5月の航空旅客数が348万人を記録、外国人旅客数は過去最高の200万人超えを達成

5月の航空旅客数は前年同月比107%となる348万人を記録し、5月としては2019年の362万人に次ぐ2番目の高水準となったことが発表されました。また国際線では外国人旅客数が5月として過去初めて200万人を突破する206万人(前年同月比115%)に達し、国際航空の回復が顕著に表れています。一方、国際線貨物量も16.1万トン(前年同月比101%)と14カ月連続で前年を上回る結果となっていることが報告されています。

旅客便の動向

今月の航空旅客数全体は348万人(前年同月比107%)を記録したことが報告されています。これは5月としては2019年に記録された362万人に次ぐ、2番目に多い水準となっています。コロナ禍からの回復が着実に進んでいることを示す結果と言えるでしょう。

国際線旅客数に目を向けると、287万人(前年同月比111%)という結果になっています。特筆すべきは外国人旅客数で、5月としては初めて200万人の大台を突破し、206万人(前年同月比115%)を記録しました。これにより3カ月連続で200万人超えの水準を維持しています。単月の実績としては、2025年4月の225万人、2025年1月の215万人に次ぐ、歴代3番目の高水準となっていることがわかります。

国際線旅客便の発着回数は14,363回(前年同月比110%)となりました。路線別に見ると、特に中国線が好調で2,585回(前年同月比143%)を記録し、前年同月から782回の大幅増加を示しています。中国との往来が急速に回復していることが数字からも明らかです。

一方、国内線の状況を見ると、旅客数は60.1万人(前年同月比91%)、発着回数は3,817回(前年同月比88%)と、国際線とは対照的に前年を下回る結果となっています。国内線については、まだ完全な回復には至っていない状況が続いているようです。

このグラフからも分かるように、国際線の回復が顕著である一方、国内線については前年を下回る傾向が続いています。特に国際線における外国人旅客数の伸びは目覚ましく、インバウンド需要の回復が航空業界全体の回復を牽引していると言えるでしょう。

特に注目すべきは、外国人旅客数が3カ月連続で200万人を超える水準を維持していることです。これは観光立国を目指す日本にとって非常に重要な指標であり、観光業界全体の回復を示すものとして評価できます。

国際線旅客便の発着回数も前年同月比110%と順調に回復しており、特に中国線の回復が著しいことが特徴的です。中国線は前年同月比143%と大幅な増加を示しており、前年同月から782回の増加は、中国からのインバウンド需要の急速な回復を表しています。

貨物便の動向

航空貨物の分野に目を向けると、国際線貨物便の発着回数は2,435回(前年同月比96%)となったことが報告されています。わずかに前年を下回る結果となっていますが、依然として高い水準を維持しています。

一方、国際航空貨物量は16.1万トン(前年同月比101%)を記録し、14カ月連続で前年同月を上回る結果となっています。この持続的な成長は、国際物流における航空貨物の重要性が高まっていることを示しています。

このグラフは国際航空貨物量の推移を示しています。14カ月連続で前年同月を上回る成長を続けており、国際物流における航空貨物の安定した需要を表しています。発着回数がわずかに減少している一方で貨物量が増加していることから、輸送効率の向上が図られていると推測されます。

貨物便の動向は旅客便とは異なる傾向を示すことがあります。世界的なサプライチェーンの状況や電子商取引の拡大など、様々な要因が航空貨物の需要に影響を与えます。今回の結果は、日本を含むグローバルな物流ネットワークの回復と拡大を示す重要な指標となっています。

発着回数はわずかに減少していますが、貨物量自体は増加しているという点は、一便あたりの輸送効率や積載率が向上している可能性を示唆しています。これは航空会社の運航戦略や機材選択の最適化が進んでいることを反映していると考えられます。

総括

5月の航空統計データを総合的に見ると、特に国際線における回復が顕著であることがわかります。外国人旅客数が5月として初めて200万人を突破し、3カ月連続で200万人超えを達成したことは、インバウンド需要の力強い回復を示しています。

また、国際航空貨物量が14カ月連続で前年同月を上回るなど、航空物流の分野でも安定した成長が続いています。これらの結果は、日本の航空業界全体が着実に回復し、一部の指標では過去最高水準に近づいていることを示しています。

このグラフは旅客数の詳細な内訳を示しており、国際線における外国人旅客数の顕著な増加が確認できます。一方、国内線については依然として回復途上にあることが見て取れます。

国際線旅客数の増加は、日本政府による観光促進政策や円安効果、さらには世界的な旅行需要の回復など、複数の要因が組み合わさった結果と考えられます。特に中国線の顕著な回復は、日中間の人的交流が急速に復活していることを示唆しています。

一方で、国内線の旅客数と発着回数がともに前年を下回っている点については、国内旅行需要の変化や航空会社の路線戦略の見直しなど、様々な要因が考えられます。今後の動向を注視する必要があるでしょう。

航空貨物については、発着回数の微減にもかかわらず貨物量が増加している点が注目されます。これは、航空会社が効率的な運航体制を構築していることや、高付加価値貨物の輸送が増加している可能性を示唆しています。

今回の統計データは、日本の航空業界が新型コロナウイルスの影響から着実に回復し、一部の指標では過去最高水準に迫る成長を示していることを明らかにしています。特に国際線における外国人旅客数の増加は、インバウンド観光の復活を如実に表しており、観光立国を目指す日本にとって明るい兆しと言えるでしょう。

今後も国際線を中心とした回復傾向が続くことが期待される一方、国内線の需要喚起や路線戦略の最適化など、航空会社にとっての課題も浮き彫りになっています。航空業界全体としては、安全性を確保しながら効率的な運航体制を構築し、変化する需要に柔軟に対応していくことが求められるでしょう。

出典元:成田国際空港株式会社 プレスリリース

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