
ノウンズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:田中啓志朗)が、同社が提供するサブスク型リサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を通じて、全国の一般生活者4,817名を対象に「推し活に関する意識調査」を実施したことが発表されました。調査期間は2025年7月10日〜7月21日となっています。
近年、SNSや動画配信サービスの普及に伴い「推し活」が一般化し、特にZ世代を中心にライフスタイルの一部として定着しつつあります。「推し」はもはや特別な存在ではなく、日常生活における消費・行動の中心軸となっている現代において、ノウンズ株式会社が全国の一般生活者を対象とした「推し活に関する消費者意識調査」を実施しました。
この調査では、「誰を推しているのか」「どれくらいの時間とお金を費やしているのか」といった実態に加え、「推し方」に表れる価値観や生活行動の傾向を多角的に分析しています。
この記事の目次
「推し」の存在と対象
調査ではまず「あなたには「推し」と呼べる存在がいますか?」という質問が行われました。
次に「あなたの「推し」の対象は何ですか?」という質問(複数選択可)の結果が以下のように示されています。

「推し」がいる人は74.9%、推し活はマジョリティに
調査の結果、全体の74.9%が「推しがいる」と回答していることが明らかになりました。これは、「推し」を持つことがもはや特別な行動ではなく、むしろ一般的になりつつあることを示しています。
推し対象の上位には「キャラクター(アニメ/ゲーム/マンガなど)」と「アイドル/グループ」が拮抗する結果となりました。続いて「歌手・バンド」「俳優/女優」「スポーツチーム/選手」と続き、多様なジャンルに「推し」が分布している様子が見て取れます。エンターテインメントの多様性がそのまま「推し活の多様性」として反映されている構図が明らかになっています。
特筆すべきは「VTuber」や「インフルエンサー」といったネット発の存在も高い支持を得ていることです。これは現代において、リアルとバーチャルの境界を超えて「心を動かす存在」が広く支持されていることを示しています。
具体的な「推し」対象を尋ねる質問では、「大谷翔平」「乃木坂46」「サンリオ」「鬼滅の刃」「ワンピース」「Snow Man」「ちいかわ」などが上位に挙がりました。
「推し活」の期間ときっかけ
続いて「「推し」を推し始めてどのくらい経ちますか?」という質問に対する回答は以下の通りです。

また「「推し」を推し始めたきっかけは何ですか?」という問いに対する回答結果も以下のように示されています。

推し活の入口はテレビとSNS、継続期間は3年以上が主流
「推し活」を始めるきっかけとして最も多かったのは「TV/雑誌などのマスメディア」で、次いで「SNS」という結果になりました。この2つだけで過半数を占めており、マスメディアとSNSの2大接点が「推しとの出会い」の主要な経路となっていることが明らかになっています。
一方で「友人・家族の勧め」や「偶然目にした広告」など、間接的な接触がきっかけとなるケースも一定数存在し、「推し」との出会いには複数のタッチポイントが重なり合う「偶然性」も重要な要素となっていることが示唆されます。
推し始めてからの期間については「1〜3年未満」が最も多く、背景にはコロナ禍を契機に推し活が広がった影響があると考えられます。また「3〜5年」「10年以上」もそれぞれ2割を超えており、推し活は一時的なブームではなく、長期にわたり継続するライフスタイルの一部となっていることが明らかになりました。
「推し活」に費やす時間と行動
「推し活において平均で1日にどのくらいの時間を費やしていますか?」という質問に対する回答は以下の通りです。

また「推し活において行っていることを教えてください。」という問いに対する回答結果も示されています。

観る・触れる・買うが中心、推し活は日常1時間の新習慣に
推し活の具体的な行動として最も多かったのは「作品・活動の鑑賞」で、次いで「SNSのチェック・投稿」「グッズ購入」が上位を占めました。これらはいずれも「推しとの接点を日常的に楽しむ」行動が中心となっており、多くのファンが「推し活」を生活の中に自然に取り入れていることがわかります。
一方で「イベント参加」「課金・配信視聴」「遠征」など、費用や時間を要する行動も相当数見られ、オンラインとオフラインの両方において熱量の高まりが見られることも注目すべき点です。
1日あたりの推し活時間については「1時間未満」が半数以上を占める一方、「1〜3時間」「3時間以上」という層も一定数存在しており、「推し活は毎日の中に組み込まれた個人の時間」として定着している実態が明らかになりました。
「推し活」の支出傾向
「推し活において平均で1ヶ月あたりどのくらいの支出がありますか?」という質問に対する回答は以下の通りです。

