オンラインショップにおけるついで買いに関する調査レポート(2025年版)
この記事の執筆者

株式会社TOKYO GATE

株式会社TOKYOGATEは多くの過去実績を保有するECのプロフェッショナルが集うECマーケティングの専門家集団です。マーケティング戦略の立案から施策の実行、PDCAまでを総合的に支援します。

成功事例に基づいた確実性の高いコンサルティングが特徴で、提案した施策を速やかに実行できる体制を整えています。EC・D2Cに関してお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

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はじめに

多くのEC事業者にとって、顧客単価の向上は事業成長に直結する重要な課題です。

その有効な手段の一つが「ついで買い」の促進です。ついで買いを増やすためには、ユーザーがどのような理由で追加購入するのか、どんな商品を選びやすいのか、こうした実態の把握が出発点となります。

しかし、実際にはついで買いに関するデータを施策に落とし込めている事業者は多くないのが現状です。

本レポートでは、オンラインショッピングにおける「ついで買い」の実態を、アンケートを通じて調査し、分析しています。購入理由、商品ジャンル、男女別の傾向など、より精度の高い販売戦略を立案するための参考データとなっています。

本調査の結果が、貴社のEC事業の成長に少しでもお役立ていただければ幸いです。

調査方法

株式会社TOKYO GATEでは、2025年4月24日から2025年5月4日にかけて、オンラインショップで購入経験のある18-70歳の男女426人を対象に、オンラインショッピングにおけるついで買いに関するアンケートを実施しました。

調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2025年4月24日から2025年5月4日
調査対象 18〜70歳以上の男女
サンプル数 426名

サマリー

  1. オンラインショップ利用者の約82%が「ついで買い」の経験があり、ECにおける極めて一般的な購買行動であると言えます。
  1. ついで買いの経験が「何回もある」と回答したユーザーは全体の約30%にのぼり、女性の約35%、男性では約23%と、女性が12ポイント高い結果となりました。
  1. ついで買いの最大の理由は「送料無料に達するため」であり、約57%の回答者がこれを挙げています。
  1. 女性がついで買いを行う理由としては、「送料無料に達するため」に加え、「キャンペーン」「クーポン」が挙げられ、経済的インセンティブによるついで買いが大多数を占めます。
  1. よく一緒に購入される商品や、過去に閲覧した商品が提案されたためついで買いを行うユーザーは比較的少数で、影響は限定的と考えられます。
  1. ついで買いをされやすい商品ジャンルは、男女ともに「日用品」「食料品」が上位を占めています。
  1. 男女別では、女性はファッションジャンルが多数を占め、男性は本・ゲームのジャンルでついで買いの経験が多い結果となりました。

ついで買いをした経験

オンラインショップにおける「ついで買い」の経験について調査した結果、全体の約82%が経験者と多数を占めており、ついで買いは既に一般的な購買行動として定着していると言えます。これは、ついで買いを促進する施策の実施によって、さらなる追加購入が期待できることを示しています。

商品ページ閲覧時に、よく一緒に購入される商品やセット販売を提案することで、購買意欲の高いユーザーに、ついで買いを促せます。また、商品の使用シーンや組み合わせによる便益を具体的に伝えることで、提案の説得力が高まります。例えば、コーヒー豆の購入者に対して「よく一緒に購入されています」という表示だけでなく、「この豆の繊細な風味を引き出すフィルター」といった文脈を持たせた提案が効果的でしょう。

ついで買いをした経験(男女別)

オンラインショップにおける「ついで買い」の経験について男女別に調査した結果、5回以上の経験を持つユーザーの割合は、女性が約35%であったのに対し、男性は約23%と、女性が12ポイント上回りました。女性のついで買い経験率が高い背景には、商品閲覧時間の長さや、複数の商品を比較検討する傾向が強いことが考えられます。一方男性は、目的の商品のみを閲覧する傾向や、購入までのスピードを重視する傾向があるため、ついで買いの経験率が低いと考えられます。

女性に対しては、すでについで買い発生頻度が高く、経験のあるユーザー割合も多いため、関連商品や単価の低い商品を目立たせることで、さらなる客単価アップを期待できるでしょう。男性に対しては、セットで購入した際の価格的メリットや、付帯するサービス、保証などについて、価値を明確に訴求することが重要と考えられます。

ついで買いをした商品ジャンル

オンラインショップでついで買いをした商品ジャンルを調査した結果、「日用品」「食料品」「ファッション」といったジャンルに回答が集中し、一方で「家電」「パソコン」などは下位に留まりました。この傾向は、ついで買いの発生が、商品の価格や購入頻度といった心理的なハードルの低さに強く影響されることを示唆しています。日用品のように安価で頻繁に購入する商品は追加購入されやすい一方、高額商品は、追加の購入に至りにくいと考えられます。

調査結果を踏まえ、各商品カテゴリーの特性に応じた施策を展開することが重要です。日用品・食料品といった既についで買いが多発しているカテゴリーについては、ついで買いによる売上拡大の見込みが大きいため、関連商品の提案やセット組での割引などの提案が有効と考えられます。パソコン・家電といった高額商品については、本体のついで買いは期待しにくいため、低価格商品を商品ページに表示したり、保証などのサービスメニューを用意すると良いでしょう。

