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はじめに:Pinterestとは
Pinterestは、アイデアを画像や動画で発見・保存・整理できる“ビジュアル探索ツール”です。Pinterestでは、保存することを「ピンする」、その保存先を「ボード」といい、ユーザーは、WebサイトやPinterest上にある画像や動画をピンしてボードに収集できます。
2010年にアメリカで創業され、世界全体のMAU(月間アクティブユーザー数)は4億人以上でアイデアは3,000億以上、ボードの検索数は毎月50億回以上の巨大なプラットフォームです。
参考:https://newsroom.pinterest.com/ja/company
PinterestはSNSではない
SNSは、今起こっていることや過去に起きたことを「友達やフォロワーに発信する」ツールである一方、Pinterestは、未来の行動のために「アイデアを集める」ツールです。
ユーザーは自分の好きなものを探索し、その横、上、斜めにあるもの、というように、どんどん「好き」を広げていきます。Pinterestは、わくわくするアイデアが次々に見つかり、インスピレーションが広がる場所だということです。

日本では、毎日300万件ものアイデアがピンされている
2013年には日本語版がリリースされ、現在、日本のMAUは870万人(*2020 年12月ニールセン調べ)で、著名人を起用したテレビCMも話題となりました。コロナ禍では、グローバルと同じようにユーザー数が急増。
日本においては、直近2年間で検索数は2.4倍に、 ピンの保存数も1.6倍に増加し、生活のアイデアを探すユーザーが増えており、ユーザー数は急速に増加しています。(*Pinterest内部分析)
そんなPinterestは、2022年6月に日本での広告事業を解禁。ソウルドアウトでも、2022年5月よりβ版、6月1日より正式に広告運用サービスを開始しました。
Pinterestユーザーの特徴
Pinterestユーザーの特徴から、広告媒体としての有用性についてまとめます。
①非指名検索が97%。オープンな姿勢でアイデアを検索
特定のブランド名を含まない「非指名検索」が上位検索の97%を占めています。ユーザーはオープンな姿勢でアイデアを検索しており、認知度が低い商品・サービスであっても、ビジュアルをもとに知ってもらえる可能性が高いです。(*Pinterest内部データ、英語による検索、グローバル(2020年4月))
②ショッピングのための情報収集ツールとして活用
ユーザーはアイデアを見るためだけではなく、アイデアをもとに行動するためにPinterestにアクセスしています。
- 商品購入のアイデア探しにPinterestを利用するウィークリーユーザーの割合は、5人中3人
(*Reach3、米国、小売と消費財の購入パス調査、小売と消費財コンテンツを保存しているウィークリーユーザー内(2021年8月))
- Pinterestでの滞在時間のうち、ショッピングに費やした時間は25%以上
(*Pinterestによるグローバル分析調査(2020年5月))
③購買力のあるユーザーが多い
日本のユーザーの83% が買い物をすること自体が好きだと回答しています。(*ビデオリサーチ社 ACR/ex 2021(東京・大阪・名古屋), 過去1週間にPinterestを利用)
ほかのプラットフォームと比べても高い数字で、Pinterestには積極的に計画・支出・購入を行なう購買力のあるユーザーが多いといえます。
Pinterest広告はホリデーシーズンにおすすめ
ユーザーの特徴から、Pinterest広告の有用性をご紹介しました。その中でも特に、ハロウィンやクリスマス、お正月などのイベントが多いホリデーシーズンに広告の出稿をおすすめします。
オンラインで買い物をするユーザーが多い
Pinterestに集まるユーザーは、積極的にオンラインで買い物をしている人たちです。
- ユーザーの40%が「1年前と比べてオンラインショッピングが増えた」と回答
→ノンユーザーと比較して1.5倍
- ユーザーの29%が「今後自身のオンラインショッピングが増える」と回答
→ノンユーザーと比較して1.3倍
(*Global Web Index、Zaitgeistアンケート、日本、2022年5-6月、Pinterestマンスリーユーザー)
ユーザーはイベントの計画を早くから立て始める
ほかの検索エンジンと比較して、Pinterestユーザーはイベントの計画を早くから立て始める傾向にあります。
ホリデーシーズンのアイデアを見つけるために使われる
ホリデーシーズンの買い物をする人は、アイデア探しにPinterestを使うことが多いです。
- ホリデーショッパーの10人に8人が、「Pinterestはホリデー関連の新しい商品やブランドを見つけるのに役立つ」と回答
→ソーシャルプラットフォームより60%多い
(*TalkShoppe社によるホリデー調査、2021年ホリデーシーズン中にホリデーの買い物をしたPinterestウィークリーユーザーと他のソーシャルプラットフォームユーザーを比較(米国、2022年1月))
- ホリデーショッパーの4人に3人が、「Pinterestはホリデーのプランニングや買い物に役立つ」と回答
→ソーシャルプラットフォームより112%多い
(*Talkshoppe社、Pinterest マンスリーユーザーと非Pinterestユーザーの2021年冬季ホリデーシーズンの買い物を対象とした調査(カナダ、2021年4月))
Pinterest広告の配信事例
他社出稿が少なく、CPC・CPMが安価
まだ広告の出稿が少なく、全体的にCPC(クリック単価)やCPM(インプレッション単価)が安価という傾向があります。
配信事例:CTAボタンをつけると、CVRが約2倍に
中古車販売の案件での配信事例です。(*ソウルドアウト社内事例)
CPM・CPCがかなり安価で、CPAはほかのSNS広告と比較して40%に改善しました。

