
はじめに
Amazonを使うことで自社にエンジニアがいなくても手軽にECを立ち上げることができるため、多くの事業者がAmazonに商品を出品するようになりました。そのためAmazon内での競争がどんどん激しくなってなっており、とりあえず出品するだけでは売上を伸ばすことが難しくなっています。Amazonで商品を出品するにあたり、最初にやるべきことは商品ページで購入者に的確にアピールすることです。
「商品ページを作ってみたけど、タイトルや説明文の書き方が合っているかどうかわからない」
「従業員や外注にページ作成を任せているが、なぜかいつも思ったような感じに作ってもらえない」
「大手ほど知名度がないため少しでも認知してもらえるような商品ページを作りたい」
本日の記事は、そんなAmazonで出品する際の商品ページの作り方で悩まれている方に向けた内容になっています。記事を書く私は、事業者向けにAmazon出品のサポートをさせていただきながら自社でもAmazonを使ったEC運営を行っています。
すでにAmazonに出品中の方も、これから出品する予定の方にも有益な内容になるかと思いますのでぜひ最後までご覧ください。
わかりやすいタイトル、説明文の作り方
結論から言いますと、最適な商品ページを作るには「わかりやすい内容」を意識することが一番大事です。「何をそんなわかりきったことを」と思われたかもしれませんが、意外と購入者に商品を理解してもらうことを考えずに商品ページを作られている方が多いです。
Amazonでの商品ページ作成は、ブログ記事のSEO対策とは違う考え方が必要になるからです。もちろんAmazonにもSEOの仕組みが取り入れられています。少しSEOを勉強した方であればAmazonの商品ページを作成するときに以下のようなことを思い浮かべているかもしれません。
- 検索ボリュームの多い単語をページ内に▲▲回以上は混ぜる必要がある。
- 説明文は■■文字以上の文字を書く。
- キーワードの項目には関係ありそうな言葉をとにかく多く書く。
上記のような施策は一部有効なこともありますが、基本的には大きな効果を生まないことが多いです。
Amazonの場合、購入者が検索した内容に関連するかに加えて「販売実績」を考慮した検索結果を表示するからです。販売実績には「売上点数」「購入者からの評価」「返品率」など細かい内訳が含まれています。
GoogleのSEOには「販売実績」という指標はなく、検索ワードに関連するかと記事のクオリティによって検索結果を表示します。一方Amazonは検索サービスというよりは小売サービスなので購入者が探したい商品をすぐに見つけることだけでなく、「購入者に満足な買い物をしてもらいリピートしてもらう」ことを考えています。
SEO対策だけを行って返品ばかりの商品を販売するような事業者が、検索結果の一番上に来てもらってはAmazon側が困るわけです。そのため事業者としては商品が広く認知されていないうちは、まずは商品ページのタイトルと説明文を「わかりやすい内容」にすることが販売実績を作るための近道になります。
タイトルと説明文がわかりづらく、購入者が意図したものと違う商品にも関わらず誤解して購入されてしまうと返品率が高くなりやすいです。概要だけではわかりづらいかもしれないので具体例を紹介しながら説明していきます。
本記事では例題として「CommercePickコーヒー」という名前のドリップ式アイスコーヒーを出品することを想定してタイトルを考えてみます。
【オリジナルブレンド/自家焙煎】CommercePickコーヒー ギフト 新発売 人気 小分け おしゃれ オフィス用 ドリップコーヒー
【CommercePickコーヒー】高品質なドリップ式アイスコーヒー!〜初心者でも簡単に作れる〜
特にタイトルは検索結果のなかで最も重要な情報です。良くないタイトル例ではSEOを意識しすぎたあまり、パッと見ただけで商品のイメージが付きづらくなっています。1個ずつのキーワードは確かに検索ボリュームがあるので検索結果への表示回数が期待できるかもしれませんが、実際の購入者のニーズと合わない可能性が高そうです。
また今回の例題としてはドリップ式アイスコーヒーなので、最低限アイス用であることは記載すべきですが、検索ボリュームを意識したため「ドリップコーヒー」という言葉がアイスとホットの両方の意味に取れます。
さらに購入者のターゲットよりSEOを意識したキーワード重視のため「オリジナルブレンド」「自家焙煎」「ギフト」「おしゃれ」「オフィス用」などの記載によって購入者のニーズに統一性がないです。これだと仮に購入されても「思ったものと違ったから返品しよう」となる確率がグッと上がります。
一方で良いタイトル例では「高品質」「アイス」「初心者でも簡単」とアピールしたい言葉がまとまっていて購入者のターゲットが絞られているのがわかります。何より文字数が多すぎないのでパッと見たときに読みやすいです。
SEO対策は必要な考え方ですが、SEOだけに注力しすぎて良くない文章になるのは本末転倒です。皆さんは良いタイトル例のように明確な購入者のニーズをしっかり抑えた書き方をしましょう。
タイトルだけではなく説明文でも同じことが言えます。説明文の場合はタイトルに記載しきれない内容を書くことになるでしょう。例題のCommercePickコーヒーの場合だと以下のような項目が想定できます。
- 商品の特徴(3〜5点ほど)
- 事業者の特徴
- ドリップコーヒーの淹れ方
- 内容量や保存期間など
タイトルと同じ考え方でわかりやすい内容にすることでミスマッチが減り販売実績をプラスに積み上げることができます。