小さな金額でコツコツ楽しむライト消費層が中心
推し活における「平均的な1ヶ月あたりの支出額」について調査したところ、「1,000円未満」が最も多い結果となりました。日常的な推し活においては、小規模な金額で着実に楽しむ「ライト消費層」が中心的な存在であることがわかります。
一方で「5万円以上」と回答した層も4.2%存在しており、平均支出額の調査でこのような数値が示されること自体が、推し活における強いロイヤリティと継続的な投資傾向を表しています。
このように、推し活市場は幅広いライト層を基盤としながらも、高い支出意欲を持つ層が確実に存在する「二層構造」の特徴を持っていることが明らかになりました。
「推し」が生活に与える影響
「推しの存在が生活に与える影響はなんですか?」という質問に対する回答は以下の通りです。

癒しだけでなく、推しは人生を動かす起点に
「推しの存在が生活に与える影響」として最も多く挙げられたのは「癒し・ストレス軽減」で、次いで「日々のモチベーション向上」となりました。この2つだけで全体の6割以上を占めており、「推し」が「心の支え」であり「前向きな気持ちをもたらす存在」として認識されていることが明確になっています。
特に注目すべき点は、「行動の変化(旅行・挑戦など)」が771名、「人間関係が広がった」が661名、「消費行動の促進」が522名と、実際の行動や選択に変化をもたらしている層も相当数存在することです。「推し」の影響は感情面だけにとどまらず、移動、購買、人とのつながりといった「生活の輪郭」にまで及んでいることが明らかになりました。
まとめ
この調査を通じて明らかになったのは、「推し活」が単なる「応援」の域を超え、日常生活を形作る実質的な行動であるという事実です。そこには支出・時間・創作・移動といった具体的なアクションが伴い、商品選択やイベント参加、さらには購買タイミングにも影響を与える傾向が見て取れます。
また、誰を「推す」かによって異なる消費スタイルや接触チャネルが存在し、ファンのLTV(生涯価値)や関係性の構築にはジャンルごとの最適化が求められています。
ノウンズ株式会社は今後も、生活者の「推し」を起点とした行動・価値観・消費の関係性をデータで可視化し、IPホルダーやブランドのマーケティング戦略に活用できる示唆を提供していくとのことです。
調査概要
調査名 | 「推し活」に関する意識調査 |
調査期間 | 2025年7月10日〜7月21日 |
実施主体 | ノウンズ株式会社 |
調査対象 | 全国の一般生活者 |
調査対象者数 | 4,817名 |
調査方法 | Knowns 消費者リサーチを通じたインターネット調査 |
ノウンズ株式会社について
ノウンズ株式会社は、消費者の意識データを捉えるポイ活型モバイルアンケートアプリ「Knowns App」と、企業向けにそのデータを活用したサブスク型のリサーチSaaS「Knowns 消費者リサーチ」を展開しています。
「Knowns 消費者リサーチ」は、回収率の高いモバイルアンケートデータをもとに、定量・定性を横断したインサイト抽出を可能にする新しい調査プラットフォームです。マーケティング担当者が「使い倒せる」形で、リサーチの設計から結果分析までを一貫して支援し、日々の意思決定の精度とスピードの両立を実現します。

会社名:ノウンズ株式会社
所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目7-1 渋谷グローリアビル5F
設立:2019年12月
代表者:代表取締役 田中啓志朗
事業内容:消費者データ分析サービス「Knowns 消費者リサーチ」の開発/販売および消費者から意識データを聴取するスマホアプリ「Knowns App」の運営。
出典元:ノウンズ株式会社 プレスリリース