
株式会社芙蓉エデュケーションズ(本社:東京都文京区、代表取締役:安田 聡子)が運営する「ISCA TOKYO」が、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナー(20代~50代の男女)を対象に「生成AI時代のデザイン業務に関する調査」を実施したことが発表されました。この調査結果から、生成AIを利用するデザイナーの業務における生成AIの影響や、今後の生成AI活用における課題などが明らかになっています。
この記事の目次
調査の背景
生成AIの普及により、デザイナーの役割は「作業実行者」から「コンセプト設計者」へとシフトし、スキルや生産性の格差を生み出しつつあります。この変化は個人のキャリアだけでなく、デザイン業界全体に大きな影響を与えていますが、現場のデザイナーが抱える具体的な意識や課題については明らかになっていませんでした。そこで「ISCA TOKYO」は、生成AIを業務で利用しているデザイナーを対象とした調査を実施し、その実態を明らかにしています。
調査サマリー
調査結果のポイントは以下の通りです。
- デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの主な活用目的は「アイデア出しのため」や「作業効率化・生産性向上のため」となっています
- デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの45%以上が、生成AIの活用により、コンセプト設計など上流工程の業務に割く時間の割合が少なからず減少したと感じているとのことです
- デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの3割強が、生成AIの活用によって、自身の総労働時間は少なからず減少したと感じていることがわかりました
- デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの6割以上が、生成AIの普及は、自身のデザイナーとしてのキャリアに「ポジティブな影響を与える」と考えているようです
- 最も多くの人が、生成AIの普及によって、デザイナーのキャリアにおいて脅威になるものは「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」と考えていることが明らかになりました
- デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーが考える、生成AI時代において、デザイナーにとって今後より重要になるスキルは主に「AI活用能力」や「創造力・発想力」だとされています
調査概要
調査期間:2025年9月16日~9月22日
調査方法:インターネット調査
調査対象:デザイン業務で生成AIを利用するデザイナー(20代~50代の男女)
調査人数:305名
モニター提供元:RCリサーチデータ
調査詳細
デザイナーの生成AI活用目的は「アイデア出し」と「作業効率化・生産性向上」
調査ではまず、「デザイン業務において、生成AIを主にどのような目的で活用しているか」という質問に対する回答が集計されています。その結果、1位が「アイデア出し」で67.9%、2位が「作業効率化・生産性向上」で66.9%、3位が「品質・精度向上」で30.8%という結果となりました。この結果から、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの主な活用目的は「アイデア出し」や「作業効率化・生産性向上」であることが明確になっています。

上流工程の業務時間が減少したと感じるデザイナーが45%以上
次に、「生成AIの活用により、コンセプト設計など上流工程の業務に割く時間の割合はどのように変化したか」という質問に対する回答では、1位が「やや減少した」で37.4%、2位が「変化なし」で25.6%、3位が「やや増加した」で19.6%、4位が「大幅に減少した」で9.5%という結果でした。「やや減少した」と「大幅に減少した」の回答を合計すると45%以上となり、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの半数近くが、生成AIの活用により上流工程の業務時間が少なからず減少したと感じていることが報告されています。

総労働時間の減少を実感するデザイナーが3割以上
続いて、「生成AIの活用によって、自身の総労働時間はどのように変化したか」という質問に対する回答では、1位が「変化なし」で49.2%、2位が「やや減少した」で26.6%、3位が「やや増加した」で11.1%、4位が「大幅に減少した」で7.2%という結果となりました。「変化なし」が最も多い回答でしたが、「やや減少した」と「大幅に減少した」を合わせると30%を超え、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの3割強が生成AIの活用により総労働時間が少なからず減少したと実感していることが明らかになっています。

6割以上がキャリアへのポジティブな影響を実感
「生成AIの普及が、自身のデザイナーとしてのキャリアに与える影響」についての質問では、1位が「ポジティブな影響の方が大きい」で62.0%、2位が同率で「ネガティブな影響の方が大きい」と「わからない」がともに19.0%という結果になりました。この結果から、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの6割以上が、生成AIの普及が自身のキャリアにポジティブな影響を与えると考えていることが示されています。

デザイナーのキャリアの脅威は「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」
次に、「生成AIの普及によって、どのようなものがデザイナーのキャリアにおいて脅威になると考えるか」という質問に対する回答では、1位が「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」で48.5%、2位が「仕事の代替・需要減少」で42.3%、3位が「スキルの陳腐化・再定義の必要性向上」で38.4%という結果になりました。この結果から、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーの中で、最も多くの人が「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」を生成AIの普及によるデザイナーキャリアの脅威と考えていることが明らかにされています。

今後重要になるスキルは「AI活用能力」と「創造力・発想力」
調査の最後に「生成AI時代において、デザイナーにとって今後より重要になると考えるスキル」を尋ねる質問では、1位が同率で「AI活用能力」と「創造力・発想力」でともに54.1%、3位が「ディレクション能力」で51.2%という結果になりました。この結果から、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーは、生成AI時代においてデザイナーにとって今後より重要になるスキルとして「AI活用能力」と「創造力・発想力」が主要なものだと考えていることが報告されています。

調査結果のまとめ
今回の調査結果からは、デザイン業務における生成AIの活用実態と、デザイナーの意識について多くの知見が得られています。デザイナーたちは生成AIを主に「アイデア出し」や「作業効率化」のために活用しており、生成AIの活用によって上流工程の業務時間が減少したと感じるデザイナーが45%以上、総労働時間の減少を実感するデザイナーが3割強に上ることが明らかになりました。
また、デザイナーの6割以上が生成AIの普及が自身のキャリアにポジティブな影響を与えると考えている一方で、「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」をキャリアにおける脅威と考える声も多くあります。生成AI時代に重要になるスキルとしては、「AI活用能力」と「創造力・発想力」が同率で最も高く、テクノロジーの活用と人間ならではの創造性の両方が求められることが示唆されています。
株式会社芙蓉エデュケーションズが運営する「ISCA TOKYO」は、世界の名門芸術大学への進学を目指す学生のためのクリエイティブ・アーツ専門スクールです。学生一人ひとりのオリジナリティを最大限に引き出し、独自の価値を生み出すための本質的な表現力を育成することで、次世代のデザイナーとして世界で活躍できる人材を育成しています。
調査実施会社

株式会社芙蓉エデュケーションズ
所在地:〒113-0021 東京都文京区本駒込2丁目1番18号
代表取締役:安田 聡子
事業内容:幼児からの海外留学コンサル及びサポート業務、英国クライストカレッジ・ブレコン 日本事務所としての業務及びサポート業務、英国 International School of Creative Arts (ISCA:イスカ) 日本事務所としての業務及びサポート業務、アート&デザイン・クリエイティブスクール事業

ISCA TOKYO
株式会社芙蓉エデュケーションズが運営する「ISCA TOKYO」は、世界の名門芸術大学への進学を目指す学生のためのクリエイティブ・アーツ専門スクールです。日本にいながら、英国式の最先端アート教育を受けられる環境を提供しています。ロンドン本校とのオンライン授業、充実したスタジオでのポートフォリオ制作、ロンドン芸術大学卒業生や現役デザイナーによる対面指導で、世界の名門芸術大学への合格をサポートします。
出典元:株式会社芙蓉エデュケーションズ プレスリリース