
シニア専門のマーケティングプラットフォーム「コスモラボ」(運営:コスモヘルス株式会社、本社:東京都港区、代表取締役社長 小塚 崇史)が、50歳以上のシニア層を対象とした「食の楽しみ方」に関するアンケート調査結果を公開しています。本調査では、シニア層の生活状況、食事スタイル、食費の変化や健康志向、今後利用したいサービスなどについて詳細に分析し、シニア世代における食の楽しみ方や課題、将来のニーズを明らかにしています。
この記事の目次
- 1 調査トピックス
- 2 調査結果詳細
- 2.1 1:現在の生活状況について教えてください(有効回答者数:722名)
- 2.2 2:普段の食事スタイルについて、最も多いものを選んでください(有効回答者数:722名)
- 2.3 3:自炊をする頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
- 2.4 4:外食をする頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
- 2.5 5:お取り寄せ(通販・宅配サービスを含む)を利用する頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
- 2.6 6:日頃、食事で意識していることを教えてください(複数回答可)(有効回答者数:722名)
- 2.7 7:最近1年間で、以前より増えたと感じる食費の項目はありますか(複数回答可)(有効回答者数:722名)
- 2.8 8:これから力を入れたい食の分野を教えてください(複数回答可)(有効回答者数:722名)
- 2.9 9:これから利用してみたいサービスはどれですか(複数回答可)(有効回答者数:722名)
- 3 総評
- 4 調査概要
調査トピックス
自炊中心の食生活が7割超
普段の食事スタイルは「自炊」(76.3%)が圧倒的多数を占め、シニア層の生活基盤として自宅での調理が定着していることが明らかになっています。自炊頻度の低い層は少数派となっており、高い自炊率は健康管理や食費節約への意識の高さを反映していると考えられています。
健康と栄養意識の高さが際立つ
食事で意識している点として「栄養バランス」(74.4%)が最も多く、「健康(減塩・カロリーコントロール)」(49.3%)も約半数に達し、健康志向の強さが明確に表れています。同時に、おいしさ・満足感・手軽さも同程度に重視されており、健康・楽しみ・利便性のバランスを重視する傾向がみられます。
食費増大と節約意識が並存
過半数(51.5%)が直近1年間で食費増を実感していない一方、中食・嗜好品・外食・宅配サービスでの出費増を感じている層も一定数存在しており、節約志向と出費増受容の二極化が進んでいます。
調査結果詳細
1:現在の生活状況について教えてください(有効回答者数:722名)
生活状況については「家族と同居」(42.7%)が最多となり、次いで「夫婦二人暮らし」(34.9%)が続いています。「一人暮らし」(20.6%)も2割を超え、単身世帯の存在感が大きいことが特徴的です。
同居世帯では家族との食事が習慣化しやすい傾向がある一方、単身世帯では食事の簡便化や孤食傾向が強まりやすく、食生活の質に影響を与える可能性があります。家族形態が食習慣や食費、健康意識と密接に関連していることが示唆され、今後の支援策は世帯構成に応じたアプローチが必要と考えられています。

2:普段の食事スタイルについて、最も多いものを選んでください(有効回答者数:722名)
普段の食事スタイルは「自炊」(76.3%)が圧倒的多数を占め、シニア世代の生活基盤として自宅での調理が強く定着していることがわかりました。「家族が用意」(17.5%)も一定数存在し、家庭内での役割分担や配偶者への依存も見られます。
「外食」(2.2%)や「お取り寄せ・宅配サービス」(1.5%)はごく少数にとどまっており、外部サービスへの依存は限定的な状況です。全体として、食事は自宅中心の習慣が根付いており、健康や節約の観点からも自炊の位置づけが重要であることが示唆されています。

3:自炊をする頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
自炊頻度については「ほぼ毎日」(77.0%)が大多数を占め、シニア世代にとって自炊が生活の中心的な行動となっていることが明らかになっています。「週に4〜5日」(7.5%)や「週に2〜3日」(5.1%)を合わせても1割強にとどまり、「ほとんどしない」(10.4%)は少数派となっています。
高い自炊率は健康管理や食費節約への意識の高さを反映している一方で、単身世帯では調理の簡便化や負担の課題も抱えていると考えられています。今後は簡単調理や半調理品の活用が、負担軽減と継続的な自炊支援の鍵になると予想されます。

4:外食をする頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
外食頻度については「月に数回」(47.5%)が最も多く、「ほとんどしない」(42.1%)もほぼ同水準となっており、二極化傾向が見られました。「週に数回」(8.7%)や「ほぼ毎日」(1.7%)は少数派で、外食を日常的に取り入れている層は限定的であることがわかります。
外食頻度の差異には、経済状況や健康管理に対する意識、居住地域の利便性などが影響していると推察されます。

5:お取り寄せ(通販・宅配サービスを含む)を利用する頻度はどのくらいですか(有効回答者数:722名)
お取り寄せサービスの利用頻度については「ほとんどしない」(72.3%)が圧倒的多数を占め、通販や宅配サービスの利用は全体的に限定的であることが明らかになっています。ただし、「年に数回」(12.3%)や「月に数回」(8.4%)、「週1回以上」(6.9%)も一定数存在しており、嗜好性や利便性を求める層がこれらのサービスを活用しています。
利用頻度が低い背景には、コスト面や操作の煩雑さが影響している可能性がありますが、健康志向商品や地域特産品など、目的特化型のサービスは需要を喚起できる余地があると考えられています。高齢者に配慮した注文方法や価格設定がサービス普及の鍵となるでしょう。