ついで買いをした商品ジャンル(女性)

ついで買いをした商品ジャンルについて、女性の回答を集計した結果、「ファッション」と「化粧品」の回答数が、男性と比較してそれぞれ1.5倍以上と顕著に高い数値を示しました。

ファッションジャンルは、商品同士の関連性が強く意識されるカテゴリーのため、複数のアイテムがまとめて購入されやすいと考えられます。またビジュアル要素が強いジャンルの特性から、魅力的な画像が表示されることで、視覚的に購買意欲が喚起されやすいという特性もあります。商品ページにおいては、商品を組み合わせたコーディネートの提案や、小物など低価格商品の表示によりついで買いを誘発できるでしょう。また同時購入で送料無料になる商品を表示することで、コンバージョン率を高められます。

ついで買いをした商品ジャンル(男性)

男性がついで買いをした商品ジャンルについて調査した結果、女性と同様、日用品や食料品といった生活必需品が上位を占める一方、「本・ゲーム」関連が3位にランクインしました。このジャンルは女性の回答では5位であり、商品ジャンルに男女の明確な傾向差が見られます。また、パソコン、家電などのジャンルにおいても女性に比べ上位となっており、機能性と実用性を重視する志向が垣間見えます。

全体の回答数が女性に比べ少ない点から、男性のついで買い件数は女性よりも少なく、より選択的・限定的に追加購入を行っていることが推測されます。これは、男性が「必要なものを必要なだけ購入する」という効率的な購買スタイルを好むためと考えられます。この傾向を踏まえ、男性向けの提案では、感情的な訴求ではなく、論理的・機能的なメリットを明確に示すなど、女性向けとは異なるアプローチが必要でしょう。

ついで買いをした理由

オンラインショップでついで買いをした理由について調査した結果、「送料無料に達するため」が全体の60%近くを占め突出し、次いで「キャンペーンの条件を満たすため」「クーポンの適用条件を満たすため」が続きました。上位3つが経済的インセンティブに関連する理由であり、消費者は「ついで買い」を「お得に買う合理的な購買行動」として捉えていることが示されました。

よく一緒に購入される商品や、過去に閲覧した商品の提案も一定の効果を発揮していることがわかりますが、送料無料ラインと比較すると、その影響力は限定的です。これは、レコメンデーション単独では購買動機として弱く、経済的インセンティブと組み合わさることで相乗効果が得られることを示唆しています。そのため、適切な送料無料ラインの設定を中核としつつ、キャンペーン、クーポン、レコメンデーション、セット提案などを組み合わせることで、効果的なついで買いを促進できるでしょう。

ついで買いをした理由(女性)

女性がついで買いをした理由について調査した結果、「送料無料のため」という回答が最多で、その他の結果も全体の調査結果と同様になりました。

最低購入金額を設定したクーポンは、ついで買いに特に効果を発揮するでしょう。例えば、2,500円の本商品と、500円のクロスセル商品を用意し、「3,000円以上の購入で300円OFF」というクーポンを発行すれば、多くのユーザーは「どちらも買ってクーポンを使うほうが得だ」と判断するでしょう。このような最低購入金額の設定により、クーポン使用率を上げ、ついで買いを促進することが可能です。設定において重要なのは、条件達成が「あと少しで届く」レベルに設定されていることです。あまりに高いハードルや、低すぎる条件は追加購入率を下げてしまいます。自社商品の価格帯に合わせた適切な価格設定により、ついで買いを促進しましょう。

ついで買いをした理由(男性)

男性がついで買いをした理由について調査した結果、クーポンに対する反応に女性との差が見られます。女性はクーポンを、お得な買い物の機会として積極的に活用する傾向が強いのに対し、男性はより慎重に必要性や実質的なメリットを判断する傾向があるのかもしれません。

キャンペーンの条件では男女差が小さい一方、クーポンでは大きな男女差があることから、男性はクーポンの取得・利用を手間に感じる傾向があることも考えられます。そのため、男性にはクーポン配布よりもキャンペーン告知を優先的に行うことで、ついで買いを促進できる可能性があります。他にも、「初回購入特典を適用中」など、ユーザーが何もしなくても特典が適用されることを明示すれば、ついで買いの誘発に寄与するでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

本調査を通じて、ついで買いが多くの場合「お得に買いたい」という動機に基づいていること、そして追加購入される商品の傾向には男女差が存在する実態が明らかになりました。

女性はファッションや化粧品においてついで買いする傾向が強いですが、男性は本やゲームジャンルにおいてついで買いをする傾向があります。

ついで買いの最も強力な動機は、性別を問わず「送料無料に達するため」であることがわかりました。また、キャンペーンも大きな動機になることは男女で共通する一方、クーポンへの感度は女性が顕著に高いことも判明しています。男性のクーポンに対する感度の低さは「手間」という心理的障壁が影響している可能性が示唆されました。

こうした知見は、EC事業者が一律の施策ではなく、ターゲットの特性を深く理解し、それぞれの顧客ニーズや購買心理に合致した商品選定と訴求方法を設計する上で、重要な指針となるはずです。

本調査の結果が、貴社のEC運営やマーケティング施策を改善し、客単価やコンバージョン率を向上させるための一助となれば幸いです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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