政府備蓄米の認知率86.1%も実際の目撃率は34.3%にとどまる - Pontaリサーチ調査

株式会社ロイヤリティ マーケティング(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:勝 文彦)が、1都3県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)在住の20~60代の方を対象に実施した「政府備蓄米に関する調査」の結果が発表されました。この調査はTOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」との共同調査「馬渕・渡辺の#ビジトピ with Pontaリサーチ」として2025年7月1日~7月3日に行われたものです。調査結果から政府備蓄米への消費者の認識や購買行動の実態が明らかになりましたので、その内容をご紹介します。

調査結果のポイント

今回の調査では、政府備蓄米に関する消費者の意識や購入行動について、以下のような興味深い結果が明らかになっています。

  • 政府備蓄米の認知率は86.1%と高い一方で、実際に店頭で見たことがある人は34.3%にとどまっています
  • 備蓄米の購入経験は12.7%で、スーパーでの購入が中心となっています
  • 備蓄米の味や品質に不満を感じる人は1割未満と少数派です
  • 今後の購入意向は「機会があれば購入したい」が最多で39.4%を占めています
  • 備蓄米とブランド米の選択については「特にこだわりはない」が最多の28.9%となっています
  • 家庭での米の備蓄量は5kg未満が中心です

政府備蓄米の認知と目撃状況

調査によりますと、政府備蓄米の一般販売について「知っている」と回答した人は86.1%と高い認知率を示しています。しかし、実際に店頭で販売されているのを「見たことがある」と答えた人は34.3%にとどまっているようです。

また、5kgで2,000円前後という備蓄米の価格設定については、「妥当だと思う」という回答が46.1%と最も多く、約半数の消費者が価格に対して肯定的な見方をしていることがわかります。

備蓄米の価格設定に関する調査結果

備蓄米の購入状況と評価

政府が今年放出した備蓄米の購入状況については、「実際に購入した」という回答が12.7%でした。一方で、「購入するつもりはない」という回答が48.3%と約半数を占めています。

購入場所としては「スーパー」が64.6%と最も多く、次いで「通販サイト」が33.1%、「コンビニ」が9.4%となっています。購入量は「5kg」が67.7%と最多でした。

購入した備蓄米の味や品質については、「普通」が49.6%、「やや満足」が24.4%、「とても満足」が16.5%という結果になっています。「やや不満」「とても不満」と回答した人は合わせても1割未満にとどまり、多くの消費者が備蓄米の品質に一定の満足を示していることがわかります。

備蓄米の購入状況
備蓄米の購入場所
備蓄米の購入量
備蓄米の味や品質について

今後の購入意向と購入を迷う理由

今後、政府備蓄米の販売が続いた場合の購入意向については、「機会があれば購入したい」という回答が39.4%と最も多く、「ぜひ購入したい」という回答も10.4%ありました。これらを合わせると、約半数の消費者が備蓄米の購入に前向きな姿勢を示していることになります。

一方で、「あまり購入意向はない」(19.8%)、「購入するつもりはない」(30.4%)という回答も少なくなく、購入に慎重な姿勢を示す消費者も相当数存在することがわかりました。

購入を迷う理由としては、「品質(味・産地など)」が47.2%と最も多く、次いで「精米日や鮮度」(27.4%)、「備蓄米としての期限や保存方法」(27.2%)が挙げられています。これらの結果から、品質面の不安が消費者の購買行動に大きな影響を与えていることが明らかになっています。

政府備蓄米の今後の購入意向
備蓄米の購入を迷う理由

備蓄米とブランド米の選択意向と家庭の備蓄量

備蓄米の方が安くても、ブランド(銘柄)米を選びたいかという質問に対しては、「特にこだわりはない」という回答が28.9%と最も多く、次いで「安ければ備蓄米でも構わない(価格重視)」が25.7%、「できるだけ銘柄米を選びたい(価格が高くてもブランド重視)」が23.9%、「銘柄や価格よりも味や食感で選びたい」が21.5%と、ほぼ均等に分かれる結果となっています。