商品の魅力を伝えきるメイン画像とサブ画像の作り方
続いて商品ページで使用する画像についてです。画像は大きくメイン画像とサブ画像に分けられます。メイン画像は検索一覧のサムネイルや、商品ページの1番目に表示される画像のことです。メイン画像は基本的には商品自体の画像を載せることになるでしょう。
Amazonのルールとしては「商品がわかるもの」「背景が白抜き」をクリアすることが条件です。加えて私の見解としてはお金がかかってもプロのカメラマンに撮影してもらうことをお勧めします。
ECは実物を手に取って品定めできない以上、商品の写真で少しでも不安要素があると購入率が下がってしまいます。皆さんがネットでお買い物するときも写真を頼りに選ぶことが多いと思います。そのためメイン画像になる商品の写真は妥協せず用意しましょう。
続いてサブ画像についてです。
サブ画像は商品の説明にも使用することができるもので、商品自体の写真だけでなく商品や事業者の特徴を伝えるものなど色んなパターンの画像を添付できます。Amazonに出店されている多くの方がやっている方法としては、バナー広告のような形で商品の特徴をまとめたデザイン画像をサブ画像として添付する方法です。
先ほどお話したように説明文は別途記入する場所がありますが、やはり画像や写真、図形のような形のあるもので見せたほうが購入者には伝わりやすいです。ここでのポイントもタイトル、説明文と同じで「購入者のニーズ」を意識したものを作ることです。
先ほど同様に「CommercePickコーヒー」というドリップ式アイスコーヒーを例題にして考えてみます。
ドリップ式アイスコーヒーに限らず、ほとんどの商品についてライバル商品がいることが多いでしょう。同じような商品でもライバルよりも選んでもらうには「わかりやすいアピールポイント」を記載する必要があります。
まずは自分たちの商品がマッチする人はどんなことを考えていそうか想像してみるんです。
- 「基本的に毎日のようにコーヒーを飲む習慣がある」
- 「周囲の人間がコーヒーメーカーを買っているを見て、自分もインスタントだけじゃなく本格的なものを探そうと思っていた」
- 「とはいえ仕事が忙しく自分で豆を挽く時間はないが、気軽に美味しいコーヒーが飲みたい」
- コーヒー専門家が監修をした本格的な味と香り
- ドリップの形状は一般的な透過式ではなく、初心者が失敗しにくい浸漬式を採用
- ドリップのため水出しと違って氷さえあれば作ってすぐに飲むことができる
上記はあくまで架空の例題なので何点か挙げていますが、どちらかと言うと数多くよりも「わかりやすいアピールになっているか?」を意識してみて欲しいです。
後はイラストレーターやフォトショップなどで、テキストと画像を組み合わせてバナー作成のようにデザインをおこすだけです。デザインの作業は従業員の中で得意な方を探すか、クラウドソーシングや取引先で外注先を探したほうが良いかもしれません。
メイン画像と同じく、お金をかけたほうが良い作業です。とはいえ最近は写真撮影もデザインも手頃な価格で対応されている会社や個人の方が多いので安心してください。
購入者のレビューを活かす
続いてAmazonで商品の販売をスタートした後の施策として、購入者レビューの活用方法を紹介します。
購入者レビューと聞くと「クレーム」「アンチコメント」などを連想される方がいるかもしれません。確かにAmazonのレビューでもそのようなレビューが見かけられますが、私がいつもお話しているのは「どんな意見も情報の宝」だということです。
言葉通りのレビューもあれば、少し工夫すれば新たなアピールポイントとして商品ページを改善できる可能性もあるからです。
本章も引き続き「CommercePickコーヒー」というドリップ式アイスコーヒーを例題にしてみます。レビューに対する商品ページへの改善例としては以下のようなものです。
「ドリップ式は難しそうなイメージだったけど、とても楽に入れることができた。これなら毎日使えるので10個入りがすぐになくなってしまった。またリピートしたいです。」
→入数を増やした増量版を新しいSKUとして用意して売上の純増を狙う
「いつも飲んでいるブランドがあったが興味本位で買ってみた。自分は苦味の強いコーヒーが好きなのだが、この商品はどちらかと言うと苦味が少なめで酸味と甘味しか感じなかった。本格的と言われて少し期待したけど次回は買わない。」
→味の好みがミスマッチしないように、味のジャンルを5項目くらいに分けて評価したレーダーチャート図を作ってサブ画像として添付してみる
以上のような形で何となくイメージは伝わったでしょうか?
レビューの捉え方や施策に正解はないので、ぜひ複数人でざっくばらんに意見を出し合ってみましょう。
最後に
ネットで物を買うのが当たり前になりましたが、今一度ネットで商品を買ってもらうことの難しさを感じられたかもしれません。対面販売と違って主観や価値観をベースに買い物するので、どうしても商品の魅力や注意点を伝えるのが難しいです。いろいろと説明してきましたが、結局は購入者にとってわかりやすい内容を心掛けるということに尽きます。
「自分達の商品はどんな商品なのか?」ということを知ってもらうことを徹底するだけで、自然と販売実績が積み上がっていくはずですのでぜひ頑張ってください。
私が運営する株式会社LoremでもAmazonでのEC運営をサポートしていますので、もっと詳しく知りたいと思っていただけましたらホームページからお気軽にお問い合わせください。
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