
三菱食品株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:京谷 裕、以下「三菱食品」)と株式会社PALTAC(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:吉田 拓也、以下「PALTAC」)は、持続可能な物流の構築と双方の物流事業のさらなる拡大を目指すため、連携・協働に関する基本合意を2025年1月21日に締結しました。
目的と意義
三菱食品は食品業界の中間流通におけるリーディングカンパニーとして、PALTACは化粧品や日用品及び一般用医薬品(以下「日用品等」)の中間流通市場でリーダー的役割を担っています。両社は異なる業種でありながら、ドラッグストアやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売業者との商流と物流を通じて全国的に事業を展開しています。その中で、共通の販売先を多く持つことが特徴です。過去の流通形態では「食品」と「日用品等」で異なるサプライチェーンや物流網が形成され、同じ小売業者の物流拠点や店舗でも商品の分別配送が一般的でした。
また、日本の物流業界は労働人口の減少や「物流の2024年問題」に伴うトラックドライバーの不足といった深刻な課題に直面しています。そのため、従来の方法で全国の流通ネットワークを維持することが困難になっています。
このような背景を踏まえ、三菱食品とPALTACは、業界のリーダーとして協力し、物流の効率化を図ることで、日本の物流業界の持続可能性を向上させるという共通理解に達しました。今後は、環境の変化に適応できる持続的な物流の構築に向けて、両社の物流資産やノウハウを活用し、具体的な協議と検討を進めていく予定です。
対象分野
この基本合意に基づいて、初めに4つの協業テーマを設定し、その議論を進めることになります。
① 既存物流拠点の活用 | 両社の既存拠点の空きキャパシティを有効活用する |
② 共同配送の推進 | 配送車両の空積みや空車を活かした共同配送による効率化 |
③ 共同物流センターの検討 | 新たなサプライチェーンモデルや最適な倉庫管理システムの評価 |
④ 物流DXの共同研究 | データ連携基盤の構築及び将来のマテリアルハンドリング設備・システムの共同研究 |
両社が運営する既存物流拠点(三菱食品: 376拠点、PALTAC: 23拠点)や各企業が手配する配送車両(三菱食品:7,600台/日、PALTAC:1,500台/日)を活用した共同配送により、単独企業や業界単位では達成困難な効率化を実現することを目指します。また、未来を見据えた新しいサプライチェーンモデルの開発や物流のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けて、両社が人材を投入し、挑戦を続ける所存です。
将来に向けて
三菱食品は、「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」という使命のもと、食のインフラを支える事業基盤の強化に努めています。2024年5月には新たな経営ビジョン「MS Vision 2030」を発表し、「サステナビリティの重点課題を同時に解決する」という使命のもと、デジタル技術を駆使してサプライチェーン全体の効率化および生産性向上への貢献を目指します。PALTACとの共同プロジェクトは、「MS Vision 2030」計画の一環として、「SCM機能の強化(サステナブルSCM構築)」に寄与する重要な取り組みであり、ロジスティクスを新たな成長の原動力として位置付け、従来の食品卸の枠を超えた新たな価値の創出に取り組んでいくことを表明しています。
出典元: 三菱食品株式会社 プレスリリース