株式会社メディアリーチ(本社所在地:大阪府大阪市、代表者:松村俊樹)が、全国1,200名を対象に実施した「検索エンジン・生成AI・SNSによる検索行動に関する調査」の結果が発表されました。この調査は、ユーザーの検索や情報収集に関する行動の変化を把握することを目的としています。

【調査概要】

調査名:検索エンジン・生成AI・SNSを利用した検索行動に関するアンケート

実施日:2025年4月9日

回答数:1,200件(全国、18〜65歳、性別均等)

調査方法:オンラインアンケート調査(単純集計+年代・性別クロス集計)

調査機関:株式会社メディアリーチ

※「複数回答可」の質問は、合計が100%を超える場合があります。

生成AIやSNS、動画コンテンツの普及に伴い、検索手段はGoogle一択から多様化しています。株式会社メディアリーチは、18歳から65歳の男女1,200名を対象に検索や情報収集行動に関する詳細な調査を実施しました。

調査結果により、検索エンジンが主体であるものの、目的や情報の種類によってSNSや生成AI、動画の利用が「使い分けられる」傾向が強まっていることが明らかになりました。情報選択の基準が「信頼性」から「利便性」や「習慣」へとシフトしており、デジタルコンテンツ戦略の見直しが求められる状況です。

調査サマリー

  • Google検索の利用率は62.1%でトップを維持していますが、SNSや動画、生成AIも併用される傾向が見られます。

  • 「使い慣れているから」や「操作が簡単」といった理由が検索エンジン利用の上位理由となり、信頼性は下位に位置しています。

  • 検索の目的に応じたツールの選択がはっきりと分化しており、AIは専門分野に、SNSは趣味や店舗検索において優位性を示しています。

  • 最も信頼されているツールはGoogleですが、生成AIに対しては9割以上が懐疑的という結果が出ています。

  • 若年層や女性はSNS・動画を、30〜40代男性は生成AIを主に利用する傾向が見受けられます。

第1章:検索エンジンは依然主流だが、“使い分け”が浸透──動画・SNS・AIの選択肢が広がる

複数回答可の質問では、Google検索(62.1%)とYouTube(53.9%)が高い利用率を誇ります。X(旧Twitter)、Instagram、ChatGPTもそれぞれ1〜4割のユーザーに利用されています。

特に20代以下においては、TikTokやInstagramを情報収集に利用する割合が高く、特に10代女性ではTikTok(56%)がGoogle(66%)に近い使用率を示しています。また、生成AIの利用者も約1割で、今後の普及が予想されます。

また、ツール選択の理由は「使い慣れているから(61.9%)」「操作が簡単(45.9%)」「すぐに見つかる(45.7%)」と続き、信頼性の評価は低いことが明らかになりました。この結果から、検索エンジンが選ばれるのは信頼性よりもUXや習慣に影響されていると考えられます。

年代・性別別の傾向

  • 10代女性では、TikTok(69.0%)、Instagram(63.0%)、X(61.0%)などのSNSの利用率が非常に高く、Google検索(66.0%)とほぼ同じ使用率です。

  • 20代女性もSNS利用が顕著で、TikTok(51.0%)、Instagram(57.0%)、X(45.0%)の順で、YouTube(56.0%)とGoogle検索(41.0%)の利用も目立っています。

  • 30代男性はYouTube(61.0%)とGoogle検索(61.0%)を併用し、Instagram(47.0%)やChatGPT(10.0%)も使用されています。

  • 40代男性ではGoogle検索(70.0%)が最も多いものの、X(41.0%)、YouTube(59.0%)も利用されています。

  • 60代男性はGoogle検索(68.0%)とYahoo!(65.0%)を主なツールとして使用しており、SNSやAIの使用は限られています。

第2章:目的別に広がる検索チャネルの使い分け──“最適な情報源”がツールを選ばせる時代へ

検索目的に応じた検索チャネルの使い分けが明確に見える結果が得られました。日常的な情報の検索は依然として検索エンジンが主流ですが、専門的な知識や学習に関しては生成AIの利用が増加しています。趣味やエンタメに関しては、SNSやYouTubeが重要な代替手段となっています。