家庭で常備しているお米の量については、「2~4kg程度」が31.7%と最も多く、「常に5kg以上は備えている」が29.9%でした。また、普段食べている銘柄については、「特に決まった銘柄はない」が36.1%と最も多く、具体的な銘柄では「コシヒカリ」(35.9%)、「あきたこまち」(26.2%)が上位を占めています。

備蓄米とブランド米の選択意向
家庭で常備しているお米の量
普段食べているお米の銘柄

アナリストによるコメント

調査結果に対して、経済アナリストの馬渕磨理子氏は、「政府備蓄米に関する調査結果から、味や品質に不満を感じる人は1割未満と少数にとどまり、『備蓄米とブランド米の選択意向』では『特にこだわりはない』が最多となっています。消費者は価格やブランドよりも実用性や手軽さを重視している現状が明らかとなりました」とコメントしています。

さらに、「今後、米の消費減少や生産体制の硬直化といった根本的課題を解決するためには、単なる価格調整や一時的な備蓄米放出に頼るのではなく、農業の生産・流通構造そのものの抜本的な改革が不可欠です」と指摘しています。

また、消費経済アナリストの渡辺広明氏は、「備蓄米が初めて店頭に並ぶと言われた3月31日に、取り扱いのあるスーパーを4時間探してようやく手に入れたほどで、備蓄米はそれからしばらくの間も幻のお米でした。当初JAがほとんど買い上げた事や複雑な流通によって、小泉農水大臣の就任まで市場にあまり並ばない状況が続きました。今回の店頭目撃率3割強は、これまでの経緯から考えると高いとも言えます」と述べています。

さらに、「通常、ごはん1杯(150g)は30〜50円と大変コストパフォーマンスの良い食品です。令和の米騒動で価格が上がった時でも125円前後で、大衆の味方であり、他の食品よりも低コストで腹を満たせる食品です。日本の食料自給率(カロリーベース)は38%と危機的状況になってしまっていますが、米は自給率100%が可能な食品です。不安定な地政学の中、米不足や価格高騰から日本の食糧安全保障を考えると、輸出を含めた米政策の見直しが迫られる時期にあると見ており、今後の政府のさらなる抜本的改革を期待したいです」と食糧安全保障の観点からも言及しています。

馬渕・渡辺の#ビジトピ with Pontaリサーチ

調査概要

調査方法 インターネット調査
調査期間 2025年7月1日~7月3日
パネル 「Pontaリサーチ」会員(Ponta会員で「Pontaリサーチ」の会員登録をしていただいている方)
調査対象 1都3県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)在住20~60代の方
有効回答数 1,000名 ※性年代別に各100サンプル回収

調査結果は小数点第2位を四捨五入して算出されています。

共同調査「馬渕・渡辺の#ビジトピ with Pontaリサーチ」について

2023年5月よりTOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」の提供スポンサーとして株式会社ロイヤリティ マーケティングが参画しています。「馬渕・渡辺の#ビジトピ with Pontaリサーチ」は、世の中の最新ニュースからパーソナリティの経済アナリスト 馬渕磨理子氏と消費経済アナリスト 渡辺広明氏が生活者に調査したいトピックについて、同社が「Pontaリサーチ」で聴取する調査です。調査結果を番組内で紹介する他、同社のマーケティング紹介サイトのコラムでも公開されています。

TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」は、パーソナリティをつとめる経済アナリスト 馬渕磨理子氏と消費経済アナリスト 渡辺広明氏が世の中の最新ニュースをそれぞれの視点で分かりやすく解説している番組です。ビジトピとは、"ビジネストピックス"の略で、60分を聴くだけで、資産運用の話から、マーケティング用語、最新ヒット商品まですぐに役立つビジトピが身につくとされています。

放送日時は日曜 6:00~7:00で、出演者は消費経済アナリスト・渡辺広明氏(毎週)、経済アナリスト・馬渕磨理子氏(第1.2.4週)・キャスター・石川奈津紀氏(第3.5週)となっています。

出典元:株式会社ロイヤリティ マーケティング「政府備蓄米に関する調査」プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