
近年、Eコマースの発展に伴い、宅配・物流サービスは私たちの生活に欠かせないものとなっています。しかし、年齢層やライフスタイルによって、配送サービスの利用方法や感じる不便さ、さらには改善を望む点も様々です。こうした背景のもと、どのような課題が存在するのでしょうか。
物流倉庫・発送代行業者マッチングサイト『一括.jp』を運営する企業が、60代の男女100名を対象にアンケート調査を実施しました。この調査では「再配達利用状況」「再配達依頼に対する負担感」「改善要望」などについて詳細な情報が集められています。
本記事では、調査結果から浮かび上がった利用者の実態や要望について分析し、物流・配送サービス業界が今後取り組むべき改善点について考察します。ECビジネスや物流業界に携わる方々にとって、サービス品質向上のための有益な示唆となるでしょう。
調査内容
調査1:過去3か月間における再配達依頼の回数
調査2:再配達依頼に対する負担感・手間の程度
調査3:配達サービスに求める改善点
まとめ:時間と通知が決め手!再配達サービス次の一手
この記事の目次
調査結果1:過去3か月で再配達を依頼した回数は?
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最も多かったのは「0回」で、全体の62.0%(62人)を占めており、過去3か月間に一度も再配達を依頼していない人が多数派という結果になりました。
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続いて多かったのは「1回」で23.0%(23人)となっており、これら二つを合わせると全体の約85%が「0〜1回」という結果に。多くの人が再配達をほとんど利用していない実態が明らかになりました。
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一方で、「2〜3回」は13.0%(13人)、「4〜5回」は2.0%(2人)と、複数回再配達を依頼した人は少数派であることがわかります。
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0回・1回の層が大半を占めているという事実から、現在の配送スケジュールや受け取り方法が比較的うまく機能していると考えられます。
調査結果2:再配達依頼の手間をどう感じますか?

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最も多かったのは「やや手間に感じる」で、全体の34.0%(34人)という結果でした。これは再配達依頼に対して一定の煩わしさを感じている人が少なくないことを示しています。
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次いで「あまり手間ではない」が25.0%(25人)となっており、手間と感じる割合よりはやや少ないものの、再配達依頼に対して比較的ポジティブな印象を持つ層も一定数存在しています。
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「どちらともいえない」と回答した人は15.0%(15人)で、明確な評価を持たない人も見られました。
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「全く手間ではない」は14.0%(14人)、「非常に手間に感じる」は12.0%(12人)と、極端な評価は少数派にとどまっています。このことから、再配達依頼に対する負担感は多くの場合、中程度であることがわかります。
調査結果3:改善してほしい再配達サービスはありますか?(複数回答可:注1)

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最も多かったのは「配達時間帯の選択肢を増やしてほしい」で、全体の32.0%(32人)が選択しました。これは利用者の多くがより柔軟な時間帯指定を望んでいることを示しています。
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続いて「配達予定時刻の事前通知をもっと正確にしてほしい」が30.0%(30人)となり、配達時間に関する事前情報の精度向上も強く求められていることがわかりました。
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「置き配や宅配ボックスの利用をもっと簡単にしてほしい」は23.0%(23人)で、非対面での受け取り方法の利便性向上を望む声も少なくありません。
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また、「配達員と直接チャットできるようにしてほしい」は13.0%(13人)、「再配達の依頼方法(電話・Web・アプリ)をもっと使いやすくしてほしい」は19.0%(19人)と、操作性やコミュニケーション方法の改善を求める声も見られました。
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「コンビニや宅配ロッカー受け取りの選択肢を増やしてほしい」は4.0%(4人)にとどまり、外部施設での受け取りニーズは比較的低いことがわかります。
まとめ:時間と通知が決め手!再配達サービス次の一手
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今回の調査から、再配達依頼の回数については、約62%が0回、23%が1回と、全体の約85%が0〜1回という結果でした。多くの利用者が再配達をほとんど利用していない実態が明らかになりました。これは、現行の配達時間帯指定や宅配ボックスなどの受け取り方法が一定の効果を発揮していることを示唆しています。
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再配達の手間に関する意識については、「やや手間に感じる」が34%で最多となり、極端な評価よりも中間的な感覚が中心であることがわかりました。これは、再配達の手続き自体が大きな不満要因とはなっていないものの、完全にストレスフリーとは言えない状況を反映しています。
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改善要望に関しては、「配達時間帯の選択肢を増やしてほしい」が32%、「配達予定時刻の事前通知をもっと正確にしてほしい」が30%と、時間に関する柔軟性と情報の正確さが特に強く求められていることが明らかになりました。
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さらに、「置き配や宅配ボックス利用の簡易化」や「依頼方法の使いやすさ向上」など、利便性をさらに高めるための意見も多く寄せられています。
全体として、再配達の発生自体は少ないものの、より受け取りやすくするための時間設定や通知方法には改善の余地があることがわかります。これらの利用者の声を取り入れることで、サービスの満足度向上はもちろん、企業のブランド価値向上にもつながるでしょう。競争が激しい配送サービス業界において差別化を図るためにも、時間と情報に関する改善は重要なポイントとなります。
監修者:杉本 貴之(Takayuki Sugimoto)
株式会社ecloreにて年間120社超のSEOコンサルを担当。SEO分野で培った分析力と多数の企業との豊富なコミュニケーション経験を活かし、消費者の購買行動や市場動向を深く理解しています。
一次情報に基づくコンテンツの監修を通じ、信頼性が高く質の優れた情報発信を積極的に行っています。
【保有資格】SEO検定1級、Googleアナリティクス認定資格

調査概要
調査日: 2025年8月12日
調査対象地域: 全国
調査機関: Freeasy
調査方法: オンラインアンケート調査
調査対象・人数: 40~49歳の男女100人
出典元:一括.jp