
SNS分析レポートサービス「SocialReport」を展開する株式会社hashoutが、2026年1月から6月にかけてX上で観測された大規模プレゼントキャンペーンについて、業種別の拡散実績を分析した調査結果を発表しました。
この調査では、告知投稿がいいね5,000件以上を獲得したプレゼントキャンペーン2,600件を対象に分析が実施されました。その結果、小売・EC業種によるキャンペーン204件は、リポスト数の中央値が39,791件となり、その他の業種(中央値20,971件)と比較して約1.9倍という高い数値を記録したことが明らかになりました。また、表示回数の中央値では約3.1倍もの差が生じており、小売・EC業種の拡散力が他業種と比べて際立っていることが確認されました。
調査に利用されたツールについて
今回の調査には、SNS分析レポートサービス「SocialReport」が使用されました。同サービスは、X(旧Twitter)やInstagramを対象としたSNS分析を提供しています。
なお、調査結果からは、この高い拡散力を支えているのがコンビニエンスストア大手企業による「自社商品」を賞品としたキャンペーンであることも判明しました。以下、詳細な分析結果についてご紹介します。
観測対象となった母集団と月別推移
今回の調査対象は、2026年1月から6月までの期間にX上で観測された、告知投稿がいいね5,000件以上を獲得したプレゼントキャンペーン2,600件(全数)です。月別の件数を見ると、1月が508件と最多となり、2月以降は月366件から455件の範囲で推移しました。1月に件数が増加した背景には、新年の挨拶やお年玉企画に関連したキャンペーンが集中したことが影響していると考えられます。
小売・EC業種はリポスト中央値で全業種の1.9倍を記録
調査対象となった2,600件のキャンペーンのうち、小売・EC業種は204件で、全体の約8%を占めていました。この204件におけるリポスト数は、中央値39,791件、最大226,462件という結果になりました。小売・EC以外の2,396件(中央値20,971件)と比較すると、約1.9倍の水準となっています。さらに表示回数では、中央値約150万回を記録し、その他の業種(中央値約48万回)の約3.1倍に達しました。
小売・ECと他業種のリポスト数中央値の比較(2026年1月〜6月・n=2,600)
拡散力が他業種と比較して突出している傾向は、リポスト数と表示回数の両指標で一貫して見られました。ただし、表示回数に関しては、セブン‐イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンといったコンビニエンスストア大手による大規模キャンペーンが中央値の10倍以上の表示回数を達成しており、平均値はこれらの案件によって大きく押し上げられています。そのため、本調査では突出した案件の影響を受けにくい中央値を基準として採用されています。
拡散力の核となる「自社商品」を賞品としたキャンペーン
小売・EC業種の内訳を賞品の種別で分析すると、傾向はより明確になります。自社商品を賞品としたキャンペーン90件では、リポスト数の中央値が86,099件となり、業種全体の中央値39,791件を大幅に上回りました。一方、コラボグッズを賞品としたキャンペーン17件では、中央値10,949件にとどまっています。
小売・EC業種内 賞品種別ごとのリポスト数中央値(3件以上の種別を掲載)
デジタルギフトを賞品としたキャンペーン30件は中央値42,820件、QUOカードを賞品としたキャンペーン19件は中央値36,947件と、金券やデジタルギフト系も一定の拡散効果を得ています。しかしながら、自社商品を賞品としたキャンペーンの水準はこれらを大きく上回っており、小売・EC業種においては「自社が取り扱う商品そのものを賞品にする」という設計が、拡散の観点で優位性を持つことが示唆されています。
また、上位のキャンペーンはコンビニエンスストア大手の公式アカウントが占めており、店頭で受け取ることができる自社商品を賞品にした設計が、フォロワーの参加意欲と強く結びついている可能性があると分析されています。
キャンペーンを企画する企業への示唆
今回の調査結果は、小売・EC業種でキャンペーンを企画する企業にとって、複数の判断材料を提供するものとなっています。まず、拡散を主な目的とする場合、汎用的なギフト券やコラボグッズよりも、自社が取り扱う商品を賞品として設定するほうが、中央値の水準は高くなる傾向が見られます。賞品調達にかかるコストと拡散効率を比較検討する際の、ひとつの目安になると考えられます。
一方で、コンビニエンスストア大手のような大規模な到達数は、もともと保有しているフォロワー基盤や店舗ネットワークに支えられている側面があります。中央値で確認された拡散力は業種特性として参考にできますが、最大値の水準をそのまま自社の目標値として設定するのは現実的ではありません。自社の規模に近い水準として、中央値を基準にすることが実務的であるとされています。
調査を終えての総括
今回の調査で改めて明らかになったのは、「何を配布するか」が拡散の規模に直結しているという点です。小売・EC業種の強みは、汎用的な金券ではなく自社商品を賞品にできるという、この業種ならではの構造に支えられていました。賞品の選択によって拡散の中央値が数倍変化するという事実は、キャンペーンを企画するすべての担当者にとって示唆に富む知見であると言えます。
調査概要
調査主体:株式会社hashout(SNS分析レポートサービス「SocialReport」)
調査方法:SocialReportが収集した公開投稿データの統計分析
対象期間:2026年1月1日から2026年6月30日
対象:X上で観測された、告知投稿がいいね5,000件以上を獲得したプレゼントキャンペーン2,600件(全数。うち小売・EC業種204件)
出典元:株式会社hashout














