フルカイテン株式会社が在庫分析クラウド「FULL KAITEN」の新サービス「在庫ドック」を8月末に提供開始

在庫最小化・粗利最大化の実現を支援する在庫分析クラウド『FULL KAITEN』を展開するフルカイテン株式会社(本社・大阪市福島区、代表取締役・瀬川直寛)は、小売企業やSPA(製造小売業)、メーカー向けの新しいサービス「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」の提供を本年8月末に開始することを発表しました。〈在庫ドック〉は、売上や在庫などの各種データを分析して在庫リスクを自動診断することで、日々変化する在庫に関する課題が画面を見るだけで特定でき、すぐに改善策に結びつけられるという特徴を持っています。

小売業界の現状と課題

日本の小売市場は、2008年をピークとした14年連続の人口減少や高齢化に伴って市場規模が頭打ちとなっており、原材料高や物価上昇と相まって厳しい環境に直面しています。このような市場環境では、単に在庫の「物量」に依存して売上を追求する「売上第一主義」は、以下の2つの観点で大きなリスクを含んでいます。

  • 在庫を増やす場合:売上は増えるものの売れ残りが増え、値引きによって粗利益が悪化
  • 在庫を減らす場合:売上も減り、機会損失が増えて粗利益が減少

小売やSPA、メーカーなど在庫ビジネスを展開する企業がこうした二律背反を克服するためには、単に在庫を削減するだけでなく、現有の在庫から売上・粗利・キャッシュフローを最大化するための在庫運用が重要なポイントとなります。

そうした在庫運用を実践するには、少ない在庫(限られた量の在庫)からどれだけ多くの粗利益を得ることができたかを測定する指標が必要です。それがGMROI(商品投下資本粗利益率)となります。

フルカイテン社の〈在庫ドック〉ではGMROIを最重要KPIとして表示し、利用者が常に在庫投資の効率性を追跡できるようになっています。

在庫最小化・粗利最大化のための経営ダッシュボード

革新的な開発思想

〈在庫ドック〉は、在庫最小化・粗利最大化を実現するための経営ダッシュボードです。現在手元にある在庫から得られる粗利益を最大化するために企業が追うべきKPIを、グラフやチャートで視覚的に理解しやすく表示します。

表示するKPIは、GMROIを中心に在庫回転率や消化率、売上金額、粗利率などであり、これまで同社が様々な企業の在庫最小化・粗利最大化を支援してきた経験から特に重要と思われる指標を網羅しています。

FULL KAITEN〈在庫ドック〉の概念図FULL KAITEN〈在庫ドック〉の概念図

Excelや既存のBIツールでは、属人化のリスクや異部署間の共通認識の醸成が難しいといった課題があり、見たい指標を即座に確認することも困難です。〈在庫ドック〉ではSQLを自分で記述する必要がなく、誰でも同じ画面を見るだけで在庫課題を理解できます。これにより、社内で共通認識を持ってアクション実行まで繋げることが可能になります。

主な機能と特徴

〈在庫ドック〉は売上や在庫などの各種データを分析して全社、店舗ごとおよび商品カテゴリごとの在庫リスクを自動診断し、適正在庫を実現するための改善点を特定します。分析においては、同社独自の予測アルゴリズムを用い、需要予測を日次で繰り返し行っています。

このため利用者は日々移り変わる在庫の特性(コンディション、リスク等)をタイムリーに把握できます。さらに、把握した課題を改善するために必要な具体的なアクションを利用者に提示するUIを備えています。

  • 在庫の「健康状態」を可視化:小売経営に不可欠なKPI(重要指標)を一覧で表示し、在庫の全体像と課題のボトルネックを直感的なUIで瞬時に把握できます。特に、在庫1円あたりでいくら粗利益を生み出したかを示す「GMROI」を重視し、在庫回転率と合わせて追跡することで、安定的な利益向上とキャッシュフローの改善を可能にします
GMROI、在庫回転率、売上、粗利額、粗利率、在庫高などのKPIを網羅GMROI、在庫回転率、売上、粗利額、粗利率、在庫高などのKPIを網羅
  • 多角的な課題把握と早期対応:日々の売上データから今後の売上と消化スピードを予測し、消化期日(販売期間)に基づいた在庫リスクを自動診断します。そのうえで適切な在庫状態を実現するための改善点を特定します
在庫クオリティごとにヒートマップで表示在庫クオリティごとにヒートマップで表示
  • 多角的な課題把握と早期対応:「クロス集計」機能を使用すると商品カテゴリ、カラー単位、店舗横断など、様々な切り口で詳細な分析が可能です。クロス集計した在庫に関して、業績指標や在庫スコア(コンディション、リスク等の特性)が一元表示されるため、利用者は取るべきアクションを即座に把握できます
クロス集計で課題一つひとつを深掘りし多角的に把握クロス集計で課題一つひとつを深掘りし多角的に把握

アクション実行にはFULL KAITENのマルチプロダクト

小売をはじめとした在庫ビジネスには、業務フローの各工程において下図のような投入リソース(人的、資金的な経営資源)と粗利毀損の関係があります。

業務フローと投入リソースの関係図

このためフルカイテン社はこれまで、こうした工程ごとのアクション(施策の実行)を起こすためのプロダクトを提供してきました。

FULL KAITENのプロダクト一覧

今回提供を開始する〈在庫ドック〉は、アクションを起こすためのFULL KAITEN〈倉庫出荷〉〈店間移動〉〈売価変更〉〈セット提案〉〈販売強化 for EC〉といった既存プロダクトを通じて顧客企業を支援する中で培ってきた同社のノウハウとナレッジが開発のベースになっています。

このため〈倉庫出荷〉〈店間移動〉〈売価変更〉〈セット提案〉〈販売強化 for EC〉などを活用することで、〈在庫ドック〉から得られたアクションを効果的に実践することが可能となります。

小売業界が直面する課題に対して、フルカイテン社の「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」は、在庫の可視化から改善までを一気通貫で支援するソリューションとして注目されています。今後も同社は小売企業やSPA、メーカーの在庫最適化を通じて、業界全体の発展に貢献していくことが期待されます。

在庫管理の効率化を求める企業にとって、「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」は単なる在庫分析ツールではなく、経営判断を支援する戦略的なパートナーとしての役割を果たします。特に、現在の厳しい市場環境の中で利益を最大化したい企業にとって、GMROIをはじめとした重要指標の可視化は、ビジネスの舵取りに欠かせない要素となっています。

フルカイテン社の新サービス「FULL KAITEN〈在庫ドック〉」は、これまでExcelやBIツールでは対応しきれなかった在庫課題の特定と改善を、より直感的かつ効率的に実現することで、小売業界のDX推進にも大きく貢献していくことでしょう。

会社概要

社名: フルカイテン株式会社
本社: 大阪市福島区福島1-4-4 セントラル70 2階B
設立: 2012年5月7日
代表者: 代表取締役 瀬川直寛
事業概要:在庫分析クラウド『FULL KAITEN』の開発・提供

出典元:フルカイテン株式会社 プレスリリース

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