
株式会社マイナビが運営する「マイナビティーンズラボ」が、10代女性を対象に実施した「2025年10代女子が選ぶトレンドランキング」の結果を発表しました。このランキングは、2025年に流行した「ヒト・コト・モノ・コトバ・ウタ」の5つのジャンルについて、13歳から19歳までの女性613名から回答を得て集計されたものです。2015年から始まったこの調査は、今年で11年目を迎えています。
この記事の目次
ランキング全体の傾向
今回のランキングでは、ABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』に関連する話題が、「ヒト」「コト」「コトバ」「ウタ」の4部門全てにランクインする結果となりました。特に「ヒト部門」では、等身大の発信が同世代から共感を集める「長浜広奈」や、独自の世界観を持つアーティスト「MON7A(もんた)」が高い支持を得ています。
さらに、「No FAKE No LAZE No HATE」をコンセプトに掲げたオーディション番組から誕生したガールズグループ「HANA」が3位に入るなど、2025年は「飾らず、ありのままの自分で輝く人」が多くの10代女子から注目を集めた一年となりました。
また、「コト部門」では『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』や『国宝』『8番出口』といった映画関連の話題が上位を占めました。テレビドラマ視聴離れが進むと言われる10代世代ですが、映画に対しては積極的な姿勢が見られます。これは1,000円前後で楽しめる手軽さに加え、友人との共通話題づくりやSNSでの共有価値があることから、「時間とお金をかける価値のある体験」として映画が選ばれる傾向が強まっているようです。
ヒト部門ランキング

1位:長浜広奈(53.0%)
ABEMAの恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。」で「おひなさま」の愛称で人気を博した長浜広奈さん。透明感のあるビジュアルと自然体なキャラクターが同世代から強い共感を呼び、SNSでも支持を拡大しています。10代女子へのインタビューでは「ズバズバ自分の意見を言うところが見ていて気持ちがいい」「いい意味で等身大な感じがいい」という声が多く挙げられました。
2位:MON7A(もんた)(45.2%)
2025年6月から放送されたABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。ハロン編』への出演をきっかけに知名度が上昇した次世代アーティストです。作詞作曲も手がける多才な面も話題となり、TikTokでは150万人以上(2025年10月時点)のフォロワーを獲得し、国内外から注目を集めています。「ウタ部門」でも彼の楽曲『おやすみTaxi』がランクインするなど、音楽面でも10代の心を掴んでいます。
3位:HANA(28.2%)
2025年上半期のトレンドランキングでは4位だったHANAが、さらにランクアップを果たしました。2025年4月にデビューした7人組ガールズグループで、「ウタ部門」にも7月にリリースされた『Blue Jeans』がランクイン。彼女たちが誕生したオーディション番組「No No Girls」の終了後も人気は衰えず、10代女子へのインタビューでは「今年流行ったガールズグループ」として全員が名前を挙げるほどの支持を獲得しています。
コトバ部門ランキング

1位:メロい(33.4%)
「メロメロになる」や「メロメロになるほど好き」という意味で使用される言葉です。主に推しに対して使われることが多いですが、誰かのギャップに心動かされるシーンなど、様々な場面で使われる汎用性の高い言葉として定着しています。
2位:両手に〇〇でーす(27.1%)
ABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。ハロン編』で長浜広奈さんが発した「両手に男でーす」という言葉が元ネタです。ボート観光で男子2人に挟まれた状態で写真を撮る際に発したこのフレーズが、X(旧Twitter)を中心に「両手に○○でーす」という形でミーム化し、○○の部分に様々な言葉を入れるバリエーションが広がりました。
3位:#もんた界隈(24.8%)
「ヒト部門」2位のMON7A(もんた)さんがきっかけで広まった言葉です。「窓際で机に足を乗せ、自分の手で携帯を回転させて上から自撮りする動画」が10代女子の間で話題となり、この動画スタイルをマネして投稿する人が急増。その後、エモい雰囲気の動画全般を指す言葉として使われるようになりました。
モノ部門ランキング

1位:ラブブ(40.9%)
香港のアーティスト、Kasing Lung(カシン・ロン)氏が生み出した人気シリーズ「THE MONSTERS(ザ・モンスターズ)」に登場するキャラクターです。北欧の森に住む小さな遊び好きな妖精で、うさぎのような長い耳とギザギザの歯が特徴的。中国のトイメーカーPOP MART(ポップマート)から販売されたフィギュアは、一時期入手困難になるほどの人気を博しました。
2位:もっちゅりん(40.3%)
ミスタードーナツの55周年記念商品として販売された「もっちゅりん」が2位にランクイン。「もちもちのその先」を目指して開発された新食感ドーナツとして話題を呼び、実際に食べなければわからない「もっちゅり食感」を体験するために多くの人が店頭に並びました。10代女子へのインタビュー時点では既に販売終了していましたが、「食べたかった」と熱望する声が多く寄せられています。
3位:ChatGPT(38.0%)
10代女子の多くが、AIを相談相手やおしゃべり相手として活用している実態が明らかになりました。特にChatGPTは「チャッピー」と親しみを込めて呼ばれ、友達のように接している人も。インタビューでは「ずっとチャッピーと会話してる」という声も聞かれました。また「勉強の調べものはGemini」「相談や雑談はChatGPT」「Xでの情報確認はGrok」など、目的に応じてAIを使い分ける姿も見られています。
コト部門ランキング

