ネオマーケティングが「カテゴリー理解ラボ」新設 - 消費者の潜在意識を可視化し「潜在的諦め™」「潜在的アタリマエ™」の視点から市場開拓

株式会社ネオマーケティング(東京都渋谷区、証券コード4196、代表取締役 橋本 光伸)が、消費者視点から様々な商品・サービスのカテゴリーがどのように認識されているかを理解するための新プロジェクト「カテゴリー理解ラボ」を立ち上げることを発表しました。

なお、このプロジェクトにおける「カテゴリー」とは、消費者が商品やサービスの共通特徴や性質に基づいてグループ分けして認識しているもの(例:ビールカテゴリー・ペットボトル入り緑茶カテゴリーなど)と定義されています。

カテゴリー理解ラボ立ち上げの背景

同社ではこれまで様々なカテゴリーに対する消費者認識を継続的に調査・発信してきました。コモディティ化が進む市場環境において、さらなるシェアアップや新市場創出のためにはカテゴリー理解が不可欠である一方、多くの企業ではカテゴリーへの理解が十分に進んでいないという現状があります。

この実態を踏まえ、消費者がカテゴリーをどのように認識(パーセプション)しているかを調査し、参入すべきカテゴリーのエントリーポイントやイノベーションの種を発見するための研究を行い、定期的に情報発信することを目的としています。

重要視される二つの視点

カテゴリーを理解する上で、ネオマーケティングが重要と考えている視点が2つあります。

潜在的諦め™

意味:
「本当はこうなったらいいのに」と思っているが、「どうせ無理だろう」「しょうがない」と本人すら気づかぬうちに諦めてしまっている状態。

マーケティングでの活用:

  • 「潜在的諦め」は、未充足ニーズの宝庫
  • 「本人も諦めていて声に出さない」からこそ、インサイトとして掘り起こす価値がある
  • 潜在的諦めを言語化し、それを「できる」に変える商品は強い

潜在的アタリマエ™

意味:
本当はすごい価値なのに、生活者があまりに慣れすぎてそのありがたみを感じなくなっている状態。もしくは、価値だとすら認識していない状態。

マーケティングでの活用:

  • 「潜在的アタリマエ」は、価値の再定義・再発見による差別化の起点
  • ブランディングにおいて、「実はすごいことなんです」と再提示することで、商品の価値が再評価される

カテゴリー理解の実例

上述の視点から、どのようにカテゴリーを理解していくべきか、自主調査を参考に具体例が紹介されています。

コンビニエンスストアの例

調査方法として、以下の2ステップが採用されました。

  1. コンビニエンスストアのネガティブイメージとポジティブイメージを自由回答で聴取
  2. ステップ1でピックアップしたイメージ(特に少数意見)を選択肢化して再聴取

自由回答では少数だが選択回答では数倍の支持率を集める項目が、カテゴリー認識を変えるヒントになるという考え方です。

潜在的諦め™(POD探索の源泉)

コンビニに対するネガティブイメージを自由回答で聴取した結果、「トイレが使えない」という意見はわずか0.2%でした。しかし選択肢として提示すると9.3%が同意しました。

このような「言われてみたら確かにそう」という気づきは、独自価値(POD)のヒントになります。つまり、もしそれを解消できれば、競合との差別化・独自化ポイントになる可能性があります。

潜在的アタリマエ™(潜在的POP™に直結)

同様に、自由回答では目立たなかった「トイレが使える」という回答(0.5%)も、選択肢として提示すると31.3%と高いスコアを記録しました。

これは「言われないと気づかないが、なければ困る」という当たり前価値(POP)と考えられます。

n=1,000(男女20-60代、人口構成比に補正)

「潜在的諦め™(ネガティブ)」や「潜在的アタリマエ™(ポジティブ)」の把握は、POD/POPの再設計や新たなイノベーション創出において重要なヒントとなります。

例えば、トイレを有料で確実に使えるようにすることで「ユーザーの満足」「店舗の収益化」「地域のインフラ」として三方よしの高付加価値提案につながる可能性があります。

プロテインの例

プロテインについても同様の調査アプローチが取られました:

  1. プロテインのネガティブイメージとポジティブイメージを自由回答で聴取
  2. ステップ1でピックアップしたイメージ(特に少数意見)を選択肢化して再聴取

潜在的諦め™(POD探索の源泉)

「人工的」「おいしくない」といった印象が潜在的なトライアル障壁になっていることが明らかになりました。プロテインは話題性があるものの、「気になるけれど手を出しにくい」という心理が働いている可能性があります。

これらの課題を解消できれば、競合と差別化・独自化できるポイントになり得ます。

n=1,000(男女20-60代、人口構成比に補正)

潜在的アタリマエ™(潜在的POP™に直結?)

「筋肉系」のイメージが圧倒的に強く、「それ以外の健康効果」はまだ生活者の中で"当たり前"になっていないことがわかりました。

そのため、「健康的なダイエット」「美容」「食事置き換え」など、生活文脈に沿ったPOPの再構築が有効である可能性が示されています。

n=1,000(男女20-60代、人口構成比に補正)

調査概要

  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査対象:男女20~69歳
  • サンプルサイズ:1,000s
  • 割付:5歳刻みで均等に回収(一部年代で欠損あり)
  • サンプル補正:20~69歳男女の5歳刻み人口構成比に基づくウェイト補正を実施し、集計
  • 調査期間:2025年4月4日~2025年4月5日

ネオマーケティングでは今後、マーケティング業界の有識者と共に、カテゴリーの理解を深め、成熟市場であっても次なる一手を戦略的に考察し、より良い商品開発やサービス展開のためのヒントを発信していく予定です。

カテゴリー理解の重要性に対する想い

福徳 俊弘(株式会社ネオマーケティング 顧問)

「仕事をいくつかこなした午後、あーコーヒーが飲みたい、と思います。休みの日の午後にテニスを仲間と楽しんだ夕方は、あービールが飲みたい、と思います。

人はブランドではなく、まず"カテゴリー"で商品を想起します。そのカテゴリーは、生活者にとって「ニーズを満たすための手段の集まり」であり、気持ち・メリット・価値・ブランド競争という複数の競争次元が交錯する起点です。」

吉原 慶(株式会社ネオマーケティング ストラテジックリサーチ部 部長)

「本ラボでは、無意識に形成されたカテゴリー認識と、そこに眠るブランドの勝ち筋となるインサイトを丁寧に可視化し、カテゴリーをどの切り口からイメージさせると有利になるのか、カテゴリーエントリーポイント(CEP)の発見と設計に挑みます。

競争軸や競争次元を見誤れば、どれだけ優れた商品でも想起されない。だからこそ、カテゴリーの理解と再定義こそが、すべてのマーケティング戦略の出発点であり、新たな勝ち筋発見の機会になると考えています。」

※競争次元とは

  • 気持ち競争:今一番満たしたい気持ち(癒し・ごほうび など)
  • メリット競争:○○したい(エネルギー補給、時短、リラックス など)
  • 価値競争:カテゴリ内で当然求められる価値
  • ブランド競争:このブランド"だから"選ぶ理由

株式会社ネオマーケティング 会社概要

  • 所在地:東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル11F
  • 代表者:代表取締役 橋本光伸
  • 資本金:8,562万円
  • 事業内容:マーケティング支援事業

出典元: 株式会社ネオマーケティング プレスリリース

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