SDGsの認知率83%で横ばい傾向、女性40代・60代で認知率増加―クロス・マーケティング調査

株式会社クロス・マーケティング(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:五十嵐 幹)が、2025年6月に全国18~69歳の男女3,000名を対象として「SDGsに関する調査(2025年)」を実施したことが発表されました。この調査では、SDGsの浸透状況について認知率の推移、SDGs教育の有無、認知経路と印象に残った情報、17の目標の認知・重要性、関連ワードの認知などの分析が行われています。

世界経済フォーラムが2025年に発表したグローバルリスク報告書によると、2025年に世界規模で最大の危機をもたらす可能性が高いリスクとして「国家間の武力紛争」と「異常気象」がTOP2となっています。SDGsの目標達成期限まであと5年となった今回の調査では、様々な角度からSDGsの浸透状況が明らかにされています。

SDGs認知と学校や職場でのSDGs教育

調査によると、SDGsの認知率(名称も内容も知っている+名称は聞いたことがある)は83%となっており、2022年から横ばい状態が続いていることが分かりました。

SDGs認知率の推移

2024年と比較して認知率が増加したのは女性40代と60代、一方で低下が目立つのは女性18~29歳という結果となっています。

性年代別SDGs認知率

SDGs認知者のうち、学校や職場で教育・研修を受けた人の割合は15%で、昨年よりもやや低下していることが明らかになりました。特に18~29歳では教育を受けた人が29%と高い割合を示しており、これは学校教育の影響が考えられます。

SDGs教育・研修の状況

SDGsが印象に残った認知経路

印象に残った認知経路(3つまで選択)としては、「テレビ番組」「Webニュース・記事」「テレビCM」「仕事・学校」などが挙げられています。年代が上がるほど「テレビ番組」「Webニュース・記事」「新聞記事/広告/折込チラシ」の割合が増加し、若い世代では「仕事・学校」「YouTube」「X」からの情報接触が多いという特徴が見られました。

印象に残った認知経路

認知経路別に印象に残った内容(ポジティブ・ネガティブ含む18項目呈示)についても調査が行われました。テレビ番組、テレビCM、友人や家族、同僚などの身近な人の話では「気候変動の原因に対して自分ができることの事例」が多く挙げられています。テレビCMや店頭のチラシ・ポスターなどの販促物では「楽しいエコ活動など、個人の貢献などを促す前向きな声」が印象に残っていることが分かりました。

一方、YouTubeでは「有名人がSDGsを支持し商品や活動をPR」する内容が、Xでは「中身がなく言葉だけ流行るSDGsに「もういいよ」的な反応」といったネガティブな印象がやや強い結果となっています。

認知経路別に印象に残った内容

17の目標の認知と重要性/SDGs関連ワード認知

SDGsの17の目標の中で最も認知度が高いのは「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「飢餓をゼロに」で、いずれも3割台の認知率となっています。一方、重要性については「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」がTOP3にランクインしました。興味深いことに、認知度が高い「ジェンダー平等を実現しよう」は重要性の順位では15番目と低く位置づけられています。

17の目標の認知と重要性

SDGs関連ワードの認知率(名称も内容も知っている+名称は聞いたことがある)についても調査が行われました。「食品ロス」「再生可能エネルギー」「地産地消」「サステナブル」が上位を占めており、2023年以降この順位に変動はないことが報告されています。

SDGs関連ワードの認知率

レポート項目一覧

今回の調査レポートには以下の項目が含まれています。

  • 調査概要
  • 回答者プロフィール
    (性別・年代・居住地・婚姻状況・職業・都市規模・同居家族・PNCL構成比)
  • ポテンシャル・ニーズ・クラスター(PNCL)について
  • 背景情報(接触メディア・生活意識)

調査結果サマリー

調査結果詳細

  • SDGs認知、認知経路
  • 印象に残った情報源、印象に残った情報の内容
  • 学校・仕事での「SDGs教育」の経験
  • 17の目標 認知/興味・関心/協力できそうなもの/重要だと思うもの
  • SDGsに対する理解
  • 関連ワードの認知

調査概要

本調査は以下の概要で実施されました。

  • 調査手法 :インターネットリサーチ
  • 調査地域 :全国47都道府県
  • 調査対象 :18~69歳の男女、人口構成比に応じて割付
  • 調査期間 :2025年調査:6月4日(水)~6日(金)
  • 有効回答数:本調査3,000サンプル

※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります

会社概要

調査を実施した株式会社クロス・マーケティングの概要は以下の通りです。

  • 会社名:株式会社クロス・マーケティング
  • 所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー24F
  • 設 立:2003年4月1日
  • 代表者:代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹
  • 事業内容:マーケティングリサーチ事業、マーケティング・リサーチに関わるコンサルテーション

この調査によって、SDGsの認知状況や、人々が重要視している目標、情報接触の経路など、SDGsに関する多角的な分析結果が明らかになりました。特に注目すべきは、認知率が全体で83%と高い水準で安定している一方で、年代や性別によって認知経路や重要視する目標に違いがあること、また社会的に注目されている目標と重要視されている目標には差があることなどが分かりました。

今後、SDGsの目標達成期限が迫る中で、これらの調査結果は企業や団体がSDGsの啓発活動や取り組みを進める上で重要な指針となることが期待されます。また、若年層と高齢層でのSDGsに対する認識の違いも明確になり、ターゲット層に合わせた情報発信の重要性も示唆されています。

出典元:株式会社クロス・マーケティング プレスリリース

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