また、CTAボタンのありなしでクリエイティブ検証を実施しました。
「CTAボタンあり」は「なし」と比較してCVRが約2倍になり、CVは113%、CPAは82%に改善しました。
Pinterestでは、広告色が極力ないほうがいいものの、ほかのSNSと異なりCTAボタンがない仕様のため、アクションを促すCTAボタンを入れることが推奨されています。

Pinterest広告の運用TIPS
ターゲティング:推奨は「allreach」
ターゲティングの推奨は「allreach」、デモグラターゲティングです。まだPinterestのUU数も少なく、細かく設定し過ぎてしまうと広告がなかなか露出しないためです。
Facebook広告と同様に、ターゲティングを広めに設定し、クリエイティブでセグメントも兼ねてコンバージョン獲得を狙っていく方針での運用を推奨します。
また、広告カテゴリによって、ターゲティングに関して追加の制限が適用されるので注意が必要です。下記のカテゴリでは、類似ターゲティングや年齢層、性別、郵便番号をターゲティングオプションとして使用したり、保護対象のグループを除外したりすることはできません。
- クレジット:クレジットカード、住宅ローン、ローンなどのクレジット商品をプロモートする広告
- 人材募集:仕事などの採用情報をプロモートする広告(正社員、パートやアルバイト、在宅雇用などを含む)
- 住宅:土地や住宅など不動産物件の購入、販売、賃貸をプロモートする広告
*引用:広告ガイドライン | Pinterest Policy
ですので例えば、不動産案件の場合は下記のようになります。(*ソウルドアウト調べ)
- 年齢→設定不可(18歳以上)
- 性別→設定不可(男性・女性・どちらでもない)
- 場所→都道府県単位で可能、郵便番号は不可
- ターゲティング→インタレスト・リターゲティングは可能、類似関連は不可
アカウント:推奨は「1アドセットにつき2~4本の広告」
1アドセットにつき2~4本の広告の配信を推奨します。また、1アドセットあたり毎週40CV以上あると学習が効きやすいです。(※Pinterestのみではなく、全経由でOK)
遷移先:直LPが効果的
Pinterestの出稿例として多いのは直LP(記事LPやアンケートLPではない商品LP)です。クリエイティブとLPに一貫性があることが、より効果的であるというデータも出ているようです。
広告フォーマットの種類:CV目的は4種類

- スタンダードピン
Pinterest 上で多く見かけることができる一般的なピン。 - スタンダード動画
動画フォーマットはホームフィードや検索フィード内でもユーザーの目を引きやすく、エンゲージメントの向上に役立ちます。動画ピンは様々なカテゴリでストーリーを伝えるコンテンツとしておすすめです。 - カルーセル
1つのピンに複数の画像が含まれたピン。左右にスワイプし異なる画像を表示することが可能です。 - コレクション
メインの画像に関連する商品の画像がタグ付けされたピン。モバイルデバイスのフィードで、3枚の画像とその上のメイン画像の形で表示されます。
自社商品を取り扱う広告主さまにおすすめしたいのが、データフィードを活用した「ショッピングアド」です。(※不動産や人材、楽天市場のようなマーケットプレイスはNG)
*参考:ショッピングアドを作成する | ビジネス向け Pinterest ヘルプ
広告出稿の際の注意点
- 事前に商材の掲載可否が必要。
- LP、テキスト、画像については、入稿後に審査開始(最大24時間)。
- 広告配信には「ビジネスアカウント」「アドアカウント」の2点が必要。広告主が作成し、代理店のビジネスアカウントに紐づける。
- 事前にウェブサイト認証の設定を推奨。
認証アカウントのメリット
- プロフィールページに認証マークがつく。
- Pinterestが提供する『アナリティクス』の機能が拡張される。
- Pinterest以外のHP上へもPinterestのピンが設置できる。
*参考:サイトのドメイン所有権を認証する | ビジネス向け Pinterest ヘルプ
さいごに
今年6月より国内での広告配信が始まったPinterest広告。コロナ禍でユーザー数が急増し、さらに新CMの放映により盛り上がっているプラットフォームです。
記事の中で述べた通り、Pinterest広告は、非指名検索が上位検索の97%を占めており、ブランド名に関わらず、コンテンツがマッチすればユーザーがそのコンテンツに出会える可能性が高く、まだまだCPM・CPCともに安価にチャレンジできる媒体です。特に中小企業さまにはうまく活用していただきたいと考えています!
また、Pinterestは、ダイエットに関する広告を全面的に禁止するなど、目先の広告収入より、ユーザーを大切にする姿勢があります。多くのユーザーに愛されるのは、そういった企業文化が背景にあるのかもしれません。ソウルドアウトは、Pinterestが徹底する「ユーザーファースト」という同じ志をもち、ともにSMB市場を開拓していくパートナーとして、取り組みを強化しています。
▼“ユーザーファースト”を徹底するPinterestとソウルドアウトは、同志となって地方中小の商品・サービスを全国へ世界へと届けていく
https://note.com/soldout_official/n/n7fd159ec4017
デジタルマーケティングに関するお困りごとは、ソウルドアウトまでお気軽にご相談ください!
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