株式会社ネットプロテクションズ(本社:東京都千代田区、代表取締役:柴田 紳)は、後払い決済サービス「atone(アトネ)」において、生成AIを活用した自動応答機能を導入しました。この新機能により、一部の問い合わせにおいて約70%の解決率を達成しています。同社はAIの基盤としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する「Amazon Bedrock」を採用しています。

導入の背景

atoneの利用者増加に伴い、お問い合わせ件数も前年比で2倍に急増していたとのことです。特に「不正利用」に関する問い合わせについては、顧客の安全を守るためにも、迅速かつ正確な対応が求められます。しかしながら、限られた人的リソースでは対応に限界があり、より効率的な対応の仕組みが必要となっていました。

解決策と取り組み内容

この課題に対応するため、同社では以下のようなシステムを構築しました。

  • Amazon Bedrock と AWS Step Functions を組み合わせ、問い合わせ対応フローを自動化
  • Zendesk(CRMシステム)と連携させ、顧客からの問い合わせ内容をAIが分析し、マニュアルやFAQをベースに自動で初回回答を生成
  • 生成された回答について、AIがそのまま送信可能かどうかの判断まで実施
  • 特に緊急性の高い内容(例:不正利用に関する問い合わせ)については、AIの判断により人手を介さずに自動返信できる仕組みを構築

効果と今後の展開

この取り組みの結果、AIが作成した初回回答だけで解決した問い合わせの割合は約70%に達し、対応スピードも大幅に向上したとのことです。これにより、顧客が不安を感じるシチュエーションでも、より迅速にサポートできる体制が整いました。同時に、対応スタッフの業務負荷も軽減されるという副次的な効果も生まれているようです。

今後の展開としては、過去の対応履歴データも積極的に活用してAIの回答精度をさらに高めていく計画だということです。また、自動化できる範囲の拡大やFAQの拡充なども進め、より迅速かつ正確な顧客対応の実現を目指しているとのことです。

使用したサービス

サービス名 機能 今回の活用方法
Amazon Bedrock 単一の API を通じて先駆的な AI 企業からの高性能な基盤モデル (FM) の幅広い選択肢を提供するフルマネージドサービス Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Haikuを活用した生成AIの基盤モデル
AWS Step Functions 業務フローを自動で制御・管理するサービス 問い合わせ処理のワークフローを自動化
Amazon EventBridge AWS、独自のアプリ、SaaSアプリのデータの変更に対するリアルタイムアクセスを提供するサービス 問い合わせの種類ごとに処理を振り分け、連携
AWS Lambda サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できるサーバーレスのサービス 問い合わせの種類ごとに処理を振り分け、連携
Zendesk 顧客対応を効率的に行うためのクラウド型のCRMシステム 問い合わせの受付・管理
Amazon OpenSearch Service OpenSearch クラスターを運用およびスケールすることができるマネージドサービス FAQやマニュアルなどの知識データベースを構築
Amazon S3 データを格納・管理するためのオブジェクトストレージサービス FAQやマニュアルなどの知識データベースを構築

「atone」について

「atone」は、通販サイトだけでなく実店舗でも利用可能な後払い決済サービスです。利用者はお買い物をした後で代金を支払うことができるシステムとなっており、銀行口座やクレジットカード情報の登録、事前チャージなども不要で、すぐに利用を開始できる点が特徴です。

株式会社ネットプロテクションズ 会社概要

株式会社ネットプロテクションズのロゴ画像

商号    :株式会社ネットプロテクションズ

代表者   :代表取締役社長 柴田 紳

事業内容  :後払い決済サービス各種

創業    :2000年1月

資本金   :1億円

所在地   :東京都千代田区麹町4丁目2-6 住友不動産麹町ファーストビル5階

出典元: 株式会社ネットプロテクションズ プレスリリース

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