株式会社ハイクリ、アパレルブランド向けAI在庫管理サービス「ベストリー」を正式提供開始—仕入れ精度向上で売上と在庫の最適化を実現

2025年11月5日 2025年11月5日

コマースピック編集部　プレス配信チーム

ファッション業界向けAIサービスを手がける株式会社ハイクリは、アパレルブランドの在庫管理・販売管理を支援するAIクラウドサービス「ベストリー（Vestory）」の正式提供を開始しました。このサービスは独自開発のAI販売数予測モデルを活用し、「機会損失」と「滞留在庫」というアパレル業界の二大課題を同時に解決。売れ筋商品の欠品防止と過剰在庫の抑制を通じて、ブランドの持続的成長をサポートするとのことです。

この記事の目次

1 背景：経験と勘の限界、岐路に立つアパレル業界
2 解決策：「攻め」と「守り」を両立するAI SaaS「ベストリー」
- 2.1 「ベストリー」が実現する具体的な価値
3 導入事例：株式会社アンティローザ様
- 3.1 株式会社ハイクリ代表取締役兼松洋輔氏のコメント
4 株式会社ハイクリについて
- 4.1 会社概要

背景：経験と勘の限界、岐路に立つアパレル業界

「あの商品、もっと追加発注していれば…」という機会損失への後悔や、「このままでは売れ残ってしまう…」という滞留在庫への不安。アパレル業界の関係者は、このような相反するプレッシャーの中で、ブランドの命運を左右する意思決定を日々行っています。売上最大化のための「攻め」の在庫投資と、健全なキャッシュフロー維持のための「守り」のリスク管理。この二律背反の課題がブランド運営における最重要テーマとなっているようです。

しかし、これまでこの絶妙なバランス感覚は個人の経験と勘という属人的なスキルに大きく依存してきました。多様化する市場ニーズと数千・数万に及ぶSKU管理が必要な現代では、従来の手法は限界を迎えつつあります。その結果、年間約47.0万トンにも及ぶ衣類廃棄や、8割以上の店舗が実感する深刻な人手不足といった業界全体の構造的課題に繋がっているとのことです。

※1 環境省令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務 -マテリアルフロー-

※2 独立行政法人労働政策研究・研修機構人手不足とその対応に係る調査

解決策：「攻め」と「守り」を両立するAI SaaS「ベストリー」

「ベストリー」は、AIによる高精度な需要予測を武器に、「売上を伸ばすべき売れ筋品番」と「仕入れを抑制すべき売れ残りそうな品番」を明確に可視化し、最適なアクションを提案するアパレル特化型・OTB管理支援AIサービスです。

「ベストリー」が実現する具体的な価値

AIによる「攻め」の機会創出（売上最大化）
AIが高精度に未来の販売数を予測することで、欠品リスクのある売れ筋品番を特定し、最適な追加発注数を算出します。これにより、「もっと売れたはず」という機会損失を防ぎ、ブランドの売上ポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になるとしています。
AIによる「守り」の徹底（キャッシュフロー改善）
AIが販売不振に陥る可能性のある品番を早期に検知し、過剰な追加発注を抑制します。また、適切なタイミングでの販促や価格変更を促すことで、滞留在庫化を未然に防ぎます。これにより、貴重なキャッシュが不要な在庫に滞留することを防ぎ、健全なキャッシュフローの実現を支援するとのことです。
業務効率化（工数削減）
ベストリーが在庫・販売状況を即座に可視化することで、大量のデータ整理や分析業務を省略できるようになります。これにより、スタッフはより創造的な業務に集中することが可能になるとしています。
業務の属人化からの脱却と組織力強化
AIが客観的なデータに基づいた判断基準を提供するため、経験の浅いメンバーでも精度の高い意思決定が可能になります。これにより、ベテラン担当者はより戦略的な業務に集中でき、組織全体の業務品質が向上します。また、ブランドの拡大や多店舗展開にも対応できる強固なオペレーション基盤を構築することができるようです。

導入事例：株式会社アンティローザ様

ZOZOTOWNを中心に数十ブランドを展開し、急成長中のアパレル企業である株式会社アンティローザ様では、大量のエクセルでの管理からの脱却による業務効率化や、属人性の排除による発注・消化施策の精度向上が事業拡大に向けての課題だったそうです。「ベストリー」導入後は、AIの支援により、高精度かつ高速な意思決定が可能になり、全社的に大幅な業務工数の削減と、発注・消化施策の精度改善やスピードアップを実現しました。今後のさらなるブランド数拡大に向けた強固な事業基盤の構築に成功しているとのことです。