特に「比較・検討」や「店舗検索」分野では、SNSや動画が補完的に使われ、ユーザーは情報の種類や目的に応じて複数のチャネルを利用した検索行動を行っています。

年代・性別別の傾向

  • 10代から20代の女性では、SNS(X、Instagram、TikTok)が非常に多く利用され、「お店」や「趣味」に関する情報検索で高い使用率が見られます。

  • YouTubeは30〜40代男性において、比較・検討や学習目的での利用が顕著です(30代男性42%、40代男性42%)。

  • 30代から40代男性では、仕事や学習目的での生成AIの利用が10〜20%に達し、ChatGPTやGeminiの業務用途が進んでいます。

  • 高齢層(50〜60代)では検索エンジンが主に使用され、目的に対してSNSやAIの利用率は非常に低い傾向があります。

第3章:“検索の信頼”は依然Google、AIは懐疑的視線──信頼性で選ばれる情報チャネルの構造

最も信頼されている情報収集ツールは依然としてGoogle検索(51.5%)、次いでYahoo!検索(24.3%)、YouTube(7.9%)です。その一方で、生成AIツール(ChatGPT、Geminiなど)は信頼性が約1%に留まっています。

生成AIに対する信頼性には「どちらともいえない(41.1%)」「あまり信頼できない(18.5%)」「全く信頼できない(6.1%)」を合わせると、約66%が懐疑的または未定であり、技術の進展に対してユーザーの信頼は追いついていないことが浮き彫りになりました。

年代別に見ると、50代・60代では「信頼できない」という割合が20%以上に達し、対照的に30代男性では「やや信頼できる」が30%以上を示し、世代間での温度差が存在します。

年代・性別別の傾向

  • 30代男性では「非常に信頼できる(15%)」「やや信頼できる(31%)」の合計が46%に達し、全世代中で最高水準の評価を示しています。

  • 20代男女とも「やや信頼できる(33%)」「非常に信頼できる(10〜17%)」といった割合が高く、若年層では生成AIに対する前向きな評価が見られます。

  • 一方で40代以上では「どちらともいえない」が最多回答となり、特に60代女性では53%に達します。この傾向は判断を保留する姿勢を示しています。

  • 50代・60代には約20%の「信頼できない」層も存在し、慎重かつ懐疑的な姿勢が強く見られます。

  • 10代女性では「やや信頼できる(33%)」が最多ですが、「非常に信頼できる」は9%にとどまっており、生成AIへの評価がまだ確立されていないことが示されています。60代男性では「非常に信頼できる」の比率が4%、女性でも8%にとどまっています。

総括:目的ごとに変わる“検索行動”──ユーザー主導の使い分けが当たり前の時代へ

検索行動はもはや特定のチャネルにまとまることはありません。Googleの信頼は依然として健在ですが、ユーザーは用途に応じて動画、SNS、生成AIを使い分ける傾向が強まっています。選ばれる理由は「信頼」だけでなく「慣れ」が大きく、ツール側にはより直感的で目的に合った体験設計が求められるでしょう。

今回の調査は、特に若年層女性によるSNS・動画利用、30代〜40代男性の生成AI活用、高年齢層における検索エンジン偏重といった世代・性別ごとの明確な傾向を明らかにしました。検索チャネルの多様化は「情報の種類」と「検索の目的」に基づいて進行しており、この理解と最適化が今後の検索体験の品質に大きな影響を及ぼすでしょう。

また、信頼性に対する意識はツールの使用経験と密接に関わっており、生成AIは認知と利用が進まなければ信頼を得ることができないという構造的な問題を抱えています。このように、検索UXとマーケティング戦略の再定義が求められる時代です。

さらに、検索行動の分散と最適化は今後も加速すると思われ、SEOやコンテンツマーケティング戦略の再設計が避けられないでしょう。

出典元: 株式会社メディアリーチによる調査
(調査ページURL:https://mediareach.co.jp/blog/digital-search-behavior-2025

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