株式会社帝国データバンクが、2026年8月以降の飲食料品における値上げ動向と今後の展望・見通しに関する分析結果を公表しました。

※2026年7月31日9時時点で一部図表データの差し替えが実施されています

調査結果の概要

2026年8月における飲食料品の値上げは、合計で2311品目に達したことが明らかになりました。

2026年通年における値上げ品目の総数は、1月から11月までの判明している分で1万8347品目となっています。調査開始年である2022年以降、5年連続で年間1万品目を上回る結果となっています。通年の最終的な値上げ品目数は、前年実績である2万609品目を超える可能性が示されています。

[注記事項]

品目数および値上げに関するデータは、各企業の発表内容に基づいています。また、年内において複数回の値上げを実施した品目については、それぞれを別の品目として集計されています

値上げ率については発表時における最大値が採用されています。なお、価格を据え置きながら内容量を減らす「実質値上げ」も対象として含まれています

2026年の値上げ状況、2万品目ペースで推移 中東情勢起因が全体の25%を占める

主要な食品メーカー195社を対象とした、家庭用を中心とする8月の飲食料品値上げは2311品目となり、1回あたりの平均値上げ率は月平均で15%という結果になりました。単月における値上げ品目数が2千品目を超えるのは、2026年7月の2664品目に続いて2カ月連続となります。8月単月の品目数は、前年同月の1262品目から8割増と大幅に拡大したほか、集計開始年である2022年に次いで過去2番目に多い水準を記録しました。

中東地域における情勢の悪化に伴う原油・ナフサ価格の高騰が、トレーやフィルムといった資材価格や原材料費、物流コストなどに影響を及ぼし、値上げ品目数を大きく押し上げる要因となったとされています。

2026年8月の値上げを食品分野別に分類すると、最も多いのはハム・ソーセージなどの食肉製品をはじめ、カップ麺、缶詰製品、鏡餅製品などを含む「加工食品」で1419品目となりました。前年同月の188品目から約7倍と大幅な増加を示したほか、8月単月としては2022年の2013品目以来の高い水準となっています。続いてだし製品などの「調味料」が589品目、ゴマ製品や小麦粉、砂糖などの「原材料」が276品目という結果になりました。

2026年通年における飲食料品値上げ品目数の累計は、1月から11月までの判明分で1万8347品目となりました。調査を開始した2022年以降、5年連続で年間1万品目を超える見込みとなっており、前年の2万609品目を上回る可能性があります。8月以降では、9月が4531品目と単月で4千品目を超え、2026年内としては最多となったほか、単月としても2023年10月の4758品目以来の水準となるなど、大規模な値上げラッシュとなっています。10月も2720品目と、前年10月に続いて単月で3千品目を超える見通しとなっています。

値上げ品目数の推移

年間の値上げ品目数を食品分野別に集計した結果、最も多いのは冷凍食品やパック米飯などの「加工食品」で6667品目に達し、前年の通年実績値である4791品目を約4割上回りました。「調味料」は5197品目となり、だしやたれ製品、醤油製品などが対象となっています。「酒類・飲料」は3274品目で、第三のビールや発泡酒、輸入ワイン、焼酎・日本酒などのアルコール類に加え、コーヒーや清涼飲料水も対象に含まれています。「菓子」は1219品目で、原材料のほか包装パッケージなどのコスト増加を背景として、今春以降に値上げが相次いでいます。

値上げの要因を分析すると、「原材料高」の影響を受けた値上げが90.9%を占め、全要因の中では最も高い割合となっていますが、3月以降は低下傾向で推移しています。「物流費」は65.8%で、中東地域における情勢の悪化による原油高などの影響を受けています。「包装・資材」は64.0%で、トレーや容器などナフサ由来の資材価格高騰などを背景に、高い水準での推移が継続しています。また、中東発の国際情勢の混乱による影響が要因となった値上げ(「中東情勢」)は27.8%を占め、全体の約3割という結果になりました。

値上げ要因の分析

2026年の見通し: 中東発の値上げラッシュ、今秋にピークを迎える見通し

米国とイスラエルによるイランへの攻撃によって急激に高まった中東地域における地政学的リスクと、ホルムズ海峡の混乱に端を発した国内における石油製品の供給不安による影響が、食料品においても表面化してきています。インクや食品フィルム、トレー類などにおける大幅な値上げや品薄状態による包装資材のコストアップに加えて、電気代などのエネルギーコスト、物流費、原材料高も反映され、多くの食品メーカーにおいて製品価格への転嫁を進める動きが広がっています。足元の状況では、中東情勢の不透明感が再度強まっており、原油価格の高止まりが続いているほか、1米ドル160円を超える歴史的な円安にも歯止めがかからず、輸入コストの上昇が再び強く影響する兆しも見られています。異常気象による農水産・畜産品の不作・生育不良も懸念されるなど恒常的なインフレ圧力も根強く、価格の引き上げで対応せざるを得ない局面が当面継続するものと見られています。

足元の状況では、政府が食品に対する消費税率を8%から1%に引き下げる方針を表明しました。実現すれば、家計における食費負担を一定程度軽減する効果が期待できます。ただし、食品値上げの主な要因が原材料のほか物流、資材、人件費といった「粘着質」なコスト要因で占めている中で、飲食料品の値上げ圧力を直接的に抑制する効果は限定的となる可能性もあるとされています。

飲食料品価格は今後も中東情勢や為替動向など外部環境の影響を受けやすい状況が継続し、2026年後半にかけても断続的な値上げが継続すると見られています。年間の値上げ品目数は前年並みとなる2万品目台での推移が見込まれており、前年累計を上回る可能性もあるということです。

出典元:株式会社帝国データバンク プレスリリース

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