LINEヤフー株式会社が本日発表したのは、同社の広告サービス品質向上に向けた審査の実績をまとめたレポートで、2024年度上半期（2024年4月1日〜9月30日）に関する「広告サービス品質に関する透明性レポート」です。このレポートでは、Yahoo!広告とLINE広告におけるなりすまし型の「偽広告」に対する審査実績が新たに追加されています。
本レポートの目標は、ユーザー、広告主、広告会社、広告配信パートナーがLINEヤフーの広告サービスを安心・安全に利用できることです。この取り組みは、ヤフー株式会社が2019年度から公開してきたものです。
なりすまし型「偽広告」に関する審査では、Yahoo!広告とLINE広告の両方に対して、ユーザーからの広告掲載停止申告（肖像権侵害や「なりすまし」を理由とするもの）はゼロ件でした。しかし、なりすまし型「偽広告」を用いた詐欺に見られる手法を禁止する基準に基づき非承認とされた件数は2,715件に達しました。
また、Yahoo!広告に関しては、2024年度上半期に約8,900万件の広告素材が非承認となっています（グラフ1参照）。これは2023年度下半期に比べて非承認数が顕著に増加しています。特に検索広告においては、URLの文字列の誤りによって正しく表示されないサイトの入稿が多く、「ユーザーの意に反する広告の禁止」に基づく非承認が増加していることが主な要因とされています。
【グラフ1】Yahoo!広告、広告素材非承認数の比較
さらに、LINE広告では、2024年度上半期に約102,000件が非承認とされ、2023年度下半期に比べて若干の増加が見られます（グラフ2参照）。非承認となった広告素材の約80%はクリエイティブ（主に画像や動画）に関連しています。その理由としては「各種関連法規に抵触する内容」が約60%を占め、特に化粧品における「効能効果を逸脱する表現」や健康関連商品での「標ぼう可能な範囲を逸脱する表現」、さらに医療広告基準における「費用を強調した広告」などが含まれます。なお、LINE広告とYahoo!広告では、広告素材のカウント対象や算出方法が異なる点も考慮する必要があります。
【グラフ2】LINE広告、広告素材非承認数の比較
本レポートでは、広告の審査実績に加え、Yahoo!広告のトラフィック審査についても触れています。LINEヤフーは無効なトラフィック（広告リクエストや広告インプレッション）や無効なクリックを排除しており、この無効なトラフィックには無害なものもあれば、ユーザーを装ったボットによる悪質なものもあります。また、広告費を不当に搾取する「アドフラウド（不正広告）」もその一環です。結果として、2024年度上期には、Yahoo!広告は約190億円相当の無効クリックを事前に検知しました。この金額は広告主に負担をかけないように非課金処理がなされるとしています。
今後、新たな展望として、LINEヤフーはYahoo!広告とLINE広告の広告掲載基準をさらに統合し、共通の基準での審査を進めていくことを目指し、サービス品質の維持と向上に励む方針だと述べています。
※1：なりすまし型「偽広告」とは、個人または法人の氏名・名称や写真等を無断で利用して著名人や有名企業などになりすます広告を指し、主に投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘を目的として使用されるものです。
出典元： LINEヤフー株式会社