6:日頃、食事で意識していることを教えてください(複数回答可)(有効回答者数:722名)
食事で意識していることについては、「栄養バランス(野菜・たんぱく質・カルシウムなど)」(74.4%)が最も多く、「健康(減塩・カロリーコントロール)」(49.3%)も約半数に達しており、健康維持に対する意識の高さが鮮明になっています。「おいしさ・満足感」(45.4%)や「手軽さ(調理の簡単さ、時短)」(45.3%)も同水準で重視されており、健康と楽しみ、利便性を同時に追求する傾向が見られます。
「食費」(34.3%)も3割以上が意識しており、物価高の影響が食行動にも波及していることがうかがえます。シニア世代の食生活は、健康志向とコスト意識、生活の利便性のバランスの上に成り立っていると考えられています。

7:最近1年間で、以前より増えたと感じる食費の項目はありますか(複数回答可)(有効回答者数:722名)
食費の変化については「特にない」(51.5%)が最も多く、過半数は食費増を実感していないことがわかりました。一方で、「中食(お弁当・惣菜)」(25.8%)や「嗜好品(お酒・お菓子)」(17.5%)、「外食(レストラン・ファストフードなど)」(14.0%)は増加を感じている層が一定数存在しています。「お取り寄せ・宅配サービス(ネット通販・ミールキットを含む)」(5.5%)の増加も見られます。
この結果からは、節約志向を維持する層と出費増加を受け入れる層が並存しており、食費に関する二極化が進行していることがうかがえます。食費増加は生活習慣や価値観の違いを反映していると考えられています。

8:これから力を入れたい食の分野を教えてください(複数回答可)(有効回答者数:722名)
今後力を入れたい分野については、「健康維持のための栄養管理」(74.7%)が最も多く、健康志向が引き続き中心的なテーマとなることが明確になっています。「時短・簡単調理」(45.3%)や「食費の節約」(43.2%)も高い支持を集めており、効率性や経済性を重視する傾向も顕著です。
「新しい味や料理への挑戦」(25.9%)や「孫や家族と一緒に楽しむ食事」(17.0%)も一定数を占めており、食を通じた楽しみや交流へのニーズも確認されました。今後の食関連サービスは、健康・効率・節約・楽しみという多様なニーズを総合的に満たすものが求められると考えられています。

9:これから利用してみたいサービスはどれですか(複数回答可)(有効回答者数:722名)
今後利用してみたいサービスについては、「特にない」(50.7%)が最も多く、約半数は現状の食生活に満足していることが示されました。一方で、「健康志向のお取り寄せ」(20.2%)や「料理教室・食の学び」(18.1%)、「栄養士監修の献立宅配」(16.6%)、「健康志向のミールキット」(11.5%)といったサービスが一定の支持を集めています。
健康維持や学び、利便性を重視する層が新たなサービスに関心を示しており、食関連市場の拡大余地が確認されました。利用未経験者への体験機会の提供が潜在需要を掘り起こす鍵になると考えられています。

総評
今回の調査から浮かび上がったシニア層の食生活の特徴は、「自炊中心」「健康志向」「節約と出費増の二極化」という3つの要素に集約されます。普段の食事スタイルでは「自炊」(76.3%)が圧倒的多数を占め、家族構成に応じた調理習慣が根付いていることが明らかになっています。
自炊頻度が「ほぼ毎日」(77.0%)という結果は、生活リズムと健康維持を自ら支える姿勢の強さを示しています。一方、外食やお取り寄せは少数派にとどまりましたが、外食する頻度が「月に数回」(47.5%)など一定の利用者層も存在し、利便性や楽しみとして食を位置づける傾向も見られます。
食事で意識している点では「栄養バランス(野菜・たんぱく質・カルシウムなど)」(74.4%)が最多で、「健康(減塩・カロリーコントロール)」を重視する層も約半数に達し、健康長寿を意識した食行動が顕著です。最近1年間で増えたと感じる食費項目については「特に増えていない」(51.5%)が多数派である一方、「中食(お弁当・お惣菜など)」や「嗜好品(お酒・お菓子)」が増加した層も一定数存在し、節約志向と出費拡大が並行して進んでいます。
今後注力したい分野としては、「健康維持のための栄養管理」(74.7%)が突出しており、「時短・簡単調理」「食費の節約」「新しい味や料理への挑戦」など多様な関心が続いています。サービス利用意向では「特にない」が過半数を占めるものの、「健康志向のお取り寄せ」や「料理教室・食の学び」などへの関心も一定数見られました。
これらの調査結果から、シニア層の食生活は健康維持を基盤としながらも、効率性と楽しみを組み合わせる方向に進んでいることがわかります。今後は、栄養管理支援や簡便調理商品、交流を促進する食サービスなど、多面的なニーズに対応する取り組みがより一層求められるでしょう。
調査概要
調査方法:ネットリサーチ
調査地域:全国
対象者 :「コスモラボ」のアンケートモニター
回答総数:722
調査対象期間:2025年9月17日
出典元:コスモヘルス株式会社 プレスリリース













