
本記事では最近の海外ニュースをご紹介していきます。今回は、「Amazon UKの即日配送」「規制強化されるEUのプラットフォーム」「現地倉庫で拡大のTemu」の3つのニュースに触れていきます。
この記事の目次
Amazon UK、即日配送で年間10億個以上の商品を発送
即日配送が生む消費者満足度
Amazon UKは2024年、注文当日もしくは翌日に配送された商品数が10億個を超えたと発表しました。この成果は、プライムメンバーを中心に高い需要を持つ「即日配送」サービスによるものです。同社は、配送ネットワークの強化や自動化技術の導入により、このような大規模な配送を可能にしました。
特に、翌日配送や当日配送の需要が増加する中で、Amazonは消費者の期待に応える効率的なオペレーションを構築しています。このサービスは、都心部だけでなく、より地方のエリアでも利用できることが強みです。これにより、消費者の利便性を向上させるだけでなく、ブランドとしての信頼性を確立しているのです。
コストと環境への影響
即日配送の普及は、消費者にとって大きなメリットとなっていますが、一方でコストや環境負荷への影響も議論されています。短期間での大量配送を実現するには、物流体制に高い投資が必要であり、企業の収益性に影響を与える可能性があります。また、配送用の車両がもたらす二酸化炭素の排出量が増加するとの懸念もあります。
Amazonはこれらの課題に対応するため、電動配送車の導入や配送センターのエネルギー効率向上に取り組んでいるのです。また、配送ルートを最適化することで、環境への負荷を最小限に抑える努力を続けています。
まとめ:競争優位性を支える即日配送
Amazonの即日配送が達成した成果は、同業他社との差別化を示すものと言えるでしょう。英国市場においては、他のEC事業者も即日配送を提供していますが、Amazonの規模と効率には追随できないケースが多いです。一方で、即日配送がもたらす収益面や環境面での課題も無視できないでしょう。
参照:Amazon UK delivered over 1 billion products within a day
EU、新規制でプラットフォームの責任を明確化
プラットフォームに課される責任の拡大
EUは、消費者保護を目的として、オンラインプラットフォームに対する規制を強化しています。新たな法案では、違法商品や安全基準を満たさない商品が販売された場合、プラットフォームが直接責任を負うことになります。この動きは、消費者に対する安全性と信頼性を高めるための重要な施策です。
特に、EU域内の規制違反商品は、過去数年間で増加傾向にあり、多くが中国系プラットフォームを通じて販売されています。このため、プラットフォームに対する規制強化は、域内の消費者を保護し、信頼性の高い市場環境を維持するための不可欠な手段とされているのです。
中小規模プラットフォームへの影響
新規制は、主要プラットフォームだけでなく、中小規模の事業者にも影響を与える可能性があります。たとえば、商品検査や販売者情報の透明化が義務付けられることで、運営コストの増加が予想されます。このため、小規模事業者にとっては、これらの対応が事業存続における大きなハードルとなる可能性があります。
一方で、この規制により市場の透明性が向上すれば、消費者の信頼が増し、長期的には中小事業者にも恩恵をもたらすことが考えられます。競争環境がより健全になることで、消費者がプラットフォームを選択する基準が広がることも期待されるでしょう。
まとめ:規制強化と事業戦略の見直し
この規制強化は、日本企業にとっても示唆に富むものです。日本市場でも、消費者保護を目的とした法改正が進行中であり、プラットフォーム事業者に求められる責任が増大しています。規制対応のための透明性確保やコスト削減の工夫が、今後の競争力強化につながるでしょう。
参照:EU to hold platforms liable for unsafe or illegal goods
Temu、ヨーロッパでの売上の80%が現地倉庫経由
ローカル倉庫を活用した物流戦略
中国発のECプラットフォームTemuは、ヨーロッパ市場での売上の約80%が現地倉庫経由です。この戦略により、配送時間を短縮し、消費者満足度を高めています。現地倉庫を活用することで、輸送コストを抑えつつ迅速な配送を実現しており、ヨーロッパ市場での競争優位性を築いています。
特に、フランスやドイツといった主要市場では、消費者が迅速な配送を期待しており、Temuの取り組みがそのニーズに応えています。この戦略により、同社はローカル市場でのプレゼンスを強化し続けています。
消費者ニーズへの迅速対応
Temuの現地倉庫活用は、迅速な配送だけでなく、返品や交換のプロセスを簡素化する効果もあります。このような利便性が消費者の支持を集め、リピーターを増やす要因となっています。また、現地倉庫を拠点に、季節商品や特定のトレンド商品をタイムリーに供給することで、競争力をさらに高めているのです。
一方で、ローカル倉庫の維持にはコストがかかるため、長期的な収益性を維持するためのさらなる効率化が課題となっています。
まとめ:日本でも拡大のTemu
Temuの戦略は、日本法人においても実践されています。最近では日本の事業者が招待制で出店できるようになるなど、新しい取り組みを積極的に始めている様子が伺え、今後どのような形で日本国内でのシェアを伸ばしていくのか目が離せないプラットフォームと言えるでしょう。
参照:Temu: ‘80% of European sales via local warehouses’
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