【調査結果】テーマパーク利用者の実態調査:ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが人気首位、平均支出は「1万円台」が主流

株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は、2025年7月7日(月)~8日(火)の2日間、全国の20歳以上の男女を対象に「テーマパーク」をテーマとしたインターネットリサーチを実施しました。この調査は、生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する同社が、テーマパーク・遊園地の利用実態や消費者の選定基準を明らかにするために行われたものです。

調査背景

2025年7月25日、沖縄に自然体験型テーマパーク「ジャングリア」が開業予定となっています。近年は「ジブリパーク」(愛知)や「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ ハリー・ポッター」(東京)など新テーマパーク・遊園地の開業が相次いでいる状況です。さらにコロナ禍を経て訪日客が急増したことで、国内のパーク競争は急速にグローバル化しています。

この環境下で、テーマパーク・遊園地の現状と利用者の選定実態を把握するため、株式会社ネオマーケティングは「1年以内にテーマパークに行ったことがある人」を対象に独自調査を実施しました。エボークトセット(想起集合)の観点から生活者の実態が分析されています。

調査概要

調査方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式

調査対象:全国の20歳以上の男女で、1年以内にテーマパークに行ったことがある人

有効回答数:1,000名

調査実施日:2025年7月7日(月)~2025年7月8日(火)

テーマパークに関する調査の主な結果

テーマパーク・遊園地1回あたりの平均利用金額は「10,000~14,999円」が23.4%で最多となりました。次いで「15,000~19,999円」(20.2%)と、1万円台の支出が主流となっています。年代別では、40代は男女ともに「30,000円以上」が約20%を占め、全体で最も高額消費が目立つ結果となりました。

また、テーマパーク・遊園地に行く時期としては「平日」が38.2%で最多。混雑を避け有給休暇を組み合わせる"計画的レジャー"が主流化している傾向がうかがえます。年代別では、60代は平日利用が49.6%と突出しており、混雑を最小化する"オフピーク志向"が顕著であることがわかりました。

今後(も)行きたいと思うテーマパーク・遊園地

行きたいテーマパーク・遊園地の想起では、ユニバーサルスタジオジャパン(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が46.5%で首位となりました。東京ディズニーランド45.2%、ディズニーシー33.3%、ディズニーリゾート16.0%が続き、2大ブランドの強さが際立つ結果になっています。

地方のテーマパークではハウステンボスが10.7%と二桁を確保し健闘。富士急ハイランド8.8%、ナガシマスパーランド6.5%など絶叫系の施設が後に続き、開業後間もないジブリパークは2.6%で、今後の伸びしろを残している状況です。

テーマパーク・遊園地に行きたい理由

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを選ぶ理由としては、「常に新しい発見がある」「ハロウィン(企画)が楽しい」「アトラクションの変化が多い」「家族で盛り上がることができる体験がある」など、"変化と刺激"を求める声が目立っています。

一方、東京ディズニーリゾートは「いちばん現実逃避ができる」「本格的で現実を忘れられる」「世界観に没入できストレス発散になる」といった"ブレないクオリティの非日常体験"が支持されています。

ハウステンボスについては、「敷地が広く、混雑せず楽しめる」「海のそばで自然も楽しめて広々としている」「広大な敷地をのんびり散策できる」と、リラックスして楽しめる"開放感"が強みとなっています。また、富士急ハイランドは「思いっきり叫んでストレス発散したい」「爽快なスリルを味わえる」と、スリル需要に特化した施設として支持を集めています。

以下は、各テーマパークに行きたい理由の一部抜粋です。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

・「アトラクションが楽しい」(女性、26歳)

・「アトラクションが魅力的」(女性、37歳)

・「家族で盛り上がることができる体験がある」(女性、44歳)

・「アトラクションの変化が多く、アニメ作品とのコラボが多い」(女性、39歳)

・「常に新しい発見がある」(男性、57歳)

・「ハロウィンがめっちゃ楽しい」(女性、44歳)

ディズニーランド・ディズニーシー

・「テーマパークと言えばのイメージ」(女性、26歳)

・「世界観が好き。アトラクションは楽しく、お土産が充実し、ホテルが素敵」(女性、33歳)

・「本格的で現実を忘れられる」(女性、32歳)

・「非日常感が味わえて、感動や興奮を味わえる」(男性、29歳)

・「日常を忘れて世界観に没入できストレス発散になる」(女性、46歳)

・「いちばん現実逃避ができる」(男性、45歳)

・「やっぱり断トツ。夢の国。みんながいつ行っても楽しめる。全てを忘れられる」(女性、52歳)

ハウステンボス

・「思い出の場所だから」(男性、47歳)

・「混雑して無さそうだし海のそばで自然も楽しめて広々としている」(女性、65歳)

・「敷地が広く、そう混雑せず楽しめるから。ワインの種類が豊富だから。以前宿泊込みで行った時にとても楽しめた」(女性、34歳)

・「風車やチューリップ、バラなどの映える景色をみられること。ミッフィーちゃんの世界を体験できること。広大な敷地をのんびり散策できること。お客さんが多すぎず、ゆったり楽しめること。リゾート感があること」(女性、36歳)

富士急ハイランド

・「普段得られない爽快なスリルを味わえる」(女性、37歳)