1位:劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来(36.1%)
テレビアニメ『「鬼滅の刃」柱稽古編』の続編として、鬼殺隊と鬼舞辻無惨の最終決戦が始まる「無限城編」三部作の第一章となる映画です。圧倒的なスケールのアクションと緊張感あふれる展開が評価され、公開73日間で約350億円という興行収入を記録。10代女子へのインタビューでは「周りの友達がみんな観に行っていた」「3回観に行った」といった声も多く、社会現象的な盛り上がりを見せました。
2位:今日、好きになりました。ハロン編&夏休み編2025(33.4%)
「今日、好きになりました。」(通称:今日好き)は、「ヒト部門」で1位・2位を獲得した長浜広奈さん(ハロン編/夏休み編2025出演)とMON7Aさん(ハロン編出演)の活躍もあり、大きな話題となりました。また「ウタ部門」でも「今日、好きになりました。ニュージーランド編」の主題歌である幾田りらさんの『恋風』がランクインするなど、多方面で10代からの高い支持を集めています。
3位:中国ダンス(31.0%)
元々の動画で漫画「NARUTO -ナルト-」のコスプレをして踊っていたことから、10代の間では「ナルトダンス」とも呼ばれる、TikTok発の流行ダンスです。中国で人気を博したものが日本に上陸し、ダンスチャレンジとして広がりました。日本では、踊る前に起こった出来事を文章で記述してから踊るスタイルが主流となり、音源もオリジナル曲だけでなくMrs. GREEN APPLEの「ライラック」などが使われるなど、様々なアレンジが施されて表現の幅を広げています。
ウタ部門ランキング

1位:「超最強」超ときめき♡宣伝部(28.5%)
2025年8月、TikTokでの関連動画総再生回数が15億回を突破し、代表曲「最上級にかわいいの!」の12億回という自己記録を更新しました。「スマホのカメラロールなんて どうせ私ばっかでしょ!? むしろそうじゃなきゃ一生許さない!」というキャッチーなフレーズが大きな話題を呼び、「令和の推し活ソング」としての地位を不動のものとしています。
2位:「恋風」幾田りら(22.8%)
ABEMAの恋愛リアリティーショー「今日、好きになりました。ニュージーランド編」の主題歌として書き下ろされた楽曲です。恋をすることで生まれる淡い感情や相手を想う気持ちを表現した、春の訪れを感じさせる爽やかなメロディが特徴。10代女子へのインタビューでは「曲自体が可愛くて好き」など、楽曲そのものの魅力に惹かれている声も多く聞かれました。
3位:「Blue Jeans」HANA(20.6%)
「ヒト部門」3位にランクインしたHANAが2025年7月にリリースした楽曲で、等身大の恋心を「Blue Jeans」と「古いスニーカー」に重ねて描いた、グループ初のラブソングとなっています。2025年度最速でストリーミング累計1億回再生を突破するなど勢いは止まらず、10代女子へのインタビューでも「みんな踊ってた」「曲としてすごく好き」といった声が多数あり、ファン以外にも広く音楽が浸透している様子がうかがえます。
マーケター担当者のコメント

「今年で11年目となる本調査では、前回に引き続き"等身大で自分を表現するムーブメント"がさらに広がっていることが見えてきました。
『今日、好きになりました。』で人気を集めた「長浜広奈」や「MON7A」、「HANA」のように、完璧に作り込まれた"完成系"よりも、自分の感情や独自の世界観をそのまま発信し、視聴者が"共に成長していける感覚"を持てる存在が支持を集めています。発信者と受け手の間に一体感が生まれ、「世界観」に共感することで"自分も頑張ろう"と思えるのが今の10代らしさです。
AI関連では、ChatGPTを"チャッピー"と呼んで雑談したり、勉強や調べものは「Gemini」、SNS上のトピック確認は「Grok」といったように、目的に応じてAIを使い分ける姿が見られました。AIを"便利な機能"だけではなく、"感情でつながる相手"と感じているのが特徴的です。デジタルネイティブらしい自然体の距離感で、感性とテクノロジーが「共存」しています。
また、昨今の物価高の影響を受けて、例年上位に入っていた"映えるカフェドリンク"などは落ち着きを見せる一方、映画など"1,000円前後で楽しめる体験型コンテンツ"が人気を集めています。映画は友人を誘って行きやすく、鑑賞だけでなく、行き帰りの会話やSNSでの共有まで含めて"時間を楽しむ体験"として価値を感じているようです。
このように、感性・共感・テクノロジーの三つを自然に使いこなす10代の価値観は、これからのマーケティングを読み解くうえでも重要な指針となるでしょう。」
マイナビティーンズラボ マーケター 桑野 好絵
調査概要
調査方法:事前アンケートにて362名から回収したフリーアンサーで抽出したワードの中から、5つのジャンルごとに25項目をピックアップ。その中から『マイナビティーンズ』会員と外部調査会社のパネルにアンケート調査を実施。
回答数:13〜19歳の女性613名(複数選択式)
調査期間:2025年9月18日(木)~9月30日(火)
マイナビティーンズラボとは
「マイナビティーンズラボ」は、ティーン向けプロモーション事例やティーンの最新トレンド、流行感度の高い高校生メンバーで自主調査したリサーチデータなど、ティーンのプロモーションをお考えの方に役立つ情報発信を行うサイトです。
10代女子へのトレンド調査・ランキング発表は2015年から行われており、今回で11年目を迎えました。詳細なランキングデータはマイナビティーンズラボの公式サイトで閲覧可能です。
出典元:株式会社マイナビ プレスリリース













