シナジーマーケティング株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役社長:奥平博史)は、顧客理解を深めるための生成AIを活用したツール「DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)」において、APIとの連携および対話シーンのカスタマイズ機能を新たに追加したことを発表しました。

この新機能により、新商品開発やマーケティング施策の立案に必要不可欠な顧客理解をサポートするだけでなく、さまざまな外部ツールやアプリケーションと連携するプラットフォームとしても機能します。

この機能は、三田市教育委員会と大阪教育大学が共同で推進している「MIRAIノートプロジェクト」にて開発された、小中学生向けのAI対話アプリ「MIRAIノート」に実装されており、2025年1月に実施された試験利用では、「自分の気持ちを正直に話せた」という高評価を得て、7割以上の生徒が引き続き利用したい意欲を示しました。

外部ツールとの連携と新機能に関する詳細

  1. API連携によって、DAYS GRAPHYのコア技術を外部プラットフォームでも活用可能に
    APIの提供により、これまでDAYS GRAPHY内でのみ実現可能だった顧客との生成対話が、他のアプリケーションでも行えるようになります。これにより、既存の口コミやアンケートから収集したデータを活用し、外部システム上で生成された顧客像と対話し、インサイトを得ることができます。
  2. 対話の状況をカスタマイズする機能の実装
    この機能では、生成された顧客像に対して、「批判的な顧客として反応してもらいたい」、「ロイヤルカスタマーとして反応してほしい」といった具体的なセグメントを指定することができます。これにより、アプローチを変える施策を設定管理画面から容易に行うことが可能になります。

MIRAIノートプロジェクトの目的と背景

新型コロナウイルスの影響で、児童生徒の悩みは多様化しており、不登校の増加や相談機会の減少が問題となっています。三田市立小中学校で実施された生活アンケートによると、小学校高学年以上の約10%が「困ったときに誰にも相談しない」と回答しており、気軽に対話できる環境が求められています。

これを受けて、兵庫県三田市教育委員会と大阪教育大学は、児童生徒が自由に安心して会話できる場を提供することを目指し、生成AIを用いた対話アプリ「MIRAIノート」を開発しました。「DAYS GRAPHY」の新機能を活用したこのアプリは、AIキャラクターとの自由な対話を通じて自己表現を促進し、感情の整理やコミュニケーションスキルの向上を支援することを目的としています。現在、三田市の小中学生を対象に試験的な利用が行われています。

「DAYS GRAPHY」の新機能が組み込まれた「MIRAIノート」とは

「MIRAIノート」には、学校向けの「ふりかえり機能」と家庭向けの「AIトーク!機能」が搭載されています。それぞれにAPI連携されたDAYS GRAPHYの機能を基に、児童生徒の日常の描写や感情をより深く理解し、適切な対話を提供することで、より円滑なコミュニケーションを実現しています。

  • ふりかえり機能(主に学校で利用)
    この機能では、児童生徒がその日の気分や出来事を記録できるため、自己理解を深める振り返り習慣を養います。AIは過去のデータを分析し、気持ちの変化や傾向を捉えた上で、次の対話相手を推薦します。これにより、児童生徒は自分の感情を整理し、よりポジティブな気持ちで日常生活を送れるようにサポートされます。
  • AIトーク!機能(主に家庭で利用)
    自宅で自分自身と向き合うために活用されるこの機能では、8人の個性豊かなキャラクターから好きな相手を選び、会話を楽しむことができます。キャラクター設定には、「対話シチュエーションカスタマイズ機能」を活用しており、自然な対話の中で曖昧な表現を取り入れる工夫がなされています。

MIRAIノート試験利用の結果まとめ

  • 実施期間:2025年1月9日~22日
  • 参加者:350名(中学生約280名、小学生約70名)
  • AIトーク利用者:295名(全体の84%)
  • 1人あたりの平均トーク件数:108件
  • 1人あたりの平均投稿文字数:約1,500文字

事後アンケートによるMIRAIノートの評価

「自分に合った相手をいろいろ選べる」という設問に対する4段階評価の上位2項目である「全くそう思う」と「そう思う」という回答率は85%に達しました。また、「自分の気持ちを正直に話せる」が74%、「信頼して話せる」が72%、「自分の思いを整理できる」が72%という結果も得られました。さらに、MIRAIノート利用後の心理的な変化についての複数回答では、「明るい気持ちになった」(43%)や「すっきりした」(34%)といったポジティブな回答が目立つ一方で、ネガティブな感情を抱いた割合はわずか1〜4%と低い結果でした。

考察

  • MIRAIノートは、子どもたちが気軽に話し、自身の感情を表現できる場を提供していることがわかります。
  • 児童生徒に対する心理的な肯定的変化をもたらすことが期待されます。
  • 一部の児童生徒は、AIトークを友人や家族との会話のきっかけとして利用しています。

DAYS GRAPHYについて

DAYS GRAPHYは、顧客の日常や生活状況を深く理解し、顧客のまだ満たされていないニーズを把握することで、商品企画やマーケティング施策のアイデアを生み出しやすくする日常描写型顧客理解ツールです。

自社の商品レビューや口コミなどのテキスト情報を入力するだけで、エスノグラフィのように日常や生活状況が描かれた複数の顧客像を最短10分で生成することができます。また、チャット機能を通じて購買行動の要因や行動特徴を深く読み取ることができ、さまざまな角度からの商品開発やマーケティングに対する具体的なアイデアを生むことが容易になります。

出典元: シナジーマーケティング株式会社 プレスリリース

コマースピックLINE公式アカウント

コマースピックメルマガ