・「絶叫系が好きなので、思いっきり叫んでストレス発散したい」(女性、36歳)

テーマパーク・遊園地1回あたりの平均利用金額

全体で最も多い支出額は「10,000~14,999円」(23.4%)、次いで「15,000~19,999円」(20.2%)と、1万円台の支出が主流となっています。

男女別では、女性の方が「30,000円以上」の高額帯が16.7%と男性(14.3%)よりやや高く、特に20代女性では「15,000~19,999円」が28.7%と突出しています。

また、40代は男女ともに「30,000円以上」が約20%を占め、全体で最も高額消費が目立つ層となっています。これは、子育てが落ち着き経済的に余裕が出てくるタイミングである点や、社会人になった子と親の2人での来場ケースが増えるなどの要因が考えられます。

テーマパーク・遊園地を選ぶ際に重視するポイント

テーマパーク選びで最も重視されるのは「アトラクションの魅力」(67.5%)でした。年代別では20代~50代でトップとなっていますが、60代では関心がやや低下し57.0%まで下がる一方、「キャラクター・世界観」や「パークの規模や施設の充実度」はシニア層ほど重視される傾向にあり、60代ではいずれも60%超に達しています。これは、刺激よりも"安心して浸れる空間"を求める傾向の表れと考えられます。

男女別では、女性が「キャラクター・世界観」(66.0%)と「飲食の充実度」(32.8%)を男性よりも重視し、体験全体の"物語性とグルメ"にこだわる傾向が見られました。一方、男性は「アトラクションの魅力」(69.6%)が女性より高く、スリル志向が根強い様子です。

また、「アクセスの良さ」(45.1%)と「混雑度」(40.9%)が「入場チケット料金」(40.0%)を上回っている点も注目されます。これは、料金よりも移動や待ち時間のストレスを軽減することを重視する傾向を示しています。

テーマパーク・遊園地を利用する際に最も重視する点

全体で最優先されるのは「アトラクションの内容」で30.9%を占めています。まず「ワクワクするアトラクションがあるか」「繰り返し体験したいアトラクションがあるか」という点が、再訪につながるエボークトセット(想起集合)入りの鍵となることがわかります。

「非日常の体験」は全体で18.6%ですが、年代が上がるほど重視される傾向があり、60代では21.5%に達しています。シニア層ほど体験価値を重視する傾向が見られます。

男女別では、女性が非日常体験(20.4%)や世界観を評価する一方、男性はアトラクション(32.3%)とコストパフォーマンス(17.6%)に比重を置く傾向があります。特に20代男性は「混雑状況」を19.0%と特に重視しており、効率重視の傾向が目立ちます。

テーマパーク・遊園地に行く相手

全体では「家族(子ども含む)」が55.0%で最多となっています。特に男性40代は74.7%、女性40代も69.2%と突出しており、先の平均利用金額で高額消費が目立った40代が"家族レジャー型大量消費層"であることが裏づけられています。

20代では様相が大きく異なり、「友人」が51.8%でトップ、「恋人・配偶者」が34.8%で続き、「一人で行く」も17.1%に達しています。特に20代男性は25.4%がソロ来園しており、"おひとりテーマパーク"への心理的ハードルが低いことがうかがえます。

男女別では、女性は友人・大人家族と行く比率が高く、男性は恋人・単独での来園比率が高い傾向にあります。テーマパークにとっては、子育て期の"ファミリー需要"と若年層の"フレキシブル需要(友人・ソロ)"をいかに両立させるかがリピート獲得の鍵となりそうです。

テーマパーク・遊園地に行く時期

「平日」が38.2%で最多となり、混雑を避け有給を活用する"計画的レジャー"が主流化していることがわかります。特に女性は43.0%と、男性(32.5%)を大きく上回る結果となりました。

年代別では、60代は平日利用が49.6%と突出し、混雑を最小化する"オフピーク志向"が顕著です。一方、20~30代はゴールデンウィーク利用が25%前後に達し、特別感のある連休を積極的に活用している傾向が見られます。

テーマパーク側にとっては、若年層向けに「連休限定イベント」、シニア・女性層向けには「平日割引&ゆとり演出」といった時期別の訴求策が有効と考えられます。

テーマパーク・遊園地に関する情報収集源

情報収集源として最も多いのは「SNS(Instagram、Xなど)」で46.8%となっています。女性は53.1%と男性(39.5%)よりSNS依存度が高く、特に20代女性では77.2%に達しています。

男性は「YouTubeなど動画サイト」の利用が40.8%と女性より10.4ポイント高く、映像による事前体験を重視する傾向が見られます。

年代別では20代のSNS利用率が66.5%と60代(26.4%)の約2.5倍に達する一方、60代はテレビ・雑誌41.3%、チラシ類19.8%とオフライン情報に強く依存しています。

また、利用金額が比較的高くファミリー来園の多かった40代は、「ブログや口コミサイト」「旅行情報サイト(じゃらん、一休など)」を他の年代より多く併用しており、費用対効果を詳しく比較検討する様子がうかがえます。

テーマパーク側にとっては、若年層にはアルゴリズム露出を、ミドル層には比較記事を、シニア層にはマスメディア連携を最適化することで、各層のエボークトセット(想起集合)入りを狙うことが効果的と考えられます。

出典元: 株式会社ネオマーケティング プレスリリース

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