
東京都渋谷区に本社を置く株式会社サイバー・バズは、東京都文京区に本社がある株式会社デジタルインファクトと共同で、2024年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場に関する調査を実施いたしました。
ソーシャルメディアは、現代社会で日常的に利用されているツールであり、個々人や企業が情報を自由に発信し、また互いにコミュニケーションを行うための場として普及しています。
さらに、ソーシャルメディアは商品やサービス、コンテンツの取引を行うための重要なプラットフォームであり、企業の経済活動においても魅力的なマーケティングチャネルとしての役割を担っています。
このような背景から、ソーシャルメディアを活用したマーケティング活動は企業の必需品となり、そのための投資は年々増加しています。
本調査では、広告主がソーシャルメディアを用いたマーケティング活動に費やす年間支出を「ソーシャルメディアマーケティング市場」として定義し、これを6つのセグメントに分けてそれぞれの推計および予測を実施しました。
調査結果は以下の通りです。
この記事の目次
- 1 2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円、前年比113%の見通し 2029年には2024年比約1.8倍、2兆1,313億円に達する見込み
- 2 2024年のインフルエンサーマーケティング市場は860億円、前年比116%の見通し 2029年には2024年比約1.9倍、1,645億円に達する見込み
- 3 2024年のインフルエンサーマーケティング・縦型ショート動画向け需要は246億円、前年比137%の見通し 2029年には2024年比約2.6倍、636億円に達する見込み
- 4 2024年のSNSアカウント運用支援/分析ツール市場は451億円、前年比110%の見通し 2029年には2024年比約1.5倍、690億円に達する見込み
- 5 2024年のソーシャルメディア広告市場は1兆727億円、前年比113%の見通し 2029年には2024年比約1.8倍、1兆8,978億円に達する見込み
- 6 ■本調査における市場およびカテゴリの定義について
- 7 ■調査概要
2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円、前年比113%の見通し 2029年には2024年比約1.8倍、2兆1,313億円に達する見込み

2024年において、国内のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円に達し、前年比113%の成長が見込まれています。
ソーシャルメディアマーケティングは、企業のデジタルマーケティング戦略における不可欠なチャンネルとして持続的な成長を見せています。各SNSプラットフォームは、AIなどの先進テクノロジーを駆使して、広告主とユーザーを最適なタイミングで結び付け、ユーザーの消費行動を促しています。
最近では、クリエイティブな広告フォーマットやEコマースとの連携によって、購入促進のためのルートが強化されています。これにより、企業にとって魅力的な販売チャネルとしての意義も高まっています。この情勢を背景に、広告主のソーシャルメディアへのマーケティング投資は今後も増加する見込みです。
2030年には、ソーシャルメディアマーケティング市場規模は2024年と比較して177%に至り、2兆1,313億円に達すると予測されています。
なお、2024年時点でのカテゴリ別内訳は、「ソーシャルメディア広告」が1兆727億円で全体の89.1%を占め、続いて「インフルエンサーマーケティング」が860億円で全体の7.1%を占めています。「SNSアカウント運用支援」が283億円(2.4%)、「分析ツール」が66億円(0.5%)、さらに「キャンペーンプランニング・コンサルティング」が102億円(0.8%)と予測されています。
2024年のインフルエンサーマーケティング市場は860億円、前年比116%の見通し 2029年には2024年比約1.9倍、1,645億円に達する見込み

インフルエンサーマーケティングは2024年に860億円、前年比116%の成長が期待されています。
動画を用いた認知促進から購買活動まで、その効果が高く評価されています。動画広告が一般化する中、インフルエンサーが作成したコンテンツは広告主のマーケティング活動において重要な役割を果たしており、その価値は急上昇しています。
ユーザーがソーシャルメディア上で動画視聴する機会はますます増加しており、インフルエンサーの活動を日常的に目にすることで、世代や地域を超えた広範な認知を得ています。これにより、社会全体や消費行動に与える影響は増大しています。
短い縦型動画が普及する中で、インフルエンサーの活躍が拡大し、企業は自社製品やサービスの魅力を効果的に伝える手段を獲得し、新たな需要が生まれています。
これらの情勢を踏まえ、2029年にはインフルエンサーマーケティングの需要が2024年と比較して約1.9倍にあたる1,645億円に達すると予測されています。
2024年のインフルエンサーマーケティング・縦型ショート動画向け需要は246億円、前年比137%の見通し 2029年には2024年比約2.6倍、636億円に達する見込み

