訪日中国人向けインバウンド対策で小売事業者がやっておくべき10のこと

皆さんこんにちは。株式会社オーエスの高橋です。

第3回目の今日は、「訪日中国人向けインバウンド対策で小売事業者がやっておくべき10のこと」と題して、今だからやっておくべき訪日中国人対策をお話いたしますので参考にしていただければ幸いです。

インバウンド業界の消費額もコロナ禍前を既に超えている状態になってきておりますが、コロナ禍前に消費金額を牽引していた中国からの訪日観光客はまだ100%戻りきっておりません。[2024年2月:訪日中国人45万9,400人(2019年比:36.5%減)※JNTO調べ]

コロナ禍前からインバウンドと越境ECには密接な関係がございました。これから戻ってくる可能性が高い訪日中国人消費拡大のチャンスを逃さないためにも日本の小売事業者(実店舗、EC問わず)が今できること、またやっておくべきことを今回はお話させていただければと思います。

2024年2月訪日外客数
※JNTO資料(対2019年比)より

まずインバウンド対策を行いたいというご相談を受けることが多々ございますが、私は「どこの国の訪日客ですか?」という質問をいたします。そのときによくあるのが「中華圏」という回答です。

多分この答えの真意は訪日客の約50%を占める東アジアの「中国」「台湾」「香港」のこと指すものと認識しております。ただし、「中国本土」と「台湾」「香港」とではインターネットの環境も違い、日常利用しているプラットフォームも全く違うということが難しい課題になるのです。まず対策をする側として、「誰に対して」を考え、国を絞って対策をとることが良いでしょう。特に中国本土は日常利用しているプラットフォーム(微信:WeChat 、微博:Weibo、小紅書:RED、抖音:Douyin、bilibili など)は日本人にも馴染みのない中国独自のものばかりです。

現在、訪日中国人は個人旅行客(FIT)、団体旅行客(GIT)問わず、訪日する前にインターネットで情報収集をし、旅行のプランをある程度考え、購入するものもリストアップして日本に旅行に来ます。そのことも踏まえ訪日中国人に対する有効なインバウンド対策を①旅前②旅中③旅後の3つステージでまとめました。

訪日中国人向けインバウンド対策で小売事業者がやっておくべき10のこと

訪日中国人向けインバウンド対策で小売り事業者がやっておくべき10のこと

~旅前~

① 中国向けのプロモーション活動(SNS)

中国の主要なSNSプラットフォームであるWeChatやWeibo、REDを活用し、情報を発信します。ポイントはメーカー側からの公式情報だけでなく、「第三者からの情報」発信をしてもらう仕掛けを作ることです。中国は日本以上に口コミの文化が強い国です。実際に日本に旅行に来て購入した方の良い口コミ情報は、旅前の購入リストに大きな影響を与えるでしょう。

② 中国人向けの観光情報提供

日本の観光名所や店舗周辺施設の情報を中国語で提供し、観光客の滞在をより快適にします。インバウンドのお客様の一番の目的は旅行であり、観光です。販売したい商品の情報だけでなく、店舗の近くにはこういう観光施設があるということや、周辺での一日観光攻略ガイドなどの情報を発信し集客を促します。

③ 中国の人気商品の取り扱い

すでに中国で人気になっている彼らのニーズに合った商品をリサーチし、その商品を一緒に取り扱うことによって店舗への来店を促します。そして訪日中国人が来店することを想定し、本当に販売したい商品を来店した方に訴求するキャンペーンを考え、販売していくような戦略を立てておくと良いでしょう。

③ 中国の人気商品の取り扱い

~旅中~

④ 中国語対応スタッフの配置

言語対応はとても重要です。店舗に中国語を話せるスタッフを配置し、顧客の質問や要望に迅速かつ適切に対応します。そして「中国語対応しているお店」ということを事前にSNSなどで情報発信することも忘れずに行いましょう。また中国の文化や習慣について店舗のスタッフが理解しておくことも重要です。

⑤ 中国QRコード決済の導入

中国ではQRコード決済が一般的です。AlipayやWeChat Payなどの中国の主要な決済サービスを導入することは非常に重要です。せっかく購入しようと思ってもQR決済ができないという理由で購入の機会を逃してしまいます。ターゲットが中国人の場合は必ず対応したほうが良いでしょう。

⑥ 商品の中国語表示

商品のラベルや説明を中国語で表示することで、中国人顧客の理解を深め、購買意欲を高めることができます。また商品だけでなく特に購入の仕方やクーポンが使えること、免税対応できることなどユーザーの利点になるようなことは目立つように大きく表示しておくと良いでしょう。

⑦ 中国の祝日やイベントに合わせたセール

特に中国からの訪日旅行客が増える季節は中国の祝日などが多いです。顧客の関心を引く手段として、中国の重要な祝日やイベント(春節、国慶節など)に合わせて日本の店舗でもセールや特別キャンペーンを実施すると良いでしょう。またセールを開催するという情報を事前にSNSから発信することも忘れずに行いましょう。

⑧ WeChat公式アカウントのQRフォロー

次の売上に繋げる非常に重要な施策として、店舗のWeChat公式アカウントを開設し、店舗内にQRコードを露出して来店していただいた中国人にフォローしていただくことを店舗内で促進しましょう。当日利用できるクーポン配布など何かインセンティブをつけてあげると良いでしょう。それと同時に中国からでも購入できる情報(売っているEC店舗や購入方法など)も伝えられれば、帰国後のリピート購入に繋げることも可能になります。

⑨ 免税対応

特に高級商品は免税ができるお店とできないお店では差が出ます。免税手続きをスムーズに行い、中国人観光客に税金の還付を提供してあげる体制を作りましょう。また免税対応しているお店という情報を事前にSNSから発信することも忘れずに行いましょう。

⑨ 免税対応

~旅後~

⑩ 顧客フィードバックの収集と越境ECへの誘導

中国人顧客からのフィードバックをWeChatを使って積極的に収集し、サービスや商品の改善に活かします。またWeChat公式アカウントをフォローしてもらったユーザーに対して、人気の商品情報やキャンペーン情報などを定期的発信し、越境ECの売上につなげましょう。

最後に:10の施策で売上の最大化を!

いかがでしたか?これから本格的に戻って来る訪日中国人の消費意欲は非常に高いことが予測されます。訪日旅行の際に多く購入される人気商品は、越境ECでもリピート購入されることが多いです。

本格的に戻って来ることが予測できるこのタイミングで、上記のような対策を立てインバウンド売上と越境EC売上の相乗効果を狙い、売上の最大化を図ることをおすすめいたします!

訪日中国人のインバウンド対策の相談をしたいという方はぜひお気軽にお問い合わせください。

それでは次回のコラムもお楽しみに!

株式会社オーエス 会社概要
https://oscorporation.com/

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