
株式会社 Hakuhodo DY ONEは、Googleが提供している次世代の広告取引モデル「Buyer Direct」において、株式会社フジテレビジョン、関西テレビ放送株式会社、株式会社紀文食品と協力し、コネクテッドTV(CTV)を含めた動画広告在庫を活用した実証実験を行ったことを発表しました。
この実証実験では、紀文食品の「The SURIMI」ブランドのCMクリエイティブを使用し、フジテレビと関西テレビが持つ動画広告在庫において、アドサーバー側で一元的にフリークエンシー制御を実施したとのことです。その成果として、従来の配信方法と比べて、同一ユーザーへの過度な重複接触を抑えながら、新規ユーザーへのユニークリーチ数が約20%増加したということです。
実証実験の背景
近年、インターネット経由の動画配信(OTT)サービスが急速に広がり、CTVが普及したことで、生活者による動画視聴体験は多様化してきています。スマートフォンやタブレット、PCに加えて、大画面のテレビでストリーミング視聴をすることが日常的になっている状況において、放送局とプラットフォームをまたいだ動画広告配信の重要性が一層高まっています。
その一方で、従来の純広告を使った動画配信においては、放送局やデバイスごとに広告配信が個別最適化されるため、複数媒体を横断した一元的なフリークエンシー(広告接触頻度)管理が難しく、同じユーザーに対して同じ広告が重複して露出されやすいという問題がありました。これは、生活者のブランド体験を損ねるだけでなく、広告予算の最適な活用を妨げる原因となっています。
同社は、このような課題に対して、Googleが構築した直接取引のインフラである「Buyer Direct」を用いて、プレミアムな動画掲載面における「取引経路の最短化」と「横断的なフリークエンシー制御の最適化」に取り組んできました。今回実施した実証実験では、フジテレビと関西テレビの動画広告在庫、そして紀文食品のブランドクリエイティブを組み合わせることで、「Buyer Direct」の効率性と有効性を検証したとのことです。
実証実験の詳細内容
本実証実験では、GoogleのアドサーバーであるGoogle Ad Managerとダイレクトに接続する「Buyer Direct」を通じて、フジテレビと関西テレビの動画広告在庫に、紀文食品による「The SURIMI」ブランドのCMを配信しました。
実施概要
実施期間は、2026年6月16日から2026年6月25日までとなっています。対象メディアは、フジテレビと関西テレビが保有する動画広告在庫(TVer面を含む)です。検証方法としては、「横断フリークエンシー最適化」を適用したグループと、適用しない通常配信グループを対照的に比較しました。配信環境は、CTV、PC、スマートフォン、タブレットとなっています。
主な検証結果
新規ユーザーへのユニークリーチが約20%向上
通常、媒体ごとに発生しやすい同じユーザーへの重複接触を、アドサーバー側で自動的に制御することによって抑制しました。重複を抑制することで生まれたインプレッションを、自動的に「まだ接触していない潜在ユーザー」へと振り分けた結果、全体における新規ユーザーへのユニークリーチ数が約20%向上する結果となったとのことです。
CTVを核としたクロスデバイス配信基盤の確立
CTV、PC、スマートフォン、タブレットを横断したマルチデバイス配信を実施しました。特に高い注視環境が期待されるCTVにおいて、総インプレッションに占めるCTV比率は、フジテレビで約40%、関西テレビで約47%となり、CTVを核としたクロスデバイス最適化の有効性が確認されました。
統合フリークエンシーの一元管理による効率的な広告配信の実現
「Buyer Direct」を活用することにより、フジテレビと関西テレビ、そして全デバイス間におけるフリークエンシーの一元管理を実施しました。配信量を確保しながら既存露出の重複を抑え、未接触の新規ユーザーへより効率的なアプローチを実現しています。
今回の検証は、TVer面を含むプレミアムな動画視聴環境において実施されており、フリークエンシーを適切に制御しながらユニークリーチの最大化を目指す「Buyer Direct」の有効性を示す結果となりました。テレビとデジタルを横断する「テレデジ」領域において、予算効率と認知拡大を両立する新しい手段としての示唆を与えるものです。
各社からのコメント
株式会社フジテレビジョン/デジタル戦略統括室 部長 土屋尚様
コネクテッドTV等が普及することで生活者の視聴スタイルが多様化している中、テレビならではのブランドセーフティな環境で優良なコンテンツを届けることがこれまで以上に重要視されています。今回の実証実験では、Googleの「Buyer Direct」を通じて複数局をまたぐ過剰な重複接触を防ぎ、広告主と生活者双方にとってノイズのない心地よいブランド体験を提供できることが実証されました。メディア本来の価値を正しい形で届け、信頼性の高い動画エコシステムを持続させるため、今後も最適な広告体験の提供と技術検証を推進していきます。
関西テレビ放送株式会社/営業局 業務推進部 冨松修平様
従来の動画配信では、配信プラットフォームやデバイスごとの「データのサイロ化」が広告配信の最適化を阻害する構造的な課題となっていました。今回の実証実験では、アドサーバー直結のインフラを活用し、大画面を含むCTV環境において重複を最小限に抑え、未接触の潜在ユーザーへ効率的に広告を届ける優れたパフォーマンスを導き出すことができました。将来的なエージェンティック広告時代を見据え、デバイスに依存しない次世代の直接取引インフラ構築に今後も貢献していきます。
株式会社紀文食品/セールス・カテゴリー推進室 コミュニケーション企画部 部長 堀内慎也様
当社では「The SURIMI」商品CMを通じて、新しい食の価値を広く生活者の皆様へ届けることを目指しています。今回の先進的な実証実験に参画できたことを大変嬉しく思います。大画面テレビを中心とした質の高い視聴環境の中で、過剰な重複を避けて多くの新しいお客様に当社のメッセージを届けられたことは、ブランド認知を広げる上で非常に理想的な結果となりました。今後もこのような技術革新を通じて、生活者の皆様とのより良いコミュニケーションを築いていきたいと考えています。
株式会社 Hakuhodo DY ONE/シニアエグゼクティブ メディアソリューション本部長 砂田和宏
今回の実証実験は、放送局が持つ信頼性の高いプレミアムな広告接点において、生活者一人ひとりに対して適切な接触頻度でブランドのメッセージを届けることで、広告体験の質を高めながら効率的にリーチを最大化できる可能性を示すものとなりました。「Buyer Direct」による最短経路での接続は、コスト効率と新規リーチ最大化の観点でも有効であり、将来的にAIエージェントが自律的に広告主の意図と媒体価値を評価して取引を行うエージェンティック広告時代の強固なインフラ基盤の一つになると考えています。
今後の展開について
同社は、今回の実証実験で得られた知見をもとに、今後さらに放送局やプレミアムパブリッシャーとの接続アライアンスを拡大し、CTV/OTT動画広告領域における次世代の直接取引インフラの整備を進めていくとしています。また、博報堂DYグループの横断的なAI専門家集団HCAI Professionalsの活動の一環として、広告主や媒体社のビジネス要件をAIが自律的に理解しリアルタイムに配信最適化を行うエージェンティック広告の社会実装に向け、Googleと連携した高度な技術開発および媒体社向け支援を継続的に推進していくということです。
出典元:PR TIMES



