縦型ショート動画は、広告主と消費者のコミュニケーションを広げる重要なツールとして、その需要は増加し続けています。
TikTokの人気を皮切りに、Instagram、YouTube、LINEなどの主要なソーシャルメディアも縦型動画を採用しています。
最近では、縦型動画の制作環境が整備され、各プラットフォームに特化したインフルエンサーが登場し、広告主のニーズに応じたクリエイティブ制作が進められています。これを踏まえ、インフルエンサーマーケティング・縦型ショート動画向けの需要は2024年に246億円、前年比137%の成長が見込まれています。
この動きは、若年層から中高年層まで幅広い支持を受けており、今後も視聴者の拡大と視聴時間の増加が期待されています。またプラットフォームの改良が進行中で、多くのユーザーに愛されるフォーマットとして発展していくでしょう。これを背景に、縦型ショート動画の需要は2029年に2024年比で約2.6倍にあたる636億円に達すると予想されています。
2024年のSNSアカウント運用支援/分析ツール市場は451億円、前年比110%の見通し 2029年には2024年比約1.5倍、690億円に達する見込み

複数のSNSが成長を遂げている今、消費者とのコミュニケーションチャネルの多様化が進んでおり、SNSの効果的な活用が必要です。今後も、広告主による戦略設計への関心は高まり続けるでしょう。分析ツール分野では、大手SNSプラットフォームによるAPI接続の有料化が影響し、一部サービスの撤退や価格上昇の動向が見られますが、SNSアカウント運用支援および分析ツール関連の需要は2024年に451億円、前年比110%で好調を維持する見込みです。今後も広告主のマーケティング投資が拡大する中で、2029年には2024年比で約1.5倍の690億円に達すると予測されています。
2024年のソーシャルメディア広告市場は1兆727億円、前年比113%の見通し 2029年には2024年比約1.8倍、1兆8,978億円に達する見込み

2024年のソーシャルメディア広告市場の需要は1兆727億円、前年比113%の成長が期待されています。これは、すでにインターネット広告全体の大部分を占める規模となり、インターネット広告市場のトレンドにも大きな影響を与えています。
今後の市場動向においては、国内の社会経済の影響を受けつつ、広告主によるマーケティング施策におけるソーシャルメディアの重要性が高まり、製品やサービスの認知度向上から購買促進に至るまで多様な役割を果たし、需要が安定して続くことが予想されています。
このような流れを背景に、2029年には2024年比で約1.8倍の1兆8,978億円に達すると予想されています。
■本調査における市場およびカテゴリの定義について
本調査における市場やカテゴリの定義は下記の通りです。
◆国内ソーシャルメディアマーケティング市場
企業が日本国内で自社製品やサービスを対象に活動する際のソーシャルメディアマーケティングにおける年間総支出(1-12月)を示し、以下の6つのカテゴリに分けられます。
1. インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーがソーシャルメディア上でのPR活動を行い、自社製品やサービスをプロモーションするための支出の合計です。
*金額はインフルエンサーやクリエイターに対する報酬、または契約関係を有する企業の売上を含みます。
2. インフルエンサーマーケティング 縦型ショート動画
インフルエンサーを介した縦型ショート動画コンテンツに特化したSNSにおけるマーケティング需要の総額です。静止画や最適化されていないクリエイティブは対象外となります。
3. アカウント運用支援
法人企業が自社の販売促進や顧客育成を目的に開設したアカウントの運用支援に関する支出です。動画制作にかかる費用はアカウント運用者との売上のみを対象とします。
5. 分析ツール
ソーシャルリスニング、プランニングツール、効果測定ツールに対しての支出です。監視専門ツールは含まれません。
6. ソーシャルメディア広告
YouTube、Facebook/Instagram、LINE、X(旧Twitter)、TikTok上で提供される広告を含みます。ブログサイトの広告は除外されます。
■調査概要
調査主体 株式会社サイバー・バズ
調査時期 2024年5月から2024年10月
調査方法 広告会社やソーシャルメディアマーケティング会社、インフルエンサーマーケティング会社および各種ソリューション事業者へのヒアリング及びデータ収集
調査対象 ソーシャルメディアマーケティング市場
調査機関 株式会社デジタルインファクト
出典元:サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