
株式会社小田急エージェンシーと株式会社データ・ワンは、小田急線車両内のデジタルサイネージ「小田急TV」と小田急沿線のファミリーマート店舗内で放映される「FamilyMartVision」を連携させた新たな広告パッケージ商品を2025年6月2日から発売するとのことです。この新サービスは、通勤・通学などの移動時から店舗での購買に至るまでの生活動線をシームレスにカバーし、広告効果の最大化を図る画期的な取り組みとなっています。

今回発表された広告パッケージは、小田急TVが初めてリテールメディアと連携する試みであり、小田急線利用者の移動時に接触した広告を、沿線のファミリーマート店頭でも再度訴求することで、リーチ獲得だけでなく消費者の行動変容を促進することを目指しているとのことです。
特に注目すべき点は、「リーセンシー効果」(直前に見た広告が購買に影響を与える効果)を活用している点です。電車内で広告を見た後、実際の売り場であるファミリーマート店舗内で同じ広告に再接触することで、広告効果や購買意欲の向上が期待されています。
小田急TVでは本商品の導入に合わせて、従来は設定していなかった朝・昼・夜の時間帯別放映プランを新たに導入するとのことです。これにより、広告内容やターゲット層に合わせた効果的な広告展開が可能になります。
この記事の目次
商品概要
媒体名は「小田急TV(OTV)×FamilyMartVision 小田急沿線 OOHパッケージ商品」で、以下の2つのプランが用意されています。
①フル放映プラン
朝・昼・夜の全時間帯で広告放映を行う総合的なパッケージプランとなっています。
- 掲出期間:2週間(小田急TVは月曜日放映開始/FamilyMartVisionは火曜日放映開始)
- 放映時間:小田急TV 5:00~翌1:00、FamilyMartVision 終日
- 放映秒数:15秒/1枠
- 販売対象期間:2025年6月16日(月)~2026年2月16日(月)放映開始分まで
- 掲出料金:3,000,000円(税別)
②時間帯別放映プラン
朝・昼・夜の時間帯から希望の放映時間を選択できるプランです。小田急TVの時間帯別放映はこのセット商品だけの限定プランとなっています。
- 掲出期間:2週間(小田急TVは月曜日放映開始/FamilyMartVisionは火曜日放映開始)
- 放映時間:
- 朝枠 5:00~10:59(小田急TV・FamilyMartVision共通)
- 昼枠 11:00~16:59(小田急TV・FamilyMartVision共通)
- 夜枠 17:00~翌1:00(小田急TV)、17:00~翌4:59(FamilyMartVision)
- 放映秒数:15秒/1枠
- 販売対象期間:2025年6月16日(月)~2026年2月16日(月)放映開始分まで
- 掲出料金:
- 朝枠 1,260,000円(税別)
- 昼枠 1,410,000円(税別)
- 夜枠 1,260,000円(税別)
小田急TV(OTV)の概要

小田急TVは、小田急線の車両内に設置された人気のデジタルサイネージメディアです。沿線には多数の商業施設や大学・短大キャンパスなどがあり、沿線住民だけでなく幅広い層へのアプローチが可能となっています。
基本情報
- 媒体仕様: 17インチ液晶モニター、4,784面(8面×598両)
- 放映時間: 5:00~翌1:00
- 車両導入率: 598両/896両(導入率66.7%)
- 販売方法: ロール販売(1ロール毎にローテーション)
- ロール長: 最大14分/1ロール
- 音声: なし
FamilyMartVisionの概要

FamilyMartVisionは、株式会社ゲート・ワンが運営する日本最大級のリテールサイネージネットワークで、全国約10,200店舗に設置されています。2週間で最大約5,500万人への接触が可能な強力なメディアとなっています。
本プランでは、小田急沿線のファミリーマート店舗(新宿-和泉多摩川間の駅半径1km以内、登戸以西の駅半径1.5km以内)の156店舗が対象となります。ただし、FamilyMartVision設置店舗に限るとのことです。
基本情報
- 媒体仕様: 43~49インチ×3面(一部例外あり)
- 媒体枠構成: 深夜・朝・昼・夜/1枠15秒
- ロール長: 10分/1ロール
- 音声: あり
新しい広告の可能性
本広告パッケージの大きな特徴は、電車内と店舗内という異なる場所で同一の広告に接触することによる相乗効果を狙っている点です。特に、生活動線に沿った広告展開により、消費者の購買行動に直接影響を与えることが期待されています。
朝の通勤・通学時間帯に小田急TVで広告を見た利用者が、夕方の帰宅時にファミリーマートに立ち寄った際に同じ広告を目にすることで、商品やサービスへの認知や関心が高まり、購買行動につながりやすくなるという効果が見込まれます。
また、時間帯別のプランを選択することで、朝食商品なら朝の時間帯、夕食向け商品なら夕方・夜の時間帯というように、商品特性に合わせた効果的な広告出稿が可能になるとのことです。
小田急沿線の特性を活かした広告展開
小田急線は新宿を起点に神奈川県まで伸びる路線で、沿線には住宅地や商業施設、教育機関などが多く存在します。この地域特性を活かし、沿線住民や小田急線利用者に対して効果的にアプローチできることが本広告パッケージの強みとなっています。
特に、同一のエリア内で移動手段と小売店舗両方の広告媒体を連携させることで、地域に密着した広告展開が可能になります。地域限定商品やサービス、イベントの告知などにも効果的な広告手法といえるでしょう。
デジタルサイネージ広告市場の拡大
近年、デジタルサイネージ広告市場は急速に拡大しており、特に移動空間や小売店舗内での広告価値が高まっています。今回の小田急TVとFamilyMartVisionの連携は、こうした市場動向を捉えた先進的な取り組みといえるでしょう。
従来、別々に扱われていた交通広告とリテール広告を組み合わせることで、消費者の行動パターンに沿った一貫性のあるメッセージ発信が可能になります。これは広告主にとって、より効果的な広告投資を実現する選択肢となります。
デジタルサイネージの特性を活かした動画広告や、時間帯によるコンテンツ変更など、クリエイティブな広告表現も期待できる点も注目されています。
今後の展望
本広告パッケージは2025年6月からの提供開始となりますが、今後さらに連携するリテールメディアを拡大していく可能性も考えられます。また、デジタル広告の特性を活かした効果測定やターゲティングの精度向上など、さらなる進化も期待されています。
移動から購買までをシームレスにつなぐ広告手法は、消費者のライフスタイルに寄り添った自然な形での情報提供を可能にします。こうした取り組みが、広告市場における新たなスタンダードとなっていく可能性も高いといえるでしょう。
出典元:株式会社小田急エージェンシー プレスリリース