J.D. パワー、2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査結果を発表 - オフィス部門ではAmazon Businessが1位に

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D. パワー ジャパン(東京都港区に本社を置き、CEOは木本卓氏、以下J.D. パワー)が、2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査の結果を発表しました。

勤め先事業所のタイプ別に、オフィス部門、製造/現場部門、医療/介護部門に分けて調査を実施

今年も、法人向け通販サービス利用者の勤め先事業所のタイプに応じて、<オフィス部門>、<製造/現場部門>、<医療/介護部門>の3部門に分けて、顧客満足度の測定が行われました。

総合満足度スコア(1,000ポイント満点)については、オフィス部門が669ポイントで最も高く、続いて、医療/介護部門で658ポイント、製造/現場部門は656ポイントという結果になっています。

オフィス部門は、特に「サポート対応」、「配送対応」、「料金/請求」といったファクターで他部門を上回るスコアとなっており、昨年に続き、顧客サポート面や納期対応、価格設定等で高い評価を得ていることが明らかになりました。

今後益々、物流の高度化やカスタマーサポートの自動化・多様化が進むことが予想される中、「利便性」や「顧客対応品質」のさらなる向上が競争力の鍵となっていくことが予測されています。

法人購買におけるSDGs/サステナビリティ、半数以上が「意識して購入」していることが判明

近年、法人向け通販サービスに限らず、EC業界全体で多くの事業者がSDGsやサステナビリティに関する取り組みを積極的に展開しています。環境負荷の低減、持続可能な物流、エコパッケージの導入など、企業の調達・購買活動においても環境配慮型の選択が進みつつあります。

本調査では、法人向け通販サービス利用時におけるSDGsやサステナビリティへの意識について聴取されました。その結果、意識して利用している(「常に意識して利用している」、「意識して利用することがよくある」、「意識して利用することがたまにある」)という回答は、オフィス部門で計56%、製造/現場部門で計60%、医療/介護部門で計59%となり、半数以上のユーザーが何らかの形で意識していることが示されました。

一方、「特に意識して利用はしていない」とする回答も約4割にのぼり、SDGsやサステナビリティに対する関心が薄いユーザーも多い点も注目されています。

事業所規模別では、いずれの部門においても従業員数の多い大規模事業所ほど、SDGsやサステナビリティを意識して利用しているとする回答が高まる傾向が見られており、SDGsやサステナビリティに関するニーズは大企業を中心に高いことがわかりました。

SDGsやサステナビリティへの意識グラフ

法人通販のSDGs/サステナビリティへの関心、最多は「リサイクル活動」であることが判明

法人向け通販サービス事業者におけるSDGsやサステナビリティに関する取り組みについて、どのような項目に関心があるかを複数回答形式で聴取した結果、全体で最も関心が高かったのは「リサイクル活動(資源回収サービス)」で、オフィス部門(48%)、製造/現場部門(39%)、医療/介護部門(42%)のいずれでも最多となりました。この結果から、環境負荷の低減や資源循環に対する意識の高さがうかがえます。

また、「環境対応商品の取り扱い・品揃え」や「物流問題や配送におけるCO2削減への取り組み」も、いずれの部門においても関心の高い項目として挙げられ、環境配慮商品(エコロジー商品)や持続可能な物流に対するニーズ、関心の強さが明らかとなっています。

部門別に見ると、製造/現場部門では「環境購買実績の管理機能」への関心が他部門より高く、グリーン購買といった調達管理プロセスに直結する項目への注目がうかがえます。医療/介護部門では「インクルーシブデザイン商品の取り扱い・品揃え」への関心が他部門より高く、多様な利用者への配慮や現場での使いやすさに対するニーズが見られました。

この調査結果は、多くの法人ユーザーが環境配慮や社会的責任を意識した購買行動を行っている一方で、事業内容ごとに異なるニーズや関心軸が存在することも示しています。今後は、こうした事業タイプ別の関心に応じた情報提供やサービス設計も、企業のSDGs対応力を高める上で重要な要素となると考えられます。

SDGs/サステナビリティへの関心項目グラフ

J.D. パワー 2025年法人向け通販サービス顧客満足度No.1発表

総合満足度ランキングは下記の通りです。

<オフィス部門>(対象9ブランド)

第1位:Amazon Business(681ポイント)

「ウェブサイト/カタログ」、「料金/請求」、「提供商品・サービス」の3ファクターで最高評価を獲得しています。

第2位:ASKUL(674ポイント)

第3位:イー・クイックス(672ポイント)

オフィス部門ランキング

<製造/現場部門>(対象6ブランド)

第1位:ASKUL(668ポイント)

「配送対応」、「ウェブサイト/カタログ」、「料金/請求」、「提供商品・サービス」、「サポート対応」の全5ファクターで最高評価となっています。

第2位:モノタロウ(659ポイント)

製造/現場部門ランキング

<医療/介護部門>(対象7ブランド)

第1位:たのめーる(691ポイント)

「配送対応」、「ウェブサイト/カタログ」、「料金/請求」、「提供商品・サービス」、「サポート対応」の全5ファクターで最高評価を得ています。

第2位:Ciモール(674ポイント)

第3位:モノタロウ(668ポイント)

医療/介護部門ランキング

J.D. パワー 2025年法人向け通販サービス顧客満足度調査の概要

この調査は、年に1回、勤め先で法人向け通販サービスを利用している人を対象に、利用状況や各種経験、満足度を聴取し明らかにするもので、今回で13回目の実施となります。

2024年より、勤め先の事業所のタイプ別に、<オフィス部門>、<製造/現場部門>、<医療/介護部門>の3部門に分けて顧客満足度を測定しているとのことです。

各部門の定義は以下の通りです。

<オフィス部門>:一般オフィス、店舗、学校・教育施設等の事業所でオフィス用品(文具・事務用品、コピー用紙・インク、パソコン用品等)の購入に利用されている法人向け通販サービス

<製造/現場部門>:製造業、建設業、工事業等の現場事業所(工場、建設現場事務所、研究開発拠点等)で工具・現場作業用品・機械部品・研究用品等の購入に利用されている法人向け通販サービス

<医療/介護部門>:医療・介護関連施設(病院、診療所、調剤薬局、介護施設等)で医療用品・介護用品・衛生用品・医療材料等の購入に利用されている法人向け通販サービス

調査の実施期間は2025年5月中旬~5月下旬で、インターネット調査により実施されました。調査対象は従業者数3名以上規模事業所における法人向け通販サービス利用者で、調査回答者数はオフィス部門が3,226人、製造/現場部門が1,512人、医療/介護部門が1,514人となっています。

総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアが算出されています。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に以下の通りです(カッコ内は影響度)。

「配送対応」(29%)、「ウェブサイト/カタログ」(24%)、「料金/請求」(21%)、「提供商品・サービス」(20%)、「サポート対応」(6%)

なお、J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものとのことです。

J.D. パワーについて

J.D. パワーは、米国に本社を置く消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。

J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。

出典元:株式会社J.D. パワー ジャパン プレスリリース

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