつあります。

<2024年上半期注目キーワード>「EC」はTOP10から21位に

2023年の同期と比較して、キーワード件数や順位に注目するべき変動があったキーワードをご紹介します。

EC

2023年:10位(2736件)、2022年:9位(2511件)とTOP10常連であった「EC」です。コロナ禍に実店舗で販売が難しくなった食品や飲食店がECに活路を見出して2020年以降で発表が増えました。しかし、2024年上半期は21位(2022件)と大きく順位を落としました。総合ランキングでも言及したように、「旅行」「観光」といったリアルなお出かけが可能になったことで、落ち着いた影響と考えられます。一方で、「DX」のようにその有益さから引き続き活用されることが予想されます。

このリアルな体験が解禁されたことによる傾向は、ビジネス領域でも同様の影響が見られ、出典や開催をはじめとする「展示会」のキーワードが2023年:857件から2024年:1061件と200件超のキーワード件数が伸びています。

SDGs

続いては、聞き馴染むようになった「SDGs」に関連したキーワードの傾向についてです。2021年から国内のビジネスにおいても注目されキーワードの件数も増えていき、2022年は年間を通じて総合でも1位となった「SDGs」は、「サステナブル」や「脱炭素」など関連するキーワードも件数も増えていました。

特に今後発表件数の増加が期待されるのが「カーボンクレジット」です。2024年上半期には124件の発表があり、前年同期(42件)から約3倍に増えています。東京証券取引所が2023年10月11日に正式にカーボン・クレジット市場を開設し、2026年からの本格稼働に向けて、関連するサービスやセミナーなど今後の企業活動が増えてくると考えられます。

合理的配慮

今年の4月1日から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。各社から関連サービスの提供や導入など、これに合わせた事業活動の発表が増えています。2024年上半期には60件の発表があり、前年同期(7件)から8倍超増えており、今後さらに発表が増えることが予想されます。

<業界カテゴリ別分析>

プレスリリース配信時に選択するビジネスカテゴリを元に業界カテゴリ別の企業発表トレンドをランキングにしました。

[ネットサービス・アプリ]カテゴリでは、2023年上半期から「AI」が逆転し「DX」を上回る結果となり、ネットサービスにおいて定番の技術となりつつあります。一方で、[企業向けシステム・通信・機器]カテゴリでは、「DX」に次いで「AI」「生成AI」と続きました。

[ホテル・レジャー]カテゴリでは、「インバウンド」が584件で8位と、総合でも順位を伸ばす中で、特に関連する本カテゴリではTOP10にランクインしました。また、2023年上半期には7位(227件)に入っていた「SDGs」は今回14位(352件)と件数は増加しているものの順位は落としました。

分析担当より2024年上半期キーワードランキングを振り返り

 株式会社PR TIMES PR・HR本部 PR・IRチーム PRリード 杉本 秋

昨年に引き続き、上半期でPR TIMESキーワードランキングを発表できることとなりました。上半期でもキーワードに傾向が見えてくることに、各企業様より時代と社会に合わせた企業活動が行われ、工夫を凝らした発表をプレスリリースに込めていただいていることを実感します。AIやインバウンドの増加など実生活で感じる変化はやはり企業発表のランキングに反映されている一方で、ECに関する発表が減っていることは日頃ネットで買い物ばかりする私には驚きの結果でした。本分析をこれからの広報活動や報道の参考にしていただきながら、今年の年末にはどのような新しい動きが見えてくるのか期待いただけますと幸いです。

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