
株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS(本社:東京都新宿区、代表取締役:吉川 健一)が発表した最新の調査結果によれば、訪日外国人観光客からの収入が増加している小売および飲食業界において、経営者や役員103名を対象としたインバウンド対策の実態が明らかになりました。
この記事の目次
- 1 ■調査概要
- 2 ■増収前に直面した課題には「原価の高騰」や「人材獲得」が上位に
- 3 ■他にも「観光客の減少」や「売れ筋商品のボリュームアップ」が課題に
- 4 ■訪日外国人の売上を増加させた成功の要因、「クレジットカード決済対応」や「通訳・翻訳ツール導入」
- 5 ■「ロールプレイ研修の徹底」や「おもてなし」の秘訣も
- 6 ■通訳・翻訳ソリューション導入の理由「迅速な翻訳ができるから」
- 7 ■通訳・翻訳ソリューション利用の懸念点「不自然な翻訳出力」
- 8 ■約8割が、AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用可能なサービスに「興味」を持つ
- 9 ■AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用できるサービスに興味を持つ理由「AIを駆使した正確な通訳」
- 10 ■「便利そう」や「多国籍のお客様対応」などの理由
- 11 ■まとめ
■調査概要
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調査名称:増収する小売店・飲食店のインバウンド対策に関する実態調査
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2024年5月27日〜同年5月28日
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有効回答:訪日外国人からの売上が増加している小売店・飲食店業の経営者・役員103名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
■増収前に直面した課題には「原価の高騰」や「人材獲得」が上位に
参加者に「売上が増加する前に抱えていた課題を教えてください。」と質問したところ、「原価の高騰」が50.5%で最も多く、「店で働く人材の獲得」が41.7%、「リピーターの獲得」が37.9%という回答が集まりました。

・原価の高騰:50.5%
・店舗で働く人材の獲得:41.7%
・リピーターの獲得:37.9%
・他社店舗との商品の差別化:31.1%
・訪日外国人の集客:28.2%
・その他:1.9%
・特にない:9.7%
・わからない/答えられない:1.0%
■他にも「観光客の減少」や「売れ筋商品のボリュームアップ」が課題に
「特にない」と答えた人を除く参加者に、他に抱えていた課題を自由に聞いたところ、「観光客の落ち込み」や「売筋商品のボリュームアップ」という回答が寄せられ、合計で71件の意見が集まりました。
<自由回答・一部抜粋>
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62歳: 観光客の落ち込み。
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59歳: リピーターの獲得。
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42歳: コロナの影響。
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65歳: ターゲット層分析。
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63歳: 外国人客の減少。
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57歳: 売筋商品のボリュームアップ。
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63歳: コロナで営業が制限されていた。
■訪日外国人の売上を増加させた成功の要因、「クレジットカード決済対応」や「通訳・翻訳ツール導入」
「訪日外国人からの売上を増加させた成功の秘訣を教えてください。」と質問した結果、「クレジットカード決済への対応」が38.8%で、次いで「通訳・翻訳ツールの導入」が35.9%、「多言語の案内の設置」が31.1%という回答が得られました。

・クレジットカード決済への対応:38.8%
・通訳・翻訳ツールの導入:35.9%
・多言語の案内の設置:31.1%
・日本文化を反映した商品や体験を導入する:25.2%
・多言語の接客マニュアル整備:21.4%
・免税店への申請:8.7%
・その他:5.8%
・特にない:17.5%
・わからない/答えられない:5.8%
■「ロールプレイ研修の徹底」や「おもてなし」の秘訣も
成功の秘訣を問われて、自由回答を求めたところ、「ロールプレイ研修の徹底」や「おもてなし」などが、61件の回答として寄せられました。
<自由回答・一部抜粋>
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52歳: ロールプレイ研修の徹底。
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47歳: 日本独自の文化。
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50歳: お客様のニーズを確実に把握すること。
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60歳: おもてなし。
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46歳: 外国人スタッフの採用。
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53歳: メニューの英語表記。
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54歳: 日本コンテンツの知名度向上。
■通訳・翻訳ソリューション導入の理由「迅速な翻訳ができるから」
通訳・翻訳ツールを採用した理由として最も多かったのは、「素早く翻訳ができるから」が67.6%で、次いで「接客を強化できるから」が64.9%、「商品の案内など顧客のニーズに合わせた対応ができるから」が62.2%でした。

・迅速な翻訳が可能:67.6%
・接客を強化できる:64.9%
・商品の案内など非常に具体的な顧客のニーズに基づく対応ができる:62.2%
・訪日外国人が増加中であるため:56.8%
・コストが安かったため:29.7%
・翻訳サイトでは十分に正確でないから:18.9%
・その他:2.7%
・わからない/答えられない:0%
■通訳・翻訳ソリューション利用の懸念点「不自然な翻訳出力」
通訳・翻訳ツールの懸念点として、「不自然な文章が出力されること」が最も多く51.4%の回答があり、次いで「専門用語が含まれる会話で誤訳の可能性があること」が45.9%、および「複雑な日本語の文章が正確に翻訳されていない」という回答が43.2%ありました。

・不自然な文章が出力される:51.4%
・専門用語が含まれる会話で誤訳の可能性:45.9%
・複雑な日本語の文章が正確に翻訳できていない:43.2%
・ニュアンスなどの微妙な表現が伝わらない:40.5%
・文化的背景が反映されない翻訳:10.8%
・その他:2.7%
・特にない:13.5%
・わからない/答えられない:0.0%
■約8割が、AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用可能なサービスに「興味」を持つ
「AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用できるサービスについての感想」を尋ねた結果、「非常に興味がある」が29.0%、「やや興味がある」が46.6%で、合計75.6%が興味を示しました。

・非常に興味がある:29.0%
・やや興味がある:46.6%
・あまり興味がない:11.7%
・全く興味がない:6.8%
・わからない/答えられない:5.8%
■AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用できるサービスに興味を持つ理由「AIを駆使した正確な通訳」
「非常に興味がある」「やや興味がある」と回答した人に、興味を持つ理由を尋ねたところ、「AIを活用してニュアンスを含めた的確な通訳ができるから」が46.2%、「専門用語が含まれる内容は人が介入した通訳が求められるから」が37.2%、および「対応言語が幅広いから」が37.2%という結果が得られました。

・AIを駆使してニュアンスを含めた的確な通訳が可能:46.2%
・専門用語が含まれている文章は人が介入した通訳が必要:37.2%
・対応言語の幅が広そうだから:37.2%
・複雑で伝わりづらい文章は電話通訳で対応可能だから:35.9%
・AIに蓄積された過去データが信頼性が高そうだから:24.4%
・シーンに応じて通訳か翻訳か選択できるから:19.2%
・その他:2.6%
・わからない/答えられない:1.3%
■「便利そう」や「多国籍のお客様対応」などの理由
AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用可能なサービスに関心がある理由について、参加者からは「便利そうだから」や「多国籍客の対応」といった回答が59件寄せられました。
<自由回答・一部抜粋>
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52歳: 手軽に使える。
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50歳: 便利そうだから。
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56歳: お客様とのコミュニケーションがスムーズになる。
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60歳: 人件費削減。
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60歳: 言葉が通じることで期待できるプラスの影響。
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54歳: 売上の向上。
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63歳: 多国籍なお客様への対応。
■まとめ
この調査は、訪日外国人からの売上増加が顕著な小売店・飲食店業界の経営者・役員103名を対象に、インバウンド対策の実態を探るものです。
結果として、「原価の高騰」(50.5%)や「店舗で働く人材の獲得」(41.7%)などの課題が浮き彫りになりました。また、訪日外国人からの売上を増加させた要因として「クレジットカード決済への対応」(38.8%)や「通訳・翻訳ツールの導入」(35.9%)が挙げられました。特に「通訳・翻訳ソリューション」に関しては、「不自然な文章が出力されること」(51.4%)や「専門用語含む場合の誤訳可能性」(45.9%)などが懸念されていることが分かりました。最後に、約8割が「AI通訳アプリと翻訳機がハイブリッドで利用可能なサービス」に「興味がある」と回答し、その理由として「AIを駆使してニュアンスを含めた正確な通訳ができるから」が挙げられました。
調査の結果は、訪日外国人からの売上が増加している小売店・飲食店の成長要因と直面する課題を明らかにし、今後は翻訳サービスの精度向上が期待されています。
出典元: 株式会社BRIDGE MULTILINGUAL SOLUTIONS