
Amazonは、2024年12月31日を期末とする2024年第4四半期決算を発表しました。売上高や営業利益が前年同期を大きく上回り、全セグメントで堅調な成長と収益性の改善が見られます。
2024年第4四半期の純売上高は1,878億ドルとなり、前年同期の1,700億ドルを10%上回りました。為替変動の影響を除くと、売上高は前年同期比で11%の伸びを示しました。営業利益も前年同期の132億ドルから61%増え、212億ドルに達しています。
通期では、純売上高が6,380億ドルとなり、前年から11%の拡大を記録しました。営業利益は686億ドルとなり、前年の369億ドルから86%の大幅な伸長を見せました。
この記事の目次
セグメント別の業績

北米市場:ECプラットフォームと物流最適化が成長を牽引
売上高は1,156億ドルで、前年同期比10%のプラス成長を遂げました。プライム会員向けの配送スピード向上や、ブラックフライデーおよびサイバーマンデーの好調な販売が主な要因です。営業利益は93億ドルと、前年同期の65億ドルを大きく上回り、43%の増益を記録しました。通期では売上高が3,875億ドル、営業利益は250億ドルに到達しました。
国際市場:為替変動影響下でも黒字化を達成
売上高は434億ドルとなり、前年同期から8%の伸びを示しました。為替変動を除いた場合は9%の増収となります。営業利益は13億ドルを計上し、前年同期の4億ドルの営業損失から黒字に転じました。特にヨーロッパおよびアジア市場でのEC需要の高まりが業績を押し上げています。通期では、売上高が1,429億ドル、営業利益が38億ドルとなりました。
AWS:クラウド需要の拡大とAIサービスの導入
売上高は288億ドルとなり、前年同期比で19%の増収を達成しました。営業利益は106億ドルを計上し、前年同期の72億ドルから48%の大幅な上昇を記録。AI関連サービスやTrainium2 AIチップの提供開始が成長を後押ししています。通期では売上高が1,076億ドル、営業利益は398億ドルに達しました。
キャッシュフローと財務状況:健全な資金繰りを維持
2024年の営業キャッシュフローは1,159億ドルとなり、前年同期比で36%の伸長を遂げました。フリーキャッシュフローは382億ドルに達し、前年同期の368億ドルから改善。さらに、ファイナンスリースの元本返済や設備資産関連費用を差し引いた後のフリーキャッシュフローは362億ドルとなり、前年同期比で2%の上昇を記録しました。これにより、Amazonは積極的な設備投資を行いながらも健全な資金繰りを維持しています。
今後の展望:持続的成長と新技術への投資
Amazonは2025年第1四半期の売上高を1,510億ドルから1,555億ドルと予想しており、前年同期比5%から9%の成長を見込んでいます。ただし、為替変動による約21億ドルのマイナス影響が予想されています。営業利益は140億ドルから180億ドルの範囲になると見込んでいます。
また、AWSを中心としたクラウドサービスの拡張、AI技術の進化、そしてグローバルな配送ネットワークの最適化により、引き続き市場での競争力を高めていく方針です。
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