
2025年2月14日に、楽天グループ株式会社(以下、楽天グループ)は2024年度第4四半期の決算を発表しました。本記事では、全社連結業績と各セグメントの業績概要をまとめています。
全社連結業績
2024年度第4四半期の連結売上収益は前年同期比14.1%増の6,616億円となり、四半期ベースで過去最高を記録しました。セグメント別では、インターネットサービス、フィンテック、モバイルの各事業で増収となっています。
Non-GAAP営業利益は320億円(前年同期比35.6%増)となり、楽天モバイルの収益改善やコスト削減の取り組みが寄与しました。また、EBITDAは1,143億円と前年同期比51.5%の増加を記録し、全体的に堅調な業績を維持しています。
※Non-GAAP営業利益:通常の事業活動を評価するため、特別な費用を除外して計算された利益指標
※EBITDA:事業活動におけるキャッシュフロー創出力を評価する指標。Non-GAAP営業利益に減価償却費などを加算して算出
セグメント別業績概要
インターネットサービス
売上収益は前年同期比9.4%増の3,779億円でした。Non-GAAP営業利益は前年同期比28.4%増の377億円となっています。
国内ECの売上収益は前年同期比10.0%増の2,628億円で、Non-GAAP営業利益は前年同期比19.7%増の390億円です。流通総額は1兆7,586億円(前年同期比9.5%増)と、成長基調を維持。また、国内ECのテークレート(取引手数料率)は14.9%と前年同期比で横ばいを維持し、安定した収益基盤を確保しています。
フィンテック
売上収益は前年同期比12.8%増の2,160億円となりました。Non-GAAP営業利益は前年同期比21.5%増の387億円となり、堅調な成長を見せています。
ECにも大きく影響する楽天カードの売上収益は前年同期比8.4%増の920億円でしたが、Non-GAAP営業利益は3.7%減の145億円となりました。また、楽天ペイメントの売上収益は前年同期比22.9%増の259億円で、Non-GAAP営業利益は24億円増の110億円となっています。
モバイルセグメント
売上収益は前年同期比32.0%増の1,399億円となり、Non-GAAP営業損失は407億円と前年同期比で79億円減です。楽天モバイルの売上収益は前年同期比12.4%増の816億円で、Non-GAAP営業損失は462億円と前年同期比で44億円減でした。
契約回線数(MNO)は順調に増加し、759万回線。ARPU(平均収益単価)は2,856円となっていますが、2024年12月は3,000円を突破しているとのこと。データ利用料の増加に加え、広告増収や一部オプションの有料化によりARPUが向上していると言います。
2025年度の目標
楽天グループは、各セグメントの成長を相互に活用しながら、効率的なオペレーションの実現を目指しています。2025年度には、「連結Non-GAAP営業利益の黒字拡大」と「楽天モバイルのEBITDA通期黒字化」を目標として掲げており、さらなる成長を図る方針です。
また、AI活用によるコスト削減や、マーケティング戦略の最適化を進めることで、収益性の向上を目指しています。今後も、物流やフィンテック、モバイルの各事業を連携させ、楽天エコシステムの強化を進めていくとのことです。
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