推し活の「遠征」実態調査、6割以上が経験あり 1回平均5.9万円の消費で地域経済にも波及

調査実施の背景

ライブや舞台、試合、各種イベントなど、推しに会うために日本全国へ足を運ぶ「遠征」は、推し活における主要な消費行動の一つとなっています。

最近では、推し活をきっかけとして地方都市を訪れ、観光やグルメもあわせて楽しむという新しいスタイルが定着しつつあります。その一方で、交通費や宿泊費などの負担も大きく、ファンにとっては時間面・金銭面の両方で覚悟が必要な行動でもあります。

そこで今回、推し活層がどのくらいの頻度で遠征をしているのか、1回あたりどれほどの費用をかけているのか、そして遠征先での行動実態について調査・分析が行われました。

調査概要

集計期間は4月6日から4月8日までの3日間で、有効回答数は664件となっています。

調査はInstagram「推し活応援メディアOshicoco」をフォローしている推し活層を対象として実施されました。

本調査では、株式会社Oshicocoの調査サービス「推しペディア」が活用されています。

遠征経験者は全体の6割超

推し活層に対して「遠征体験」の有無について調査したところ、全体の6割以上が「遠征したことがある」と回答する結果となりました。

この結果から、遠征は一部のコアファンだけに限定された特別な行動ではなく、推し活層全体に広く浸透した定番の行動になっていることが明らかになっています。

遠征頻度は年2から3回が最多、年10回以上の層も存在

推し活で遠征する回数を1年単位で調査した結果、最も多かったのは「年2から3回」で34.7%でした。次いで「年1回」が22.1%、「年4から5回」が21.1%と続いており、多くの推し活層にとって「遠征」が年に複数回発生する定番行動となっていることが読み取れます。

一方で、「年10回以上」遠征する高頻度層も約19%存在しており、推しの活動量や全国ツアー、試合日程に合わせて積極的に移動している層の存在も確認されました。

1回の遠征で平均約5.9万円、2割弱が10万円超えの高額消費

遠征1回あたりの平均費用を調査したところ、最も多い回答は「3から5万円」で33.7%となりました。

また、各回答選択肢の中央値をもとに平均を算出すると、1回あたり平均約5.9万円という結果になっています。

さらに、特に注目すべきは高額消費層です。「10から20万円」が6.3%、「20万円以上」も6.3%と、全体の約1割強が1回の遠征で10万円以上を投じていることが分かりました。

交通費や宿泊費に加えて、現地でのグッズ購入や複数公演への参加が重なることで、遠征が推し活の中でも特に大きな支出イベントになっていることがうかがえます。

※平均金額は、各回答選択肢の中央値(「20万円以上」は20万円として算出)をもとに加重平均を算出した推計値です。実際の平均額はこれを上回る可能性があります。

遠征費で最も負担が大きいのは交通費

遠征費の内訳で最もお金がかかるものを聞いたところ、「交通費」が53.7%でトップとなりました。

次いで「グッズ・物販」が30.5%、「宿泊費」が9.5%と続いています。

推し活遠征では、イベント参加そのもののチケット代よりも、推しに会いに行くための移動コストが最大の壁になっていることが分かります。

全国ツアーや地方公演、スポーツのアウェイ観戦、さらには海外公演への参加など、推し活における遠征機会の広がりを背景に、遠征消費の中でも交通費が大きな割合を占めている実態が明らかになりました。

遠征は観光消費にも波及、約6割がご当地グルメを楽しむ

遠征のついでに推し活以外でやることを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「地元グルメ・飲食を楽しむ」で60.0%でした。

そのほか、次のような行動が続いています。

  • 観光スポットを巡る(37.9%)
  • ショッピング・買い物をする(37.9%)
  • 聖地巡礼をする(35.8%)
  • 遠征仲間と打ち上げ・食事をする(31.6%)

これらの結果から、遠征が単なるイベント参加にとどまらず、地域消費や観光行動を強く生み出していることが分かります。

推し活を起点に、飲食・観光・小売など周辺産業への経済効果が広がっている点は、自治体や観光事業者にとっても注目すべきポイントとなっています。

遠征先は東京・神奈川・大阪・愛知が上位、大都市圏への集中が顕著

遠征経験のある地域を聞いたところ、東京都が61.1%で最多となり、次いで神奈川県・大阪府が各46.3%、愛知県が45.3%と続きました。

さらに、福岡県・千葉県・埼玉県も上位に入り、ライブ会場・アリーナ・劇場・スタジアムが集中する大都市圏への移動が活発であることが分かります。

上位10位には宮城県や静岡県、兵庫県もランクインしており、全国ツアーや地方公演によって地方中核都市にも大きな送客効果が生まれている実態が見えてきました。

遠征の理由はシンプルに推しに会いたいから

自由記述で遠征に行く理由を聞いたところ、最も多く見られたのは「遠くても推しに会いたい」「現場に行きたい」「その瞬間を直接見届けたい」といった、非常にストレートな推しへの愛でした。

交通費や時間の負担が大きくても、推しに直接会える価値はそれを上回るというものです。

そんな推し活層ならではの強い動機が、平均約5.9万円という高額消費を支えているようです。遠征は単なる移動ではなく、推しとの思い出を作るための体験投資と言えそうです。

出典元:株式会社Oshicoco

